無関係だった私があなたの子どもを生んだ訳

キムラましゅろう

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ミニ番外編

ハツコイの兆し……?

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北方騎士団より精鋭の騎士数名が王宮騎士団の演習指導の為に派遣されて来た。

最北の国境線を守る屈強な騎士達に、王族の身辺を警護する近衛騎士とは違ってどうしても緊張感に欠けてしまう王都の騎士達に定期的に喝を入れて貰う為である。

年に数度、三ヶ月に一度くらいの割合で北の地よりやって来る彼ら。

その訓練の凄まじさから、王宮の騎士達は“北の爆弾低気圧”と呼んで来襲を恐れていた。

そして今回も、今や北方騎士団の長となったファビアン選りすぐりの北の猛者達がやって来たのだった。

しかし此度の派遣から一人、演習に加わった人物がいる。

それはファビアンの愛娘であり、ロードリック辺境伯令嬢のミシェルだ。

ミシェルは剣術が大好きで、もっと幼い頃から騎士達に紛れて剣を振っていた。

その剣技の才は類い稀なるものだと、北方の騎士達は誰もが舌を巻いている。

末恐ろしい九歳児、さすがは北の守護神の娘であると。

今回はそのミシェルが見聞を広げる為にと、王都での演習に参加したのだ。

滞在は勿論ワイズ伯爵家。

毎朝ミシェルは王宮に出仕するフェリックスと、そして妃教育の為に王太子宮に通うポレットと、そしてミシェルが演習に参加すると聞き是非自分もと願い出たルシアンと共に王宮へ向かう。

王宮騎士団の演習場に着くと既に北方騎士達は集まっていた。

騎士達はルシアンとミシェルに気付くと大いに破顔しながら手を振った。

「ルシアン卿!ご無沙汰しておりますな、お元気そうで何よりです」

「こちらこそご無沙汰しております。でもその“ルシアン卿”はもうおやめ下さい、恥ずかしいです」

ルシアンがそう言うと、北の騎士達は揃いも揃って口々に言う。

「何を仰る!我々にとってルシアン卿は永遠にルシアン卿なのです!」

ちょっと意味が分からないなと思いつつも、ルシアンは「せめて演習中だけはそう呼ばないで下さいね」と頼んでおいた。

まだ騎士見習いである自分が“卿”など付けて呼ばれると居心地が悪くて仕方ない。

ミシェルはその様子がなんだか可笑しくて笑った。

「ふふふ」


ルシアンとミシェルが王宮騎士達に紛れて訓練に参加している事はたちまち評判になった。

二人ともかなりの素質があり、将来が楽しみだと日毎見物客が増えてゆく。

特にルシアンが汗を流しながら剣を振るうレアな姿が見られると、多くの年若い令嬢達が見学に押し寄せていた。

最初は気にも留めていなかったミシェルだが、集まった令嬢達がみんな熱に浮かされたようにルシアンを見ている事に気付いた。

ーールシアン様って人気者なのね

そう感心すると共に、自分に対する令嬢達の妬み嫉みの視線も気になった。

ーーどうしてみんなわたしをにらむのかしら?

彼女達が不快に思うような事をしただろうか、ミシェル不思議に思った。

そんなミシェルを隠すようにルシアンの立ち位置が変わった。

令嬢達からの視線が遮られ、ミシェルはなんだかホッとした。
そのホッとする自分に気付く。

ーーわたし、自分が思ういじょうに、にらまれることがイヤだったんだわ……

そしてそれをミシェル本人よりも敏感に感じ取り、
まるでミシェルを令嬢達の悪意から守るように壁になってくれたルシアンの行動に驚いた。

ーールシアン様ってほんとうにやさしい人だわ。人気者なのもわかる……

とミシェルは剣を振りながら思ったのだった。

この時に芽生えた感情が初恋の始まりだったとミシェル本人が気付くのはもう少し後の事になる。




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こちらの番外編の更新日を増やそうと思っております。

毎週火曜、木曜、として時々土曜日と決めました。

文字数が少なめのあっさり更新となります。

まだ作品名とどちらのレーベルさんからとは詳しく公表出来ないのですが、作者の作品が2作品書籍化が進行しております。

その加筆や修正の兼ね合いでしばらくあっさり更新になると思いますが、これからもハノン達を描いてゆきたいと思いますのでよろしくお願いいたします!

次回からはキースとその婚約者のお話です☆





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