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さわこさんと、ちょっと一休み その2
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バテアさんの転移魔法でやってきたここ、ティーケー海岸なのですが……
「……こんな時間なのにすごい……」
私は、周囲を見回しながら目を丸くしていました。
居酒屋さわこさんも閉店した後の時間ですので、結構遅い時間なのですが……ここ、ティーケー海岸の屋台街にはたくさんの屋台が灯りを灯していまして、その周囲をたくさんの人々が行き来なさっているんです。
「このティーケー海岸は、ここらで一番大きな街なのよ、その街の年に1度のお祭りなんだから、そりゃ人も来るってわけ」
私の肩を叩きながら説明してくださるバテアさん。
家から持ってきた一升瓶のお酒をラッパ飲みなさっているのですが、さすがはバテアさん、まったく酔っ払った様子はありません。
「しかし、このお酒は美味しいわねぇ」
「えぇ、獺祭といって私もお気に入りなんですよ」
「さわこのお墨付きってわけね、そりゃ美味しいわけだわ」
私の言葉に、嬉しそうに笑顔を浮かべるバテアさん。
「さ、そうと決まれば、酒の肴も見繕わないとねぇ」
「……うん、なんだかとっても美味しそうな匂いがしてる」
バテアさんの言葉に、大きく頷くリンシンさん。
リンシンさんはお酒もお好きなんですけど、それ以上に美味しい食べ物がお好きですからね。
「もう夜も遅いですので、今夜は様子見ってことで……でも、本当に美味しそうな匂いが立ちこめていますね」
そう言って、バテアさん達の方へ視線を向けた私なのですが……そこで、私はあることに気がつきました。
「……あれ?」
「ん? どうかした、さわこ?」
「……いえ……あの……誰か足りないような……」
「誰か足りない? って……誰が……」
首をひねっている私。
そんな私を見つめながら、バテアさんも周囲を見回しておられたのですが……ここで私・バテアさん・リンシンさんの3人は、同時に声をあげました。
「「「ミリーネア!?」」」
そうなんです……一緒にやって来たはずのミリーネアさんの姿がないんです。
「そ、そう言えばミリーネアさんってば、私の世界に行った時も、珍しい物を見つけたらそっちに……」
「あ~! あの迷子部隊の切り込み隊長ってば、早速どっかいっちゃったわね」
「……さ、さがそう……」
私達3人は、人混みの中を慌てて駆け出しました。
これだけの人混みの中、しかもかなり広大な屋台街の中です。
「普通に探してたんじゃ駄目ね……捜索(サーチ)魔法」
バテアさんが、右手を前に伸ばしました。
その手の先に魔法陣が展開したかと思うと、その中から四角いウインドウが現れました。
そのウインドウの中には、屋台街の物と思われる地図が線で表示されまして、その中を明滅している点が高速で移動しています。
「この点がミリーネアなんだけど……ちょっと、もう結構遠くに行ってるじゃない」
「た、大変です! すぐに追いつかないと」
私達は、その点の方へ向かって駆け出していきました。
◇◇
……えっとですね……そこからはもうすごかったです、はい……
ミリーネアさんってば、私達から逃げようとしているかのように右に左に移動していきました。
で、私達はそんなミリーネアさんを、時には待ち伏せたり、時には挟み撃ちにしようとしたりしたのですが、そのことごとくをミリーネアさんはかいくぐって逃走を続けていきまして……
私達が、ようやくミリーネアさんに追いついたのは、海岸線が白みはじめた頃でした。
ミリーネアさんってば、バテアさんが転移ドアを出現させた場所に戻って、のんきに海鮮の串焼きを食べていらしたんです……
「……はぁ……はぁ……み、ミリーネアさん……」
「……みんな、どこに行ってたの? このホルタテ貝の串焼き、とっても美味しかったから、みんなのも買っておいた」
ミリーネアさんはにっこり微笑みながら、ヘトヘトになっている私達に、貝の串焼きを手渡してくださいました。
そうなんですよね……ミリーネアさんは、何も悪気があってあちこちしていたわけではないわけでして……あくまでもも、ご自分の知的探究心に正直過ぎるだけで……
「……あ、でも、ホント……この串焼き美味しいです」
手渡された貝を口にした私は、思わずそんな声をあげていました。
なんでしょう……このホルタテ貝って、私の世界のホタテ貝によく似た味をしているのですが、もっと濃厚で香ばしい味に仕上がっているんです。
「でしょ! 他にも美味しいお店いっぱい見つけた。あとでベル達も一緒にまわろう」
そう言うと、にっこり微笑むミリーネアさん。
「……そうね、でもまずは一度家に帰って、休みましょ」
「……うん、それがいい」
ミリーネアさんの笑顔を見つめながら、苦笑を浮かべているバテアさんとリンシンさん。
ホルタテ貝の串焼きを美味しく頂きながら、私達は一度辺境都市トツノコンベのバテアさんのお家へと戻っていきました。
……ミリーネアさんに、一人であちこち行かないように改めてしっかりとお願いしたのは言うまでもありません。
◇◇
軽く仮眠をした私達……と、言っても、バテアさんの深睡眠魔法薬を使用したものですから、時間で言えば1時間くらいしか寝ていないのですが、すっごく頭がすっきりした次第です。
「この薬は中毒性があるから週に1度以上の使用はお勧め出来ないんだけど、効果は絶大なのよねぇ」
「ですね……全然眠くないです」
空になっている魔法薬の入っていた瓶を見つめながら、私は目を丸くしていました。
「さ、それよりも今度こそティーケー海岸のお祭りを楽しみに行きましょうか」
「そうですね。まいりましょう」
ベル達を起こした私達。
いつもより早くに起こしたため、最初は寝ぼけていたベル達なのですが、
「ニャ!? お祭り!?」
「さわこ、お祭りに行くの!」
「……お祭り、好き!」
「うむ、妾は春の祭りが好きじゃが、夏の祭りも好きじゃぞ」
「みゅ!みゅう!」
お祭りに行くと聞いて、みんな大喜びしはじめまして、あっという間に服を着替えていきました。
「んじゃ、朝ご飯は屋台街で食べるってことで」
「そうですね、せっかくですしそうしましょうか」
バテアさんの提案に頷いた私。
その提案に、ベル達も大きく頷いています。
そんなわけで、私達はバテアさんが召喚した転移ドアをくぐって屋台街へと移動していきました。
夜が明けたティーケー海岸の屋台街では、昨夜来た時には閉まっていた屋台がたくさん開店準備をしていました。
「全部の屋台が24時間営業しているわけじゃないんですね」
そんな屋台街を歩きながら、私は周囲を見回していました。
事前によく言い聞かせておいたおかげで、ミュウは私の頭の上にのっかってくれてます。
ミリーネアさん同様に、私の世界で迷子になりまくった経験がありますからね。
事前に手を打っていて正解でした。
ちなみに、ミリーネアさんがどこかいかないように、バテアさんが魔法の紐でミリーネアさんの体とご自分の体を結んでくださっているので、これで安心……
「あ、あっちのあれ、なんだろう?」
「ちょ、ミリーネアってば、いきなり曲がらないで……ぐぇ」
……えっと、バテアさん……が、頑張ってください……
そんな中、ベル達がとある屋台で立ち止まっていました。
その屋台は開店準備中だったのですが、ベル達と年の近い子供達がお店のお手伝いをしていたんです。
年が近いため、意気投合したのでしょう。そのお店のお手伝いをしている子供達とベル達はとっても楽しそうにお話ししていました。
「ニャ! パラナミオちゃん達と仲良くなったニャ!」
「さわこ、この屋台が開店したらまた来ましょう!」
「……シロも来たい」
「うむ、妾も来たいのぉ」
「みゅ!みゅう!」
話を終えたベル達は、私の周囲に集まってきて、口々にそう言いました。
「そうですね、では、もう少ししたらまたこの屋台に来てみましょう」
そう言うと、私達は、昨夜から営業し続けている屋台街の方へ向かって移動していきました。
昨夜しっかり運動したのと、バテアさんの魔法薬のおかげで短時間ながらもぐっすり眠れたおかげでしょうか……いつも以上にお腹が空いていまして……
はい、まずは腹ごしらえからです。
ーつづく
「……こんな時間なのにすごい……」
私は、周囲を見回しながら目を丸くしていました。
居酒屋さわこさんも閉店した後の時間ですので、結構遅い時間なのですが……ここ、ティーケー海岸の屋台街にはたくさんの屋台が灯りを灯していまして、その周囲をたくさんの人々が行き来なさっているんです。
「このティーケー海岸は、ここらで一番大きな街なのよ、その街の年に1度のお祭りなんだから、そりゃ人も来るってわけ」
私の肩を叩きながら説明してくださるバテアさん。
家から持ってきた一升瓶のお酒をラッパ飲みなさっているのですが、さすがはバテアさん、まったく酔っ払った様子はありません。
「しかし、このお酒は美味しいわねぇ」
「えぇ、獺祭といって私もお気に入りなんですよ」
「さわこのお墨付きってわけね、そりゃ美味しいわけだわ」
私の言葉に、嬉しそうに笑顔を浮かべるバテアさん。
「さ、そうと決まれば、酒の肴も見繕わないとねぇ」
「……うん、なんだかとっても美味しそうな匂いがしてる」
バテアさんの言葉に、大きく頷くリンシンさん。
リンシンさんはお酒もお好きなんですけど、それ以上に美味しい食べ物がお好きですからね。
「もう夜も遅いですので、今夜は様子見ってことで……でも、本当に美味しそうな匂いが立ちこめていますね」
そう言って、バテアさん達の方へ視線を向けた私なのですが……そこで、私はあることに気がつきました。
「……あれ?」
「ん? どうかした、さわこ?」
「……いえ……あの……誰か足りないような……」
「誰か足りない? って……誰が……」
首をひねっている私。
そんな私を見つめながら、バテアさんも周囲を見回しておられたのですが……ここで私・バテアさん・リンシンさんの3人は、同時に声をあげました。
「「「ミリーネア!?」」」
そうなんです……一緒にやって来たはずのミリーネアさんの姿がないんです。
「そ、そう言えばミリーネアさんってば、私の世界に行った時も、珍しい物を見つけたらそっちに……」
「あ~! あの迷子部隊の切り込み隊長ってば、早速どっかいっちゃったわね」
「……さ、さがそう……」
私達3人は、人混みの中を慌てて駆け出しました。
これだけの人混みの中、しかもかなり広大な屋台街の中です。
「普通に探してたんじゃ駄目ね……捜索(サーチ)魔法」
バテアさんが、右手を前に伸ばしました。
その手の先に魔法陣が展開したかと思うと、その中から四角いウインドウが現れました。
そのウインドウの中には、屋台街の物と思われる地図が線で表示されまして、その中を明滅している点が高速で移動しています。
「この点がミリーネアなんだけど……ちょっと、もう結構遠くに行ってるじゃない」
「た、大変です! すぐに追いつかないと」
私達は、その点の方へ向かって駆け出していきました。
◇◇
……えっとですね……そこからはもうすごかったです、はい……
ミリーネアさんってば、私達から逃げようとしているかのように右に左に移動していきました。
で、私達はそんなミリーネアさんを、時には待ち伏せたり、時には挟み撃ちにしようとしたりしたのですが、そのことごとくをミリーネアさんはかいくぐって逃走を続けていきまして……
私達が、ようやくミリーネアさんに追いついたのは、海岸線が白みはじめた頃でした。
ミリーネアさんってば、バテアさんが転移ドアを出現させた場所に戻って、のんきに海鮮の串焼きを食べていらしたんです……
「……はぁ……はぁ……み、ミリーネアさん……」
「……みんな、どこに行ってたの? このホルタテ貝の串焼き、とっても美味しかったから、みんなのも買っておいた」
ミリーネアさんはにっこり微笑みながら、ヘトヘトになっている私達に、貝の串焼きを手渡してくださいました。
そうなんですよね……ミリーネアさんは、何も悪気があってあちこちしていたわけではないわけでして……あくまでもも、ご自分の知的探究心に正直過ぎるだけで……
「……あ、でも、ホント……この串焼き美味しいです」
手渡された貝を口にした私は、思わずそんな声をあげていました。
なんでしょう……このホルタテ貝って、私の世界のホタテ貝によく似た味をしているのですが、もっと濃厚で香ばしい味に仕上がっているんです。
「でしょ! 他にも美味しいお店いっぱい見つけた。あとでベル達も一緒にまわろう」
そう言うと、にっこり微笑むミリーネアさん。
「……そうね、でもまずは一度家に帰って、休みましょ」
「……うん、それがいい」
ミリーネアさんの笑顔を見つめながら、苦笑を浮かべているバテアさんとリンシンさん。
ホルタテ貝の串焼きを美味しく頂きながら、私達は一度辺境都市トツノコンベのバテアさんのお家へと戻っていきました。
……ミリーネアさんに、一人であちこち行かないように改めてしっかりとお願いしたのは言うまでもありません。
◇◇
軽く仮眠をした私達……と、言っても、バテアさんの深睡眠魔法薬を使用したものですから、時間で言えば1時間くらいしか寝ていないのですが、すっごく頭がすっきりした次第です。
「この薬は中毒性があるから週に1度以上の使用はお勧め出来ないんだけど、効果は絶大なのよねぇ」
「ですね……全然眠くないです」
空になっている魔法薬の入っていた瓶を見つめながら、私は目を丸くしていました。
「さ、それよりも今度こそティーケー海岸のお祭りを楽しみに行きましょうか」
「そうですね。まいりましょう」
ベル達を起こした私達。
いつもより早くに起こしたため、最初は寝ぼけていたベル達なのですが、
「ニャ!? お祭り!?」
「さわこ、お祭りに行くの!」
「……お祭り、好き!」
「うむ、妾は春の祭りが好きじゃが、夏の祭りも好きじゃぞ」
「みゅ!みゅう!」
お祭りに行くと聞いて、みんな大喜びしはじめまして、あっという間に服を着替えていきました。
「んじゃ、朝ご飯は屋台街で食べるってことで」
「そうですね、せっかくですしそうしましょうか」
バテアさんの提案に頷いた私。
その提案に、ベル達も大きく頷いています。
そんなわけで、私達はバテアさんが召喚した転移ドアをくぐって屋台街へと移動していきました。
夜が明けたティーケー海岸の屋台街では、昨夜来た時には閉まっていた屋台がたくさん開店準備をしていました。
「全部の屋台が24時間営業しているわけじゃないんですね」
そんな屋台街を歩きながら、私は周囲を見回していました。
事前によく言い聞かせておいたおかげで、ミュウは私の頭の上にのっかってくれてます。
ミリーネアさん同様に、私の世界で迷子になりまくった経験がありますからね。
事前に手を打っていて正解でした。
ちなみに、ミリーネアさんがどこかいかないように、バテアさんが魔法の紐でミリーネアさんの体とご自分の体を結んでくださっているので、これで安心……
「あ、あっちのあれ、なんだろう?」
「ちょ、ミリーネアってば、いきなり曲がらないで……ぐぇ」
……えっと、バテアさん……が、頑張ってください……
そんな中、ベル達がとある屋台で立ち止まっていました。
その屋台は開店準備中だったのですが、ベル達と年の近い子供達がお店のお手伝いをしていたんです。
年が近いため、意気投合したのでしょう。そのお店のお手伝いをしている子供達とベル達はとっても楽しそうにお話ししていました。
「ニャ! パラナミオちゃん達と仲良くなったニャ!」
「さわこ、この屋台が開店したらまた来ましょう!」
「……シロも来たい」
「うむ、妾も来たいのぉ」
「みゅ!みゅう!」
話を終えたベル達は、私の周囲に集まってきて、口々にそう言いました。
「そうですね、では、もう少ししたらまたこの屋台に来てみましょう」
そう言うと、私達は、昨夜から営業し続けている屋台街の方へ向かって移動していきました。
昨夜しっかり運動したのと、バテアさんの魔法薬のおかげで短時間ながらもぐっすり眠れたおかげでしょうか……いつも以上にお腹が空いていまして……
はい、まずは腹ごしらえからです。
ーつづく
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