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王太后の心
オリオル王国に嫁ぎ、今や王太后となった叔母のベルナデットに呼ばれたヴィルジニー王女は、自室に通されその姿を見るなり泣きついた。
「叔母様っ……!皆が酷いのですっ……!」
開口一番そう告げて、ヴィルジニーは甘えた声でこう続けた。
「側妃や他の候補者令嬢達がわたくしに意地悪をするのですわっ!」
それを聞き、ベルナデットは穏やかな口調で訊ねた。
「まぁ、一体どのような意地悪をされたというの?」
「エゼキエル様のお見舞いに伺いたいとお願いしているのに駄目だと言われたり、コソコソ悪口を言われたりするのですわっ」
「体調を鑑みてお見舞いを断るのは当たり前だし、それに悪口だなんて。あの子達がそんな事をするとは思えないわ……ヴィルジニー、貴女の気の所為なのではないかしら?」
「そんなっ、酷いですわ叔母様っ…姪のわたくしより、あんな人たちの肩を持つのですかっ?」
ベルナデットは自身の侍女にヴィルジニーのお茶を用意するよう指示してからそれに答えた。
「うーん……でも私はオリオルに嫁いでもう二十年になるの…そして祖国を離れてから生まれた貴女とは今回の来訪で初めて顔を合わせた訳でしょう?姪といっても、実際はお嫁さんのアンリちゃんの為人の方がよく分かっているのですもの。だから肩を持つとかそれ以前の信頼関係の問題よ?」
王太后が叔母である事を頼みとしていた王女は言われた言葉にショックを隠しきれない様子だった。
……元々感情を隠すタイプではないが。
「冷たいわっ叔母様っ、叔母様までそんな意地悪をっ!」
「別に意地悪をしたくて言っているのではなくてよ?面識はなくとも姪である事に変わりは無いのだから。でもそれに胡座をかいて他国でやりたい放題なのはやめた方が良いと思うの、ただそれだけよ」
そう言ってベルナデットは優雅な仕草でお茶を口に含む。
敢えてそうしているのか、その所作は祖国の作法であった。
「それにね、ヴィルジニー」
ベルナデットはカップをソーサーに戻し、王女を見た。
「私もエゼキエル本人も、この縁談は何度もお断りしている筈でしょう。夜会で大使夫妻に再び縁談の話が上がっていると聞いた時は本当に驚いたわ。でもね、今更なのよ」
王女は用意されたお茶には手をつけず、自身の叔母であるベルナデットに訊ねた。
カップからは馥郁とした香りの湯気が立っている。
「今更とは?」
「夫が…前国王が亡くなった時に、我が国は即位するエゼキエルの立場を盤石なものとしたくて、予てより話が上がっていた第三王女との婚姻を申し出た。だけど私の兄であり、貴女の父親である国王はこちらの足元を見て、どうしても婚姻を結びたいのであれば鉱脈の権利を渡せと主張して来たのよ。オリオルの国益を担う鉱脈を。これは表沙汰になっていない事実よ」
ベルナデットはあの時の屈辱を忘れてはいなかった。
実の兄は、甥であるエゼキエルを擁護する事すらしてくれず、剰え法外な要求を突きつけてきたのだ。
そこで亡き夫の友人であったベルファスト辺境伯アイザックが身を切る思いで自身の娘を王家に嫁がせ、姻戚となる事で国内外にモリス侯爵家とベルファスト辺境伯家の二大門閥がエゼキエルの後ろ盾となったと知らしめてくれた。
それによりアバディ公爵より優勢となれた。
一時的な婚姻であると認識していた上で、それでも亡き夫人の忘れ形見である大切な一人娘を王家に嫁がせてくれたのだ。
そんなアイザック=ベルファストの娘は、彼の真っ直ぐで誠実な性格をそのまま受け継いだ心根の綺麗な優しい子であった。
わずか十歳にして己の立場を理解して、その役目と真摯に向き合ってきてくれた。
どんな時も明るく、前向きで、朗らかで。
一緒に居ると自然と笑顔になる。
そんなアンリエッタを愛さずにいられなかったのは、
息子のエゼキエルだけではないのだ。
義母となったベルナデットもまた、アンリエッタが大切で愛しくて堪らなかった。
エゼキエルの正妃として、この国の国母として必要なのは家柄でも財力でもなんでもない。
アンリエッタのような得難い人柄こそが、エゼキエルには必要なのだという事が、早い段階から分かっていたのだった。
しかしアンリエッタが良い子だからという理由だけで正妃に据える事はなかなかに難しい。
前国王崩御の際には日和って身を潜めていた者たちが、我が家門の娘こそ正妃に相応しいと名乗りを上げるのは分かりきっている事であった。
なのでエゼキエルはもう何年も前からそれらの声を問答無用で黙らせる為の力を得ようとしているのだ。
ずっと繋ぎ続けてきたアンリエッタの手を離さずに済むように。
しかしそれによってエゼキエル自身が倒れてしまうとは思いも寄らなかったが……。
ーー王太后なんて、本当にただの称号だけね。
私にもう少し権限があれば……。
そう考えてベルナデットは首を横に振った。
分を超えた権限などあっても意味はない。
だからこそ宰相が、ベルファスト辺境伯が、側近や官吏や臣下達が王家を支えてくれるのだ。
あとはその頂きであるエゼキエルが彼らの忠誠心に相応しい王となる事。
そしてそれを側でアンリエッタが寄り添い続けてくれたら……
それがベルナデットの願いであった。
そしてその思いは宰相のモリスも同じであるようで……。
彼はアンリエッタを引き摺り下ろそうと裏で画策する有象無象を、ずっと抑え込んだり潰したりしてくれているのだ。
後はエゼキエルが王家の秘術を復活させ、先々王から失落しつつある王家の求心力を取り戻せさえすれば……
そう思っていたのにこの事態である。
エゼキエルは倒れ、
祖国の兄王は扱いに困っている我儘三昧に育った第三王女を押しつけようとしている。
ーー頭が痛い話だけれど、ヴィルジニーの事は私が何とかしなくては。
ベルナデットはこの後も延々とヴィルジニー王女にオリオルは他国との縁組は必要ない事を解いて聞かせた。
だけどヴィルジニーはエゼキエルは自分を望んでくれる筈だと言って引き下がらない。
自身の見目の良さを引き合いに出し、エゼキエルが一目でも自分の姿を見たら手放せなくなると自信を持っているようなのだ。
確かにヴィルジニーは美しい。
だがそれならアンリエッタとて月の妖精と言わしめるほど美しい娘だ。
そんなアンリエッタを幼い頃から見ているエゼキエルが見た目だけで妃を選ぶ筈がない。
それをまた延々と説き伏せてもヴィルジニーは納得しなかった。
ーー根性だけは相当なものね……
ベルナデットは長期戦になりそうだと覚悟した。
「叔母様っ……!皆が酷いのですっ……!」
開口一番そう告げて、ヴィルジニーは甘えた声でこう続けた。
「側妃や他の候補者令嬢達がわたくしに意地悪をするのですわっ!」
それを聞き、ベルナデットは穏やかな口調で訊ねた。
「まぁ、一体どのような意地悪をされたというの?」
「エゼキエル様のお見舞いに伺いたいとお願いしているのに駄目だと言われたり、コソコソ悪口を言われたりするのですわっ」
「体調を鑑みてお見舞いを断るのは当たり前だし、それに悪口だなんて。あの子達がそんな事をするとは思えないわ……ヴィルジニー、貴女の気の所為なのではないかしら?」
「そんなっ、酷いですわ叔母様っ…姪のわたくしより、あんな人たちの肩を持つのですかっ?」
ベルナデットは自身の侍女にヴィルジニーのお茶を用意するよう指示してからそれに答えた。
「うーん……でも私はオリオルに嫁いでもう二十年になるの…そして祖国を離れてから生まれた貴女とは今回の来訪で初めて顔を合わせた訳でしょう?姪といっても、実際はお嫁さんのアンリちゃんの為人の方がよく分かっているのですもの。だから肩を持つとかそれ以前の信頼関係の問題よ?」
王太后が叔母である事を頼みとしていた王女は言われた言葉にショックを隠しきれない様子だった。
……元々感情を隠すタイプではないが。
「冷たいわっ叔母様っ、叔母様までそんな意地悪をっ!」
「別に意地悪をしたくて言っているのではなくてよ?面識はなくとも姪である事に変わりは無いのだから。でもそれに胡座をかいて他国でやりたい放題なのはやめた方が良いと思うの、ただそれだけよ」
そう言ってベルナデットは優雅な仕草でお茶を口に含む。
敢えてそうしているのか、その所作は祖国の作法であった。
「それにね、ヴィルジニー」
ベルナデットはカップをソーサーに戻し、王女を見た。
「私もエゼキエル本人も、この縁談は何度もお断りしている筈でしょう。夜会で大使夫妻に再び縁談の話が上がっていると聞いた時は本当に驚いたわ。でもね、今更なのよ」
王女は用意されたお茶には手をつけず、自身の叔母であるベルナデットに訊ねた。
カップからは馥郁とした香りの湯気が立っている。
「今更とは?」
「夫が…前国王が亡くなった時に、我が国は即位するエゼキエルの立場を盤石なものとしたくて、予てより話が上がっていた第三王女との婚姻を申し出た。だけど私の兄であり、貴女の父親である国王はこちらの足元を見て、どうしても婚姻を結びたいのであれば鉱脈の権利を渡せと主張して来たのよ。オリオルの国益を担う鉱脈を。これは表沙汰になっていない事実よ」
ベルナデットはあの時の屈辱を忘れてはいなかった。
実の兄は、甥であるエゼキエルを擁護する事すらしてくれず、剰え法外な要求を突きつけてきたのだ。
そこで亡き夫の友人であったベルファスト辺境伯アイザックが身を切る思いで自身の娘を王家に嫁がせ、姻戚となる事で国内外にモリス侯爵家とベルファスト辺境伯家の二大門閥がエゼキエルの後ろ盾となったと知らしめてくれた。
それによりアバディ公爵より優勢となれた。
一時的な婚姻であると認識していた上で、それでも亡き夫人の忘れ形見である大切な一人娘を王家に嫁がせてくれたのだ。
そんなアイザック=ベルファストの娘は、彼の真っ直ぐで誠実な性格をそのまま受け継いだ心根の綺麗な優しい子であった。
わずか十歳にして己の立場を理解して、その役目と真摯に向き合ってきてくれた。
どんな時も明るく、前向きで、朗らかで。
一緒に居ると自然と笑顔になる。
そんなアンリエッタを愛さずにいられなかったのは、
息子のエゼキエルだけではないのだ。
義母となったベルナデットもまた、アンリエッタが大切で愛しくて堪らなかった。
エゼキエルの正妃として、この国の国母として必要なのは家柄でも財力でもなんでもない。
アンリエッタのような得難い人柄こそが、エゼキエルには必要なのだという事が、早い段階から分かっていたのだった。
しかしアンリエッタが良い子だからという理由だけで正妃に据える事はなかなかに難しい。
前国王崩御の際には日和って身を潜めていた者たちが、我が家門の娘こそ正妃に相応しいと名乗りを上げるのは分かりきっている事であった。
なのでエゼキエルはもう何年も前からそれらの声を問答無用で黙らせる為の力を得ようとしているのだ。
ずっと繋ぎ続けてきたアンリエッタの手を離さずに済むように。
しかしそれによってエゼキエル自身が倒れてしまうとは思いも寄らなかったが……。
ーー王太后なんて、本当にただの称号だけね。
私にもう少し権限があれば……。
そう考えてベルナデットは首を横に振った。
分を超えた権限などあっても意味はない。
だからこそ宰相が、ベルファスト辺境伯が、側近や官吏や臣下達が王家を支えてくれるのだ。
あとはその頂きであるエゼキエルが彼らの忠誠心に相応しい王となる事。
そしてそれを側でアンリエッタが寄り添い続けてくれたら……
それがベルナデットの願いであった。
そしてその思いは宰相のモリスも同じであるようで……。
彼はアンリエッタを引き摺り下ろそうと裏で画策する有象無象を、ずっと抑え込んだり潰したりしてくれているのだ。
後はエゼキエルが王家の秘術を復活させ、先々王から失落しつつある王家の求心力を取り戻せさえすれば……
そう思っていたのにこの事態である。
エゼキエルは倒れ、
祖国の兄王は扱いに困っている我儘三昧に育った第三王女を押しつけようとしている。
ーー頭が痛い話だけれど、ヴィルジニーの事は私が何とかしなくては。
ベルナデットはこの後も延々とヴィルジニー王女にオリオルは他国との縁組は必要ない事を解いて聞かせた。
だけどヴィルジニーはエゼキエルは自分を望んでくれる筈だと言って引き下がらない。
自身の見目の良さを引き合いに出し、エゼキエルが一目でも自分の姿を見たら手放せなくなると自信を持っているようなのだ。
確かにヴィルジニーは美しい。
だがそれならアンリエッタとて月の妖精と言わしめるほど美しい娘だ。
そんなアンリエッタを幼い頃から見ているエゼキエルが見た目だけで妃を選ぶ筈がない。
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