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ミニ番外編
ルシアンからの話
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ワイズ伯爵家の朝は賑やかだ。
主に食堂が………
「ノエル!それはミシェルの朝食のマッシュルームオムレツだから食べちゃダメ!」
今朝もハノンの声が屋敷に響き渡る。
「だってぇ、オムレツさんがノエルにたべて!っていってるんだもん」
「オムレツさんはそんな事は言わないわ。それどころかノエルちゃん食べすぎよ、と言っているわよ?」
「オムレツさんそんなこといわないもん!」
「食べて欲しいとも言っていないわ」
「マッシュルームさんたちはいうもん!」
「まったくこの子は……!」
その毎朝の母娘のやり取りを姉のポレットや、魔術学園在籍中はワイズ伯爵家に居候しているミシェルが笑いながら見ている。
それも馴染みの朝の光景だ。
ミシェルが従妹であるノエルに言う。
「ふふ。食べすぎてはダメだからオムレツはあげられないけれど、オムレツに添えてあるプチトマトは食べてもいいよ」
「ほんと?」
ノエルの姉であるポレットも続いて言った。
「ノエル。姉さまはこのオレンジをあげるわ。だからミシェルのオムレツを食べてはダメよ?」
「やったぁ!ねぇねもミシェルおねぇさまもだいすき!」
「ふふふ」
「ノエルったら…ふふ」
「ホントにもう……毎朝毎朝……」
ハノンは呆れてため息をひとつ漏らす。
そして娘たちを眺めながらカフェオレを口に含んだ。
その時、朝の鍛錬から戻ったルシアンが食堂へ来てポレットとミシェルに声を掛けた。
「ポゥ、ミシェル、話しておきたい事があるから後で時間をくれる?」
「今日は学園はお休みだし登城も無い日だから構わないけれど……お話ってなぁに?」
ポレットがそう訊ねるとルシアンは妹に返事をした。
「それは後できちんと話すよ。ミシェルはどうかな?予定とか大丈夫?」
「はい。私も大丈夫です」
ミシェルがそう返すとノエルがルシアンに抱きついた。
「にぃに!」
ノエルは兄であるルシアンの事が大好きなのだ。
ルシアンは優しい兄の表情で年の離れた小さな妹を抱き上げる。
「ノエル。また食べすぎて母さんに叱られていたのか?」
「だってままのごはんおいしいんだもん……」
「でも食べすぎはよくないよ?現にほら、こうやって抱っこするとノエルが重くなったのがわかるよ」
「にぃに、それはノエルのせがのびたからよ?ブタさんになったからじゃないからね?」
「あはは。ノエルは頭の回転が早いよね。魔力も高いし、将来は偉大な魔術師になりそうだ」
「ノエル、まじゅつしになってまほーでおいしいものをだすの!」
「物理的精製魔法か……かなり高度な魔術となるな……父さんの幼馴染のコルベール卿に弟子入りした方がいいかもね」
「でし?のえる、おだしならしってる!おりょうりのきほんよ!」
「あはははっ」
兄と小さな妹の会話に、それを側で見ていたワイズ伯爵家の家令と二名のメイドが今朝も癒しと和みの供給を受けていたのであった。
◇◇◇◇◇
「それで兄さま、お話ってなあに?」
朝食の後、ルシアンとポレットとミシェルの三人は二階にあるテラスに集まった。
そしてポレットが兄にそう訊ねると、ルシアンは徐に話しを切り出した。
「近頃、生徒会会長のカメリア・ランバート先輩と僕が本命同士なんじゃないかという噂が流れているのは、二人の耳にも届いているかな?」
「ええ。ちらほらと耳に入ってくるわ」
ポレットは知っている様子だが、
「え?噂ですか?」
とミシェルは知らなかったようだ。
二人のその返答を待って、ルシアンは続きを話した。
「生徒会執行部の関係で接する事が多いのは確かだけど、それ以上によく一緒に行動を共にするのにはちょっと訳があるんだ」
「訳?」
「そう。生徒会を抜きにして、今まで無関係だった僕とカメリア先輩が一緒にいる訳」
「一体どんな訳が?」
「ごめん、こんな事を話しておきながら詳しい理由はまだ話せないんだ。カメリア先輩側の問題だからね。でも今言える事は、学園にいる間にカメリア先輩の今後の生き方が変わる。それを手伝うために一緒に居るという事なんだ。それだけはポレットとミシェルには知っておいて欲しい」
「カメリア先輩と本当にお付き合いしている訳じゃないけれど、周囲にはそう思わせる必要があるという事なの?」
ポレットの質問にルシアンは頷き、答える。
「そういう訳じゃないけれど、一緒に居る事が多いとどうしても周囲にはそう思われてしまうよね。でも僕もカメリア先輩も互いに恋愛感情はない、それを理解しておいてくれないか」
ルシアンはそう言ってミシェルの方を見た。
目が合ったミシェルの心臓がその瞬間何故か跳ね上がった。
「……?」
それが何故かなのか、ミシェルにはまだわからない。
ポレットがまた兄に訊ねる。
「いずれはちゃんと訳を話して貰えるのかしら?」
ルシアンはしっかりと頷いて二人に真剣な眼差しを向けて告げる。
「もちろん。カメリア先輩のある“生き方”が容認されたら」
「……わかりました。よくわからないけど、とりあえずルシアン様は先輩のお手伝いをするという事なんですね?」
「うん。僕はカメリア先輩が目指す生き方の生き字引のような人を知っているからね。その関係で頼まれたんだ。いずれは先輩をその人に引き合せるつもりだよ」
「そうなんですね……一体誰なのかしら?」
「その時になればわかるよ」
「はい……」
ルシアンにその話をされて知ったせいか、学園でルシアンとカメリア・ランバートが共に行動するする姿を、ミシェルはよく目にするようになった。
確かに周囲の生徒たちは二人を見て「やはり付き合っているのだろう」とか「お似合いだ」とか「失恋なう」とか話しているのが耳に届く。
だけどミシェルはルシアンのさり気ない立ち位置や仕草ですぐにわかった。
───ルシアン様はランバート先輩を護衛してる……?
何やら複雑な訳があるのかもしれないと、ミシェルは思った。
主に食堂が………
「ノエル!それはミシェルの朝食のマッシュルームオムレツだから食べちゃダメ!」
今朝もハノンの声が屋敷に響き渡る。
「だってぇ、オムレツさんがノエルにたべて!っていってるんだもん」
「オムレツさんはそんな事は言わないわ。それどころかノエルちゃん食べすぎよ、と言っているわよ?」
「オムレツさんそんなこといわないもん!」
「食べて欲しいとも言っていないわ」
「マッシュルームさんたちはいうもん!」
「まったくこの子は……!」
その毎朝の母娘のやり取りを姉のポレットや、魔術学園在籍中はワイズ伯爵家に居候しているミシェルが笑いながら見ている。
それも馴染みの朝の光景だ。
ミシェルが従妹であるノエルに言う。
「ふふ。食べすぎてはダメだからオムレツはあげられないけれど、オムレツに添えてあるプチトマトは食べてもいいよ」
「ほんと?」
ノエルの姉であるポレットも続いて言った。
「ノエル。姉さまはこのオレンジをあげるわ。だからミシェルのオムレツを食べてはダメよ?」
「やったぁ!ねぇねもミシェルおねぇさまもだいすき!」
「ふふふ」
「ノエルったら…ふふ」
「ホントにもう……毎朝毎朝……」
ハノンは呆れてため息をひとつ漏らす。
そして娘たちを眺めながらカフェオレを口に含んだ。
その時、朝の鍛錬から戻ったルシアンが食堂へ来てポレットとミシェルに声を掛けた。
「ポゥ、ミシェル、話しておきたい事があるから後で時間をくれる?」
「今日は学園はお休みだし登城も無い日だから構わないけれど……お話ってなぁに?」
ポレットがそう訊ねるとルシアンは妹に返事をした。
「それは後できちんと話すよ。ミシェルはどうかな?予定とか大丈夫?」
「はい。私も大丈夫です」
ミシェルがそう返すとノエルがルシアンに抱きついた。
「にぃに!」
ノエルは兄であるルシアンの事が大好きなのだ。
ルシアンは優しい兄の表情で年の離れた小さな妹を抱き上げる。
「ノエル。また食べすぎて母さんに叱られていたのか?」
「だってままのごはんおいしいんだもん……」
「でも食べすぎはよくないよ?現にほら、こうやって抱っこするとノエルが重くなったのがわかるよ」
「にぃに、それはノエルのせがのびたからよ?ブタさんになったからじゃないからね?」
「あはは。ノエルは頭の回転が早いよね。魔力も高いし、将来は偉大な魔術師になりそうだ」
「ノエル、まじゅつしになってまほーでおいしいものをだすの!」
「物理的精製魔法か……かなり高度な魔術となるな……父さんの幼馴染のコルベール卿に弟子入りした方がいいかもね」
「でし?のえる、おだしならしってる!おりょうりのきほんよ!」
「あはははっ」
兄と小さな妹の会話に、それを側で見ていたワイズ伯爵家の家令と二名のメイドが今朝も癒しと和みの供給を受けていたのであった。
◇◇◇◇◇
「それで兄さま、お話ってなあに?」
朝食の後、ルシアンとポレットとミシェルの三人は二階にあるテラスに集まった。
そしてポレットが兄にそう訊ねると、ルシアンは徐に話しを切り出した。
「近頃、生徒会会長のカメリア・ランバート先輩と僕が本命同士なんじゃないかという噂が流れているのは、二人の耳にも届いているかな?」
「ええ。ちらほらと耳に入ってくるわ」
ポレットは知っている様子だが、
「え?噂ですか?」
とミシェルは知らなかったようだ。
二人のその返答を待って、ルシアンは続きを話した。
「生徒会執行部の関係で接する事が多いのは確かだけど、それ以上によく一緒に行動を共にするのにはちょっと訳があるんだ」
「訳?」
「そう。生徒会を抜きにして、今まで無関係だった僕とカメリア先輩が一緒にいる訳」
「一体どんな訳が?」
「ごめん、こんな事を話しておきながら詳しい理由はまだ話せないんだ。カメリア先輩側の問題だからね。でも今言える事は、学園にいる間にカメリア先輩の今後の生き方が変わる。それを手伝うために一緒に居るという事なんだ。それだけはポレットとミシェルには知っておいて欲しい」
「カメリア先輩と本当にお付き合いしている訳じゃないけれど、周囲にはそう思わせる必要があるという事なの?」
ポレットの質問にルシアンは頷き、答える。
「そういう訳じゃないけれど、一緒に居る事が多いとどうしても周囲にはそう思われてしまうよね。でも僕もカメリア先輩も互いに恋愛感情はない、それを理解しておいてくれないか」
ルシアンはそう言ってミシェルの方を見た。
目が合ったミシェルの心臓がその瞬間何故か跳ね上がった。
「……?」
それが何故かなのか、ミシェルにはまだわからない。
ポレットがまた兄に訊ねる。
「いずれはちゃんと訳を話して貰えるのかしら?」
ルシアンはしっかりと頷いて二人に真剣な眼差しを向けて告げる。
「もちろん。カメリア先輩のある“生き方”が容認されたら」
「……わかりました。よくわからないけど、とりあえずルシアン様は先輩のお手伝いをするという事なんですね?」
「うん。僕はカメリア先輩が目指す生き方の生き字引のような人を知っているからね。その関係で頼まれたんだ。いずれは先輩をその人に引き合せるつもりだよ」
「そうなんですね……一体誰なのかしら?」
「その時になればわかるよ」
「はい……」
ルシアンにその話をされて知ったせいか、学園でルシアンとカメリア・ランバートが共に行動するする姿を、ミシェルはよく目にするようになった。
確かに周囲の生徒たちは二人を見て「やはり付き合っているのだろう」とか「お似合いだ」とか「失恋なう」とか話しているのが耳に届く。
だけどミシェルはルシアンのさり気ない立ち位置や仕草ですぐにわかった。
───ルシアン様はランバート先輩を護衛してる……?
何やら複雑な訳があるのかもしれないと、ミシェルは思った。
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