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さわこさんと、初夏の居酒屋さわこさん その2
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バテアさんの巨木の家の屋上から周囲を見回しておりますと、季節の移ろいを体感することが出来ます。
辺境都市トツノコンベの周囲を覆っている森から、そのはるか北方にあります山脈までをすべて見渡すことが出来ますので。
数ヶ月前までは雪に覆われていたこの一帯も、今では新緑が目にまぶしい気がいたします。
……と、思ってはみたものの……
「……ふぅ……なんでしょうね、ここ最近の暑さは……」
そうなんです……ここ数日、異常に暑い日々が続いているんです。
バテアさんによりますと、
「この時期は、ここまで暑くなることはないんだけどねぇ……」
とのことでして……屋上に出て、居酒屋さわこさんで使用するお手拭きを干しているだけで体中から汗が噴き出しています。
家の中や店舗のスペースは室温調整魔石のおかげで快適にすごせているのでまだいいのですが、外で働いておられる皆様はそうはいきませんものね。
今日のお昼に、握り飯弁当を買いに来てくださるお客様達も、きっとお疲れのはずです。
「そうですね……皆さんに少しでも涼しく感じていただけたら……」
そんなことを考えた私は、あることを思いつきました。
◇◇
お昼前。
まだ開店していない居酒屋さわこさんの前で、私はとんとんと大工仕事をしていました。
リンシンさんとシロにお願いして、裏山から切ってきてもらった竹をまず縦に半分に割っていきます。
節の部分を削り落とすのも忘れません。
半分にした片方の竹を切り分けて、それを組み合わせて台座にします。
台座はだんだん低くなるようにして、その上に節を抜いた長い竹をのせて固定していきます。
「さーちゃん、これ何が出来るにゃ?」
お手伝いをしてくれているベルが不思議そうな表情を浮かべています。
「そうですね……もう少しで完成ですから楽しみに待っていてくださいな」
そんなベルに、私は笑顔で答えました。
竹の下にザルを置いて……とりあえず、こちらの準備は出来ました。
あとは、そうめんを大量に茹でるだけですね。
そうめんは、冷たい食べ物ではありますが食べるためには茹でないといけません。
厨房の中で、寸胴いっぱいのお湯の中でそうめんを茹でる作業は……これはなかなか大変な作業です。
室温調整魔石のおかげで快適なはずの店内なのですが、私の額にはかなりの汗がにじんでいます。
「我慢我慢……美味しいものを食べてもらうためですもの」
同時に、もうひとつのお鍋で、つゆを作って行きます。
大量のかつお節で出汁をとり、醤油・みりん・水飴で味を調えまして、潰した梅を隠し味として加えていきます。
「そうですね……わさびはお好みで加えていただくことにしましょうか……」
すりおろしたわさびを、小皿の上に山盛りにしておいて……そうですね、これで準備出来ました。
◇◇
「みんな、取り皿は持ちましたね?」
居酒屋さわこさんの前に作った竹細工。
その一番高い場所に陣取っている私が笑顔で声をあげました。
その前方。
だんだん低くなっている竹の横に並んで立っているバテアさんやリンシンさん、それにベルをはじめとしたおチビさんチームの面々。
「言われた通り、取り皿とフォークは持ったけどさ……」
「……何がはじまるの?」
バテアさんとリンシンさんは、半分に割られている目の前の竹と私を交互に見つめながら首をひねっています。
一方、ベル達はと言うと、
「さーちゃん、これ、何がはじまるニャ?」
「さわこ、とっても楽しみだわ」
「……ん~何だろう?」
「さわこ、早くするのじゃ!」
みんなして笑顔で私を見つめています。
「でははじめますね」
そう言うと、私は水魔石を竹の一番高いところにセットしました。
バテアさんの魔法道具のお店で購入させてもらったこの魔石ですが、一定時間水を放出することが出来るんです。
途端に、竹の中を水が流れていきます。
「じゃあ、そうめんを流していきますね。上の人は全部とらないように、後方のみんなにも残してあげてください」
私はそう言うと、小脇に抱えているボウルの中からそうめんを箸で取り出し、それを竹の中へと流していきました。
冷たい水の中を、そうめんが流れていきます。
「さわこ、これをすくうの……って、あぁ!? もう流れていっちゃった!?」
「……こう?」
「にゃ!? りーちゃん! 全部すくっちゃだめニャ! こっちにも残すニャ!」
とたんに、みんなから楽しそうな声があがっていきます。
この流しそうめんですが……
まだ父が健在だった頃、居酒屋酒話のお店の前でも、暑い季節に時々やっていたんです。
あの時も、お客さんはとっても喜んでくださったんですよね。
「へぇ……こうして食べるのも楽しいわね。それにこのつゆがまたいいわ。ちょっと酸味があって、食欲をそそるわ」
ようやくそうめんをすくうことが出来たバテアさんは、嬉しそうに笑っておられます。
リンシンさんも、時々ごっそりすくいはするものの、一度すくうと、そのそうめんを一本ずつちゅるちゅるとすすりながら食べられるので、しばらく戦線に戻ってこられません。
その間に、おチビさんチームの面々がそうめんに殺到していきます。
「さーちゃん! 今のうちにもっとニャ!」
「さわこ、こんな食べ物はじめてよ! 早く早く!」
そういえば、エンジェさんはクリスマスシーズンが終わるといつもタンスの中にしまっていましたので、夏の風物詩ははじめてかもしれませんね。
ベルと2人して私にそうめんを即してきます。
ちなみに……
みんなでよってたかっても数本のそうめんが、竹の下にあるざるの中へと落ちているのですが……そこに、ミュウが寄っていまして、鳥の姿でそうめんを口にくわえては、それをちゅるちゅると食べているんです。
その姿がまた愛らしいんですよね。
みんなして、流しそうめんを満喫していると……
「おや? さわこさん、何かやってるのかい?」
お昼の握り飯弁当を買いに来たお客様達が、私達に気がついたようで、ぞろぞろとこちらへ歩み寄ってこらてています。
そんな皆様に、私はにっこり微笑みました。
「流しそうめんです。さぁ、暑気払いにいかがですか?」
私が笑顔でそう言うと、お客様達も
「へぇ……なんだか楽しそうだね」
「うん、これはぜひ体験させてもらわないと」
「それに涼しそうでいいなぁ」
口々にそう仰りながら、竹の周囲に集まってこられました。
そこに、新たにそうめんを投入。
それを、お客様達は、バテアさんやおチビさんチームの様子を見よう見まねで、すくっておられるのですが、
「うん! これは美味い! さっぱりしていていいね!」
「ほんと! 暑さが吹き飛ぶよ!」
そうめんを口にするなり、嬉しそうな声をあげておられます。
そんな声をお聞きすると、私まで笑顔になれてしまいます。
「さぁ、そうめんはまだまだありますからね」
私は、笑顔でそう言ったのですが……
「ぐはぁぁぁぁぁ」
「はい!?」
なんでしょう……取り皿を置いている台の方から悲鳴が聞こえて来たのですが……よく見ると、そこにいたのはお隣のツカーサさんです。
「さわこ……これ、辛い……これ、何、この緑の……ひぃぃ……」
「ちょ!? ツカーサさん!? そ、そのわさび、全部食べちゃったんですか!?」
そうなんです……薬味として置いておいたわさびをですね、ツカーサさんってば、そのまま全部口の中に……
当然のように、口を押さえながら大慌てなさっているツカーサさん。
しばらくわたわたなさった後、竹の一番下の部分へ移動していかれまして、ざるにおちていく流水を口にいっぱい含まれていました。
すると、自分が食べているそうめんを取られると思ったのか、ミュウが、
「みゅう!みゅみゅう!」
少し怒った鳴き声をあげながらツカーサさんの頭をくちばしでつついていました。
まだ赤ちゃんのミュウですので、あまり痛くはないと思いますが……それよりも今のツカーサさんは、口の中を癒やすのが先決のようでして、口いっぱいに水を含み続けておられました。
その様子に、みなさん思わず笑い声をあげていきました。
そうですね、夜の営業でもやってみてもいいかもしれませんね。
ーつづく
辺境都市トツノコンベの周囲を覆っている森から、そのはるか北方にあります山脈までをすべて見渡すことが出来ますので。
数ヶ月前までは雪に覆われていたこの一帯も、今では新緑が目にまぶしい気がいたします。
……と、思ってはみたものの……
「……ふぅ……なんでしょうね、ここ最近の暑さは……」
そうなんです……ここ数日、異常に暑い日々が続いているんです。
バテアさんによりますと、
「この時期は、ここまで暑くなることはないんだけどねぇ……」
とのことでして……屋上に出て、居酒屋さわこさんで使用するお手拭きを干しているだけで体中から汗が噴き出しています。
家の中や店舗のスペースは室温調整魔石のおかげで快適にすごせているのでまだいいのですが、外で働いておられる皆様はそうはいきませんものね。
今日のお昼に、握り飯弁当を買いに来てくださるお客様達も、きっとお疲れのはずです。
「そうですね……皆さんに少しでも涼しく感じていただけたら……」
そんなことを考えた私は、あることを思いつきました。
◇◇
お昼前。
まだ開店していない居酒屋さわこさんの前で、私はとんとんと大工仕事をしていました。
リンシンさんとシロにお願いして、裏山から切ってきてもらった竹をまず縦に半分に割っていきます。
節の部分を削り落とすのも忘れません。
半分にした片方の竹を切り分けて、それを組み合わせて台座にします。
台座はだんだん低くなるようにして、その上に節を抜いた長い竹をのせて固定していきます。
「さーちゃん、これ何が出来るにゃ?」
お手伝いをしてくれているベルが不思議そうな表情を浮かべています。
「そうですね……もう少しで完成ですから楽しみに待っていてくださいな」
そんなベルに、私は笑顔で答えました。
竹の下にザルを置いて……とりあえず、こちらの準備は出来ました。
あとは、そうめんを大量に茹でるだけですね。
そうめんは、冷たい食べ物ではありますが食べるためには茹でないといけません。
厨房の中で、寸胴いっぱいのお湯の中でそうめんを茹でる作業は……これはなかなか大変な作業です。
室温調整魔石のおかげで快適なはずの店内なのですが、私の額にはかなりの汗がにじんでいます。
「我慢我慢……美味しいものを食べてもらうためですもの」
同時に、もうひとつのお鍋で、つゆを作って行きます。
大量のかつお節で出汁をとり、醤油・みりん・水飴で味を調えまして、潰した梅を隠し味として加えていきます。
「そうですね……わさびはお好みで加えていただくことにしましょうか……」
すりおろしたわさびを、小皿の上に山盛りにしておいて……そうですね、これで準備出来ました。
◇◇
「みんな、取り皿は持ちましたね?」
居酒屋さわこさんの前に作った竹細工。
その一番高い場所に陣取っている私が笑顔で声をあげました。
その前方。
だんだん低くなっている竹の横に並んで立っているバテアさんやリンシンさん、それにベルをはじめとしたおチビさんチームの面々。
「言われた通り、取り皿とフォークは持ったけどさ……」
「……何がはじまるの?」
バテアさんとリンシンさんは、半分に割られている目の前の竹と私を交互に見つめながら首をひねっています。
一方、ベル達はと言うと、
「さーちゃん、これ、何がはじまるニャ?」
「さわこ、とっても楽しみだわ」
「……ん~何だろう?」
「さわこ、早くするのじゃ!」
みんなして笑顔で私を見つめています。
「でははじめますね」
そう言うと、私は水魔石を竹の一番高いところにセットしました。
バテアさんの魔法道具のお店で購入させてもらったこの魔石ですが、一定時間水を放出することが出来るんです。
途端に、竹の中を水が流れていきます。
「じゃあ、そうめんを流していきますね。上の人は全部とらないように、後方のみんなにも残してあげてください」
私はそう言うと、小脇に抱えているボウルの中からそうめんを箸で取り出し、それを竹の中へと流していきました。
冷たい水の中を、そうめんが流れていきます。
「さわこ、これをすくうの……って、あぁ!? もう流れていっちゃった!?」
「……こう?」
「にゃ!? りーちゃん! 全部すくっちゃだめニャ! こっちにも残すニャ!」
とたんに、みんなから楽しそうな声があがっていきます。
この流しそうめんですが……
まだ父が健在だった頃、居酒屋酒話のお店の前でも、暑い季節に時々やっていたんです。
あの時も、お客さんはとっても喜んでくださったんですよね。
「へぇ……こうして食べるのも楽しいわね。それにこのつゆがまたいいわ。ちょっと酸味があって、食欲をそそるわ」
ようやくそうめんをすくうことが出来たバテアさんは、嬉しそうに笑っておられます。
リンシンさんも、時々ごっそりすくいはするものの、一度すくうと、そのそうめんを一本ずつちゅるちゅるとすすりながら食べられるので、しばらく戦線に戻ってこられません。
その間に、おチビさんチームの面々がそうめんに殺到していきます。
「さーちゃん! 今のうちにもっとニャ!」
「さわこ、こんな食べ物はじめてよ! 早く早く!」
そういえば、エンジェさんはクリスマスシーズンが終わるといつもタンスの中にしまっていましたので、夏の風物詩ははじめてかもしれませんね。
ベルと2人して私にそうめんを即してきます。
ちなみに……
みんなでよってたかっても数本のそうめんが、竹の下にあるざるの中へと落ちているのですが……そこに、ミュウが寄っていまして、鳥の姿でそうめんを口にくわえては、それをちゅるちゅると食べているんです。
その姿がまた愛らしいんですよね。
みんなして、流しそうめんを満喫していると……
「おや? さわこさん、何かやってるのかい?」
お昼の握り飯弁当を買いに来たお客様達が、私達に気がついたようで、ぞろぞろとこちらへ歩み寄ってこらてています。
そんな皆様に、私はにっこり微笑みました。
「流しそうめんです。さぁ、暑気払いにいかがですか?」
私が笑顔でそう言うと、お客様達も
「へぇ……なんだか楽しそうだね」
「うん、これはぜひ体験させてもらわないと」
「それに涼しそうでいいなぁ」
口々にそう仰りながら、竹の周囲に集まってこられました。
そこに、新たにそうめんを投入。
それを、お客様達は、バテアさんやおチビさんチームの様子を見よう見まねで、すくっておられるのですが、
「うん! これは美味い! さっぱりしていていいね!」
「ほんと! 暑さが吹き飛ぶよ!」
そうめんを口にするなり、嬉しそうな声をあげておられます。
そんな声をお聞きすると、私まで笑顔になれてしまいます。
「さぁ、そうめんはまだまだありますからね」
私は、笑顔でそう言ったのですが……
「ぐはぁぁぁぁぁ」
「はい!?」
なんでしょう……取り皿を置いている台の方から悲鳴が聞こえて来たのですが……よく見ると、そこにいたのはお隣のツカーサさんです。
「さわこ……これ、辛い……これ、何、この緑の……ひぃぃ……」
「ちょ!? ツカーサさん!? そ、そのわさび、全部食べちゃったんですか!?」
そうなんです……薬味として置いておいたわさびをですね、ツカーサさんってば、そのまま全部口の中に……
当然のように、口を押さえながら大慌てなさっているツカーサさん。
しばらくわたわたなさった後、竹の一番下の部分へ移動していかれまして、ざるにおちていく流水を口にいっぱい含まれていました。
すると、自分が食べているそうめんを取られると思ったのか、ミュウが、
「みゅう!みゅみゅう!」
少し怒った鳴き声をあげながらツカーサさんの頭をくちばしでつついていました。
まだ赤ちゃんのミュウですので、あまり痛くはないと思いますが……それよりも今のツカーサさんは、口の中を癒やすのが先決のようでして、口いっぱいに水を含み続けておられました。
その様子に、みなさん思わず笑い声をあげていきました。
そうですね、夜の営業でもやってみてもいいかもしれませんね。
ーつづく
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