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ミニ番外編
過去を振り返って…… るちあん、王都へ移り住む① 別れ
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「や!めろりぃたんもいっしょ、いちゅの!」
「ル゛……ルッジィィィ~~っ!!」
「めろりぃたん!」
ひしと互いを抱きしめ合うメロディとルシアン。
今日はハノンとルシアンが、迎えに来たフェリックスと共に王都へと旅立つ日だ。
見送りに来てくれたメロディとはここで一旦お別れと知り、メロディを第二の母と慕うルシアンが離れたくないと泣き出したのだ。
ルシアンよりもメロディの方が怒涛の涙を流し続けているが。
「ルッシーッ……アタシも絶っっ対、後から追いかけるからネッ!それまでイイコにしててネッ!愛してるワ、マイスゥィートボーイッ……♡」
そう言ってメロディは抱きしめていたルシアンをそのまま抱き上げ、フェリックスに渡す。
そして慈しみ、愛情深い眼差しをルシアンに向けて言った。
「パパと暮らせるようになって良かったわネ。ウンと可愛がって貰いなさい、ルッシー」
「めろりぃたん……!」
フェリックスに抱き直されるも、ルシアンはメロディに手を伸ばす。
その姿を見てメロディは更に涙腺を崩壊させた。
「ふぐっ……!」
そんなメロディにフェリックスは言う。
「メロディさん。貴女にはこの先一生を懸けても返しきれない程の大恩を感じています。今までハノンとルシアンを支えて下さり、本当に感謝しています。ありがとうございました」
「ッ…ハノンもルッシーもアタシの大切なダチだものっ、当たり前の事をしただけで感謝なんかして貰わなくて結構ヨっ……その代わり、絶対に二人を幸せにして頂戴っ!不幸になんかしたら、許さないんだからっ!」
「わかっています。ハノンとルシアンを守り、大切にし、必ず幸せにしてみせます」
「なにヨっ!イケメンが言うとそれだけで胡散臭いわネっ!だけどハノンを探し続けた事に免じて信じてあげるワっ!頼んだわよっ!」
「はい。お約束します」
フェリックスが力強く頷いたのを見て、
メロディも満足そうに大きく頷いた。
フェリックスはハノンに声をかける。
「ハノン、じゃあそろそろ行こうか……ハノン?」
隣にいた筈のハノンの姿がそこにない。
しかし背後に気配を感じ慌てて後ろを振り返ると、背を向けて咽び泣くハノンがいた。
「うっ…うっ……ふっ……うぅ……」
小さく嗚咽を漏らしながらハノンは顔に手を当てて泣いている。
「ハノン……」
「ヤダあんた、何泣いてンのヨっ!イイ年こいてっ……!」
そう言うメロディも号泣中である。
ハノンも泣きながら反論する。
「イイ年こいてって何よっ……言っときますけどねっ…ルシーを除いたら、この中ではわたしが最年少なんだからっ……」
「ハイハイ、ホントに気が強いんだからっ……王都に行っても大丈夫そうネっ、まぁせいぜい幸せになりなさいっ……!」
「っ~~メロディ~~っ!」
「ハノン゛ーーっ!!」
そう言って二人、泣きながら抱きしめ合った。
「メロディっ……今まで本当にありがとうっ……貴女が居なかったらルシアンは無事に生まれなかったかもしれないし、こんなにも良い子で元気に育てられなかったと思うっ……それにメロディが居てくれたから寂しさを感じずにいられたの。本当に、本当にありがとうっ!」
「ヤダ何よモウっ!今生の別れみたいに言わないでヨ!アタシも絶対後からダーリンと一緒に王都に移住するからっ、首ネック洗って待ってなさいヨっ!」
「ぷっふふ…それを言うなら首根っこでしょう?……うん待ってる、待ってるからメロディっ……」
「めろりぃたん……」
しばしの別れと分かっていても、
すぐにメロディに会えない距離はとても辛かった。
そのくらい母子にとってはこの第二のお母ちゃんの存在は大きいのだ。
もうこれ以上泣くと三人とも脱水症状を引き起こすと思ったフェリックスがハノンとルシアンを馬車に乗せた。
これから西方騎士団の転移スポットを用いて王都にへ向かうのだ。
ハノンは馬車から顔を出し、ハンカチをぶぉんぶぉん降って見送ってくれるメロディにいつまでも手を振り返していた。
こうしてハノンにとっては数年ぶり、
ルシアンにとっては人生初の王都での暮らしが始まろうとしていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回、るちあん、王都に行く。
次の更新は来週の火曜になります。
ごめんなさい_:(´ཀ`」 ∠):
「ル゛……ルッジィィィ~~っ!!」
「めろりぃたん!」
ひしと互いを抱きしめ合うメロディとルシアン。
今日はハノンとルシアンが、迎えに来たフェリックスと共に王都へと旅立つ日だ。
見送りに来てくれたメロディとはここで一旦お別れと知り、メロディを第二の母と慕うルシアンが離れたくないと泣き出したのだ。
ルシアンよりもメロディの方が怒涛の涙を流し続けているが。
「ルッシーッ……アタシも絶っっ対、後から追いかけるからネッ!それまでイイコにしててネッ!愛してるワ、マイスゥィートボーイッ……♡」
そう言ってメロディは抱きしめていたルシアンをそのまま抱き上げ、フェリックスに渡す。
そして慈しみ、愛情深い眼差しをルシアンに向けて言った。
「パパと暮らせるようになって良かったわネ。ウンと可愛がって貰いなさい、ルッシー」
「めろりぃたん……!」
フェリックスに抱き直されるも、ルシアンはメロディに手を伸ばす。
その姿を見てメロディは更に涙腺を崩壊させた。
「ふぐっ……!」
そんなメロディにフェリックスは言う。
「メロディさん。貴女にはこの先一生を懸けても返しきれない程の大恩を感じています。今までハノンとルシアンを支えて下さり、本当に感謝しています。ありがとうございました」
「ッ…ハノンもルッシーもアタシの大切なダチだものっ、当たり前の事をしただけで感謝なんかして貰わなくて結構ヨっ……その代わり、絶対に二人を幸せにして頂戴っ!不幸になんかしたら、許さないんだからっ!」
「わかっています。ハノンとルシアンを守り、大切にし、必ず幸せにしてみせます」
「なにヨっ!イケメンが言うとそれだけで胡散臭いわネっ!だけどハノンを探し続けた事に免じて信じてあげるワっ!頼んだわよっ!」
「はい。お約束します」
フェリックスが力強く頷いたのを見て、
メロディも満足そうに大きく頷いた。
フェリックスはハノンに声をかける。
「ハノン、じゃあそろそろ行こうか……ハノン?」
隣にいた筈のハノンの姿がそこにない。
しかし背後に気配を感じ慌てて後ろを振り返ると、背を向けて咽び泣くハノンがいた。
「うっ…うっ……ふっ……うぅ……」
小さく嗚咽を漏らしながらハノンは顔に手を当てて泣いている。
「ハノン……」
「ヤダあんた、何泣いてンのヨっ!イイ年こいてっ……!」
そう言うメロディも号泣中である。
ハノンも泣きながら反論する。
「イイ年こいてって何よっ……言っときますけどねっ…ルシーを除いたら、この中ではわたしが最年少なんだからっ……」
「ハイハイ、ホントに気が強いんだからっ……王都に行っても大丈夫そうネっ、まぁせいぜい幸せになりなさいっ……!」
「っ~~メロディ~~っ!」
「ハノン゛ーーっ!!」
そう言って二人、泣きながら抱きしめ合った。
「メロディっ……今まで本当にありがとうっ……貴女が居なかったらルシアンは無事に生まれなかったかもしれないし、こんなにも良い子で元気に育てられなかったと思うっ……それにメロディが居てくれたから寂しさを感じずにいられたの。本当に、本当にありがとうっ!」
「ヤダ何よモウっ!今生の別れみたいに言わないでヨ!アタシも絶対後からダーリンと一緒に王都に移住するからっ、首ネック洗って待ってなさいヨっ!」
「ぷっふふ…それを言うなら首根っこでしょう?……うん待ってる、待ってるからメロディっ……」
「めろりぃたん……」
しばしの別れと分かっていても、
すぐにメロディに会えない距離はとても辛かった。
そのくらい母子にとってはこの第二のお母ちゃんの存在は大きいのだ。
もうこれ以上泣くと三人とも脱水症状を引き起こすと思ったフェリックスがハノンとルシアンを馬車に乗せた。
これから西方騎士団の転移スポットを用いて王都にへ向かうのだ。
ハノンは馬車から顔を出し、ハンカチをぶぉんぶぉん降って見送ってくれるメロディにいつまでも手を振り返していた。
こうしてハノンにとっては数年ぶり、
ルシアンにとっては人生初の王都での暮らしが始まろうとしていた。
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次回、るちあん、王都に行く。
次の更新は来週の火曜になります。
ごめんなさい_:(´ཀ`」 ∠):
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