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アルティメットガール VS 魔族ゴリバ=ラード
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魔族ゴリバが放った魔法は四角い拘束フィールドを形成してアルティメットガールの動きを封じた。
「もう動けまい。ズタズタになって死ね! ガトリングアローラ」
差し出した両手から、わずか一秒のあいだに二十発もの魔法の矢が撃ち出される。すべての矢はアルティメットガールを拘束する枠の中へ飛び込んでいき、一発として後方へ抜けることなく命中。衝突して激しく散る魔法の衝撃は周囲を揺るがし、損傷していた家屋を崩壊させたのだが、霧となった矢が少しずつ世界の理へと還元されて消えていったその場には、何事もなかったようにたたずむアルティメットガールの姿があった。
「ほう。結界魔法か」
「結界魔法?」
ゴリバの言葉にアルティメットガールは小首をかしげる。
「拘束される中で瞬時に結界を張った手並みはなかなかのものだ。あの魔法は速射性はあるが一発の威力はたいしたことないからな」
「丁寧な解説ありがとう。でもわたしは別になにも……」
「だが、これならどうだ!」
(この人は話を聞かないタイプなのかしら)
返答を聞かずに言葉を被せ、次の行動に移るゴリバは距離を取って法名を叫んだ。
「ジャイガンアイシクラー」
上空に形成されたのは大きな氷の柱の群。ゴリバが腕を振り下ろすと勢いよくアルティメットガールに落とされ衝突した。その衝撃によって氷柱たちは粉々に砕け散り、ダイヤモンドダストのように宙を舞う。
「あら、綺麗ね」
太陽の光を受けてキラキラと輝く氷の粒に、彼女は微笑みながら感想を伝えた。
「ほう……。氷の槍をも砕くか。だが、氷の強度などたかが知れている」
「そうよね、氷だものね」
「ならばこいつを喰らってみろ。ファイムジャベリン」
投げ放たれた炎の槍が彼女に衝突すると高らかに火柱を上げ、氷の魔法によって下がった気温は一気に上がる。その熱量の発生源である高熱の火炎の中で彼女は言った。
「やっぱり火は魔法の定番よね。わたしも火の魔法はわりと得意よ」
吹き消えた炎の中から姿を見せたアルティメットガールが無傷であったため、ゴリバはほんの少しだけ焦りを含ませた言葉を返した。
「そうか、お前が爆炎の勇者だな。女とは思わなかったぞ。炎の攻撃が効かないわけだ」
「勇者? わたしは勇者って言うよりヒーローだから英雄……」
「だがな!」
再びアルティメットガールの言葉に被せる。
「勇者だからといっていつまでも魔族に優位だと思うなよ、爆炎の勇者」
「だから、わたしは勇者じゃ……」
「魔法防御とその耐性は見せてもらった。次は格闘能力を試してやるぞ爆炎の勇者。そのか細い体では俺の力には耐えられまいがな」
「聞いてる? わたしは勇者じゃ……」
「いたぶったあとは俺の究極の魔法でトドメをさしてやろう。覚悟しておけ。炎の魔法をも上まわる大魔法だ」
力強く構える魔族の体の各所が硬質化され、接近戦闘用に切り替わる。
「話を聞く耳くらい持ちなさーい!」
そう彼女が叫んだときにはその拳は振りかぶられていた。
魔法攻撃から一転。魔族は肉弾格闘戦へと移行した。右に左に動きながら回避するアルティメットガールにピタリと寄せて次々に攻撃を繰り出す。両手足が連携して隙がなく途切れない。
(密着することで攻撃が死角から飛んでくる。言うだけあってこっちの方が本職なのね。他の魔族がどんなもんか知っておこうと思ったけど、だいたいわかったわ)
反撃に転じようかと思ったアルティメットガールだったが、この近郊に現れたある者の気配を察知する。そして、動きを止めてゴリバから大きく距離を取った。
「どうした。かわすのも限界か?」
そんな目の前の魔族の言葉など気にもとめず、彼女は身をひるがえして去っていく。
「え?」
ゴリバはなんの前触れもなく飛び去るアルティメットガールを呆然と見送った。
「もう動けまい。ズタズタになって死ね! ガトリングアローラ」
差し出した両手から、わずか一秒のあいだに二十発もの魔法の矢が撃ち出される。すべての矢はアルティメットガールを拘束する枠の中へ飛び込んでいき、一発として後方へ抜けることなく命中。衝突して激しく散る魔法の衝撃は周囲を揺るがし、損傷していた家屋を崩壊させたのだが、霧となった矢が少しずつ世界の理へと還元されて消えていったその場には、何事もなかったようにたたずむアルティメットガールの姿があった。
「ほう。結界魔法か」
「結界魔法?」
ゴリバの言葉にアルティメットガールは小首をかしげる。
「拘束される中で瞬時に結界を張った手並みはなかなかのものだ。あの魔法は速射性はあるが一発の威力はたいしたことないからな」
「丁寧な解説ありがとう。でもわたしは別になにも……」
「だが、これならどうだ!」
(この人は話を聞かないタイプなのかしら)
返答を聞かずに言葉を被せ、次の行動に移るゴリバは距離を取って法名を叫んだ。
「ジャイガンアイシクラー」
上空に形成されたのは大きな氷の柱の群。ゴリバが腕を振り下ろすと勢いよくアルティメットガールに落とされ衝突した。その衝撃によって氷柱たちは粉々に砕け散り、ダイヤモンドダストのように宙を舞う。
「あら、綺麗ね」
太陽の光を受けてキラキラと輝く氷の粒に、彼女は微笑みながら感想を伝えた。
「ほう……。氷の槍をも砕くか。だが、氷の強度などたかが知れている」
「そうよね、氷だものね」
「ならばこいつを喰らってみろ。ファイムジャベリン」
投げ放たれた炎の槍が彼女に衝突すると高らかに火柱を上げ、氷の魔法によって下がった気温は一気に上がる。その熱量の発生源である高熱の火炎の中で彼女は言った。
「やっぱり火は魔法の定番よね。わたしも火の魔法はわりと得意よ」
吹き消えた炎の中から姿を見せたアルティメットガールが無傷であったため、ゴリバはほんの少しだけ焦りを含ませた言葉を返した。
「そうか、お前が爆炎の勇者だな。女とは思わなかったぞ。炎の攻撃が効かないわけだ」
「勇者? わたしは勇者って言うよりヒーローだから英雄……」
「だがな!」
再びアルティメットガールの言葉に被せる。
「勇者だからといっていつまでも魔族に優位だと思うなよ、爆炎の勇者」
「だから、わたしは勇者じゃ……」
「魔法防御とその耐性は見せてもらった。次は格闘能力を試してやるぞ爆炎の勇者。そのか細い体では俺の力には耐えられまいがな」
「聞いてる? わたしは勇者じゃ……」
「いたぶったあとは俺の究極の魔法でトドメをさしてやろう。覚悟しておけ。炎の魔法をも上まわる大魔法だ」
力強く構える魔族の体の各所が硬質化され、接近戦闘用に切り替わる。
「話を聞く耳くらい持ちなさーい!」
そう彼女が叫んだときにはその拳は振りかぶられていた。
魔法攻撃から一転。魔族は肉弾格闘戦へと移行した。右に左に動きながら回避するアルティメットガールにピタリと寄せて次々に攻撃を繰り出す。両手足が連携して隙がなく途切れない。
(密着することで攻撃が死角から飛んでくる。言うだけあってこっちの方が本職なのね。他の魔族がどんなもんか知っておこうと思ったけど、だいたいわかったわ)
反撃に転じようかと思ったアルティメットガールだったが、この近郊に現れたある者の気配を察知する。そして、動きを止めてゴリバから大きく距離を取った。
「どうした。かわすのも限界か?」
そんな目の前の魔族の言葉など気にもとめず、彼女は身をひるがえして去っていく。
「え?」
ゴリバはなんの前触れもなく飛び去るアルティメットガールを呆然と見送った。
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