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ハリエットの背景 ルキウスの背景②
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ルキウスはドリガー侯爵家の次男として生を受けた。
本来なら次男は後継となる嫡男のスペアだが、王家の嫡女として生まれた王女ミラフィーナと同年の生まれであったことから、まだ首も据わらぬうちに王配候補に名を連ねられたのである。
そして物心つく前から将来の王配に相応しい教育を施され、十二の年からは王宮に部屋を用意されそこでみっちりと他の王配候補の高位貴族令息たちと王配教育を受けることとなった。
要するに王配候補者たちを早々に囲い込み、外界の悪しき娯楽誘惑等に染まらないよう養育されたというわけである。
将来の女王であり将来の妻となるかもしれない王女と王配候補たち三名は、そうやって王宮というゆりかごにて、互いの立場を尊重し信頼を寄せ、そして共に支え合いながら成長してきたのだった。
ルキウスの他、王配候補は侯爵家の三男と王国筆頭伯爵家の次男で、いずれも同年の生まれである。
そんな王配候補者たちの関係性は、ひとつしかない王配という椅子を巡るライバルであり、切磋琢磨し合う親友であり、そして王女を崇拝する同士でもあった。
そうやって仲良しこよしで幸せな時間を共有してきた王女と彼らだが、現国王が病を理由に生前退位を決めた時点でその幸せな時間に幕引きをされる事となる。
いよいよ成人も迎える王女が女王となる目処が立った事により、王配の選定が行われたのだ。
王配の選定において、まず一番に尊重されるのは自身の伴侶を迎える王女の意思である。
それを国王と宰相が是非の判断をし、議会にかけるのだ。
そして議会の満場一致とはいかずとも大多数の承認を経て、王配が定められたのであった。
そうして王配に選ばれたのは、筆頭伯爵家の次男であった。
その理由は詳らかにはされていないが、多くの者の憶測では、本人の能力と生家である伯爵家がどの代においても多産の傾向がある家だからであろうというものであった。
代々多産であるということは、娶った妻の体質だけでなく歴代の当主たちの種もまた強く豊かであるということ。
王家はかつて、高貴な青い血に拘り過ぎて近親婚が繰り返された。
ここで詳細は記さないが、それにより遺伝子は劣化の途を辿り、無事に腹の中で育ち生まれてくること自体が稀となってしまったのである。
そうして王家に生まれる人間の数は代を重ねる毎に減少していき、今では直系の血を受け継ぐのは現国王と王女の二人だけとなってしまったのである。
従って可及的速やかに王族を増やす必要があり、それが安寧な治世と共に君主に求められる至上命題であった。
それが王配選定の誠の理由であるならば、最初から出来レースだったのではないかという意見もあろうが、あくまでも最終的に決めるのは王女である。
王女が自身の伴侶を選ぶにおいて感情を取るか利を取るか、それはその時にならねばわからないのだから。
結果、王女は利を取った。
そうして王配は定められ、
ルキウスには自分は選ばれなかったという結果だけが残った。
そしていつまでも王宮に、王配の選出から外れた者の居場所はない。
ルキウスと侯爵家の三男は住み慣れた王宮を後にし、それぞれ生家に戻ることとなったのである。
しかし生家に戻れど彼らに継げる家督はない。
かといって王配になる可能性だけを見据えて生きてきた彼らに、生家の従属爵位を継いで自立するという気概は持ち合わせてはいなかった。
従ってどこかに婿入りをせねばならないのは自明の理で、そのため早々に婿入り先が決められたのである。
もちろん貴族の務めとしての婚姻であることから、そこに本人の意思は関係ない。
ルキウスは未だにかつての王宮暮らしの中に、そして王女の側に心を置いているのにも関わらず、丁度よいタイミングで婿となる貴族男性を探していたハリエット・オーラウン女性伯爵と婚約させられたのである。
そしてルキウス本人は激変した環境に翻弄されるがまま婚姻の儀を挙げ、翻弄されるがまま初夜を迎えたのであった。
─────────────────────
明日の朝も更新できるかもしれない…
(*´°∀°`)たぶん!
本来なら次男は後継となる嫡男のスペアだが、王家の嫡女として生まれた王女ミラフィーナと同年の生まれであったことから、まだ首も据わらぬうちに王配候補に名を連ねられたのである。
そして物心つく前から将来の王配に相応しい教育を施され、十二の年からは王宮に部屋を用意されそこでみっちりと他の王配候補の高位貴族令息たちと王配教育を受けることとなった。
要するに王配候補者たちを早々に囲い込み、外界の悪しき娯楽誘惑等に染まらないよう養育されたというわけである。
将来の女王であり将来の妻となるかもしれない王女と王配候補たち三名は、そうやって王宮というゆりかごにて、互いの立場を尊重し信頼を寄せ、そして共に支え合いながら成長してきたのだった。
ルキウスの他、王配候補は侯爵家の三男と王国筆頭伯爵家の次男で、いずれも同年の生まれである。
そんな王配候補者たちの関係性は、ひとつしかない王配という椅子を巡るライバルであり、切磋琢磨し合う親友であり、そして王女を崇拝する同士でもあった。
そうやって仲良しこよしで幸せな時間を共有してきた王女と彼らだが、現国王が病を理由に生前退位を決めた時点でその幸せな時間に幕引きをされる事となる。
いよいよ成人も迎える王女が女王となる目処が立った事により、王配の選定が行われたのだ。
王配の選定において、まず一番に尊重されるのは自身の伴侶を迎える王女の意思である。
それを国王と宰相が是非の判断をし、議会にかけるのだ。
そして議会の満場一致とはいかずとも大多数の承認を経て、王配が定められたのであった。
そうして王配に選ばれたのは、筆頭伯爵家の次男であった。
その理由は詳らかにはされていないが、多くの者の憶測では、本人の能力と生家である伯爵家がどの代においても多産の傾向がある家だからであろうというものであった。
代々多産であるということは、娶った妻の体質だけでなく歴代の当主たちの種もまた強く豊かであるということ。
王家はかつて、高貴な青い血に拘り過ぎて近親婚が繰り返された。
ここで詳細は記さないが、それにより遺伝子は劣化の途を辿り、無事に腹の中で育ち生まれてくること自体が稀となってしまったのである。
そうして王家に生まれる人間の数は代を重ねる毎に減少していき、今では直系の血を受け継ぐのは現国王と王女の二人だけとなってしまったのである。
従って可及的速やかに王族を増やす必要があり、それが安寧な治世と共に君主に求められる至上命題であった。
それが王配選定の誠の理由であるならば、最初から出来レースだったのではないかという意見もあろうが、あくまでも最終的に決めるのは王女である。
王女が自身の伴侶を選ぶにおいて感情を取るか利を取るか、それはその時にならねばわからないのだから。
結果、王女は利を取った。
そうして王配は定められ、
ルキウスには自分は選ばれなかったという結果だけが残った。
そしていつまでも王宮に、王配の選出から外れた者の居場所はない。
ルキウスと侯爵家の三男は住み慣れた王宮を後にし、それぞれ生家に戻ることとなったのである。
しかし生家に戻れど彼らに継げる家督はない。
かといって王配になる可能性だけを見据えて生きてきた彼らに、生家の従属爵位を継いで自立するという気概は持ち合わせてはいなかった。
従ってどこかに婿入りをせねばならないのは自明の理で、そのため早々に婿入り先が決められたのである。
もちろん貴族の務めとしての婚姻であることから、そこに本人の意思は関係ない。
ルキウスは未だにかつての王宮暮らしの中に、そして王女の側に心を置いているのにも関わらず、丁度よいタイミングで婿となる貴族男性を探していたハリエット・オーラウン女性伯爵と婚約させられたのである。
そしてルキウス本人は激変した環境に翻弄されるがまま婚姻の儀を挙げ、翻弄されるがまま初夜を迎えたのであった。
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明日の朝も更新できるかもしれない…
(*´°∀°`)たぶん!
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