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ある日、脳筋令息は婚約解消を言い渡されました
婚約解消となった事をロザリーから直接聞かされたイヴァン。
しかも自身の不貞も知られていた事に戸惑いを隠せない。
「こ、婚約解消となったというのはどういう事だっ!?なぜそんな勝手な真似をするっ!!」
元々大きな声量を更に大きくしてイヴァンはロザリーを責めたてた。
「勝手な真似も何も、私は何もしておりません。以前からのイヴァン様の身勝手な言動や今回のドヴィッチ男爵令嬢との不埒な行為などを憂慮して、あなたのお父様が我が家に婚約解消の申し入れをなさったのですわ」
「父上がっ……!?そ、そんなっ、俺は何も聞いておらんぞっ!!」
「イヴァン様のお父様がなぜ何も仰らないのか、それは私の知るところではありませんが、おそらく貴方がごねないように全て処理を終えてからお話されるおつもりなのではないでしょうか」
至って冷静に、粛々と答えるロザリーにイヴァンは更に声を荒らげる。
「処理とはなんだっ!!そもそもなぜお前は婚約解消に同意したんだっ!!勝手過ぎるだろうっ!!」
自分の所業を棚に上げてのイヴァンの発言に、ロザリーは心底呆れた口調で言い返した。
「勝手なのはどちらです?家同士が決めた婚約だからと、その関係の上に胡座をかいて好き勝手やってきたのは貴方でしょう?どうせ結婚後はお家の難しい仕事は全て私に押し付けて、自分は襲爵まで所属予定の騎士団で剣でも振っていればいいと何の努力もして来なかったくせに。そして挙げ句の果ての不貞です、誰がそんな男の妻になりたいと思いますか。婚約解消の用紙を渡された瞬間にサインいたしましたわよ」
「な、な、なっ……」
「良かったですわね?私のような小賢しくて可愛げのない女と本当は結婚なんてしたくなかったんでしょう?大きな声でよくカフェテリアで喚いていらしたものね、俺は他に貰い手のないロザリーが可哀想だから結婚してやるんだ!と……」
「そ、それは言葉の綾でだなっ……」
「ああ、私のペッタンコの胸もお好きではないと明言しておられましたわよね?正直あれを見たら萎えると、勃つ気がしないと」
「な、なんでそれをっ……!?」
「貴方、声が大き過ぎるのですよ。しかも場所も考えずに脊髄反射でものを言う。頭の出来が悪いのは仕方ないにしろ、馬鹿は救いようがありませんわ」
「なんだその言い方はっ!!だからお前は可愛げがない女だと言ったんだっ!!」
「ええ。ですから可愛い可愛いドビッチ男爵令嬢がお好きなんでしょう?良かったですわね?まだ詳しい事は聞かされておりませんが、父がサクッと申すにはドビッチ男爵令嬢の結婚相手を国が用意するそうです。イヴァン様は頭はともかく騎士として優れた身体能力をお持ちですから、その候補者に名が上がると思いますわ。ふふふ、ドビッチ男爵令嬢もどちらかというとお胸は無い方ですけれども」
ロザリーから容赦なく突きつけられる現実に、イヴァンの勢いは段々と削がれていく。
今では顔色が真っ青だ。
「そ、それじゃあオーブリー侯爵家はどうなる……」
「さあ?貴方のお父様が如何様にもなさいますでしょう。分家に優秀な子息が数名いると聞き及んでおりますし」
「俺が廃嫡されるというのかっ!?」
「それもさぁ?ですわ。どちらにせよ私にはもう関係ない事ですから」
そう言って席を立つロザリーに、イヴァンは膝をついて縋った。
「待ってくれロザリーっ!!俺が悪かった!!まさかこんな事になるとは思わなかったんだっ!!リュミナとの事は学生のうちの火遊びみたいなものだと考えていたんだ!!そんなちょっとした出来心で全てを失うなんて俺がかわいそうだと思うだろうっ!?」
大きな体で目の前に膝をつくイヴァンをロザリーは冷めた目で見下ろした。
そして温度を感じさせない声で言う。
「少しも。微塵も。1ミリたりとも可哀想とは思いませんわ。全て自業自得のおバカさんだと思うだけです。むしろこれからはお好きな令嬢と公然とイチャイチャ出来て良かったですねと思っておりますから」
「お前はいいのかっ!?この年で婚約解消なんて!もうまともな婚約者なんて見つけられないぞっ!!一生惨めな独り身になるんだぞっ!!」
「別に構いません。私、これを機に留学するのです。他国でたくさん学んで、あらゆる知識を身につけて帰ってまいりますわ。そしてその後は職業婦人になるのもいいと考えておりますの」
「そ、そんなっ……!」
何を言っても動じないロザリーに、イヴァンは頭を抱えて蹲る。
「そこを退いてくださいませイヴァン様。私、これにて失礼いたしますわ。長い間、お世話に……なってはおりませんわね、お世話しました。それではご機嫌よう」
そう言って蹲って巨大な岩と化したイヴァンの横を通り過ぎようとしたその時、
「待てっ」
「っ!」
イヴァンがロザリーの手首を掴んだ。
そしてイヴァンはゆらりと立ち上がる。
顔からはごっそりと表情が抜け落ち目からは光が失われていた。
イヴァンはロザリーの手首を掴んだまま低い、抑揚のない声で言う。
「婚約解消なんてさせない……お前は俺の妻となって一生俺を支えるんだ」
「……既成事実を作って無理やり結婚に持ち込もうというのですか……?やめてくださいイヴァン様、後悔しますよ」
「後悔なんてするわけがない……
俺は何も失わない。後悔するのは、俺にこんな生意気な口を叩いたお前だ、ロザリ…ッイイ゛…!?
っガッ☆●▪△※!!!」
イヴァンが空いている方の手でロザリーに掴みかかろうとしたその時、彼女の靴にしては珍しい鋭利なピンヒールでロザリーは思いっきりイヴァンの足を踏みつけた。
そして全体重をかけ穴が空きそうなほど足を踏みつけられた痛みで怯んだイヴァンの股間を思いっきり蹴り上げたのだ。
イヴァンはその場で沈み込み、悶絶した。
口から泡を吹いて苦しむイヴァンを一瞥してロザリーが言い放つ。
「万が一があるかもと、撃退法を伝授してくれたプリムローズに感謝だわ。本当に貴方は最後まで馬鹿で最低な男でしたわねイヴァン様……」
未だに悶絶し続けるイヴァンに、ロザリーは最後に満面の笑みを浮かべてカーテシーをした。
「それでは元婚約者イヴァン・オーブリー様、ごきげんよう。さようなら」
そう言ってロザリーは晴れやかな顔をしてオーブリー侯爵家の応接間を颯爽と出て行った。
───────────────────────
WINNERロザリー!
この後20時半頃に読み切りを投稿します。
よろしくお願いいたします♡
しかも自身の不貞も知られていた事に戸惑いを隠せない。
「こ、婚約解消となったというのはどういう事だっ!?なぜそんな勝手な真似をするっ!!」
元々大きな声量を更に大きくしてイヴァンはロザリーを責めたてた。
「勝手な真似も何も、私は何もしておりません。以前からのイヴァン様の身勝手な言動や今回のドヴィッチ男爵令嬢との不埒な行為などを憂慮して、あなたのお父様が我が家に婚約解消の申し入れをなさったのですわ」
「父上がっ……!?そ、そんなっ、俺は何も聞いておらんぞっ!!」
「イヴァン様のお父様がなぜ何も仰らないのか、それは私の知るところではありませんが、おそらく貴方がごねないように全て処理を終えてからお話されるおつもりなのではないでしょうか」
至って冷静に、粛々と答えるロザリーにイヴァンは更に声を荒らげる。
「処理とはなんだっ!!そもそもなぜお前は婚約解消に同意したんだっ!!勝手過ぎるだろうっ!!」
自分の所業を棚に上げてのイヴァンの発言に、ロザリーは心底呆れた口調で言い返した。
「勝手なのはどちらです?家同士が決めた婚約だからと、その関係の上に胡座をかいて好き勝手やってきたのは貴方でしょう?どうせ結婚後はお家の難しい仕事は全て私に押し付けて、自分は襲爵まで所属予定の騎士団で剣でも振っていればいいと何の努力もして来なかったくせに。そして挙げ句の果ての不貞です、誰がそんな男の妻になりたいと思いますか。婚約解消の用紙を渡された瞬間にサインいたしましたわよ」
「な、な、なっ……」
「良かったですわね?私のような小賢しくて可愛げのない女と本当は結婚なんてしたくなかったんでしょう?大きな声でよくカフェテリアで喚いていらしたものね、俺は他に貰い手のないロザリーが可哀想だから結婚してやるんだ!と……」
「そ、それは言葉の綾でだなっ……」
「ああ、私のペッタンコの胸もお好きではないと明言しておられましたわよね?正直あれを見たら萎えると、勃つ気がしないと」
「な、なんでそれをっ……!?」
「貴方、声が大き過ぎるのですよ。しかも場所も考えずに脊髄反射でものを言う。頭の出来が悪いのは仕方ないにしろ、馬鹿は救いようがありませんわ」
「なんだその言い方はっ!!だからお前は可愛げがない女だと言ったんだっ!!」
「ええ。ですから可愛い可愛いドビッチ男爵令嬢がお好きなんでしょう?良かったですわね?まだ詳しい事は聞かされておりませんが、父がサクッと申すにはドビッチ男爵令嬢の結婚相手を国が用意するそうです。イヴァン様は頭はともかく騎士として優れた身体能力をお持ちですから、その候補者に名が上がると思いますわ。ふふふ、ドビッチ男爵令嬢もどちらかというとお胸は無い方ですけれども」
ロザリーから容赦なく突きつけられる現実に、イヴァンの勢いは段々と削がれていく。
今では顔色が真っ青だ。
「そ、それじゃあオーブリー侯爵家はどうなる……」
「さあ?貴方のお父様が如何様にもなさいますでしょう。分家に優秀な子息が数名いると聞き及んでおりますし」
「俺が廃嫡されるというのかっ!?」
「それもさぁ?ですわ。どちらにせよ私にはもう関係ない事ですから」
そう言って席を立つロザリーに、イヴァンは膝をついて縋った。
「待ってくれロザリーっ!!俺が悪かった!!まさかこんな事になるとは思わなかったんだっ!!リュミナとの事は学生のうちの火遊びみたいなものだと考えていたんだ!!そんなちょっとした出来心で全てを失うなんて俺がかわいそうだと思うだろうっ!?」
大きな体で目の前に膝をつくイヴァンをロザリーは冷めた目で見下ろした。
そして温度を感じさせない声で言う。
「少しも。微塵も。1ミリたりとも可哀想とは思いませんわ。全て自業自得のおバカさんだと思うだけです。むしろこれからはお好きな令嬢と公然とイチャイチャ出来て良かったですねと思っておりますから」
「お前はいいのかっ!?この年で婚約解消なんて!もうまともな婚約者なんて見つけられないぞっ!!一生惨めな独り身になるんだぞっ!!」
「別に構いません。私、これを機に留学するのです。他国でたくさん学んで、あらゆる知識を身につけて帰ってまいりますわ。そしてその後は職業婦人になるのもいいと考えておりますの」
「そ、そんなっ……!」
何を言っても動じないロザリーに、イヴァンは頭を抱えて蹲る。
「そこを退いてくださいませイヴァン様。私、これにて失礼いたしますわ。長い間、お世話に……なってはおりませんわね、お世話しました。それではご機嫌よう」
そう言って蹲って巨大な岩と化したイヴァンの横を通り過ぎようとしたその時、
「待てっ」
「っ!」
イヴァンがロザリーの手首を掴んだ。
そしてイヴァンはゆらりと立ち上がる。
顔からはごっそりと表情が抜け落ち目からは光が失われていた。
イヴァンはロザリーの手首を掴んだまま低い、抑揚のない声で言う。
「婚約解消なんてさせない……お前は俺の妻となって一生俺を支えるんだ」
「……既成事実を作って無理やり結婚に持ち込もうというのですか……?やめてくださいイヴァン様、後悔しますよ」
「後悔なんてするわけがない……
俺は何も失わない。後悔するのは、俺にこんな生意気な口を叩いたお前だ、ロザリ…ッイイ゛…!?
っガッ☆●▪△※!!!」
イヴァンが空いている方の手でロザリーに掴みかかろうとしたその時、彼女の靴にしては珍しい鋭利なピンヒールでロザリーは思いっきりイヴァンの足を踏みつけた。
そして全体重をかけ穴が空きそうなほど足を踏みつけられた痛みで怯んだイヴァンの股間を思いっきり蹴り上げたのだ。
イヴァンはその場で沈み込み、悶絶した。
口から泡を吹いて苦しむイヴァンを一瞥してロザリーが言い放つ。
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未だに悶絶し続けるイヴァンに、ロザリーは最後に満面の笑みを浮かべてカーテシーをした。
「それでは元婚約者イヴァン・オーブリー様、ごきげんよう。さようなら」
そう言ってロザリーは晴れやかな顔をしてオーブリー侯爵家の応接間を颯爽と出て行った。
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