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第一章
カタコト
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ゴブリンを倒し、ルンルン気分で門の前に並ぶ。
衛兵はこの前と同じ人で紙とペンを出そうとしたが、それを手で制止して覚えたばかりの異世界語のクロマリア語を喋った。
「サッキブリダナエイヘイ」
「なんだ、あんた喋れたのか」
「アア、サッキオボエテキタ」
「それはすごいな。で、冒険者プレートはあるか?」
袋のなかから冒険者プレートを見せる。
「よし、通っていいぞ」
軽く会釈をし、再び冒険者ギルドに戻る。
討伐証明などは受付に渡すのではなく、隣接された素材受付所に渡し金をもらう。
ゴブリンなどの少額の報酬はその場で手渡しされるのだ。
ゴブリンはどうやら56体倒していたそうで、102マリアを受け取る。
この金なら最下級の宿に泊まれるのだが、場所がわからないので冒険者ギルドに向かい場所を聞きに行く。
冒険者ギルドに入ると他のやつらよりもよさそうな装備を身につけた集団がいた。
「ん?彼は一体誰だい?彼みたいな人は見たことがない」
「ぱっと見た感じだと獣人だけどなんか違うわね」
「おい、詮索はよさないか。私の仲間が失礼をしたすまない」
「イイヤ、キニシテイナイ」
「ああ、自己紹介がまだだったな。私はCランクパーティー緋色の空のセルンというものだ」
「俺はアイザックだ、そしてこいつが」
「ナーニャよ」
「あとはアイライってやつがいるんだが今はいないんだ」
「ソウカ、ソレハザンネンダオレノナマエハ…」
名前か、そういえば聞かれなかったから考えてなかったな。
……まあ猪の毛皮被ってるしボアで、いやブアでいこう。
「オレノナマエハ『ブア』ダヨロシク」
「彼は今日ハレイユにきたので知らなくても仕方ないですよ」
「ああ、通りでわからないわけだ」
「ウケツケジョウ、ヤドノバショヲオシエテモラエナイカ?」
「ああ、はいはい前にいっていた宿のことですね?それなら地図を渡しますのでそれを見て行ってください。
それと、ブアさんFランク昇格おめでとうございます
ゴブリン50匹以上討伐で昇格となっています
明日から迷宮にも潜れますよ」
「アリガトウワカッタ。ソレデハマタナ」
「ああ、そうだブア!明日一緒にダンジョンに潜らないか?」
「ちょっとアイザック何相談もなしにいきなり言ってるのよ!」
「モンダイナイゾ」
「あんたもすぐに返事してんじゃないわよ!」
「まあいいではないかナーニャ。アイザックの人を見る目は信用性が高いのはわかっているだろう?」
「そうだけど…」
「じゃあ決まりだな!明日の朝に冒険者ギルドに集合しよう」
「リョウカイシタ」
そう返事をして宿にいき、大部屋で雑魚寝をした。
~翌日、冒険者ギルドにて~
「やあ、待ったかい?」
「イヤ、イマキタトコロダ」
アイザックと恋人のような会話をして迷宮に向けて歩き始める。
「ブアは迷宮始めてなんだろ?じゃあ最初はサポーターとしてよろしくな」
「アイテムヲヒロエバイイノカ?」
「まあ基本的に魔石を回収するだけだよ」
「ナルホド」
「ああ、それからこいつが前にいっていたアイライだ、寡黙でいかついが案外いいやつだ」
「…よろしく」
「ヨロシク」
それから二十分分ほど歩くと大きな遺跡の入り口が見えてきた。
これが迷宮というものなのだろうか?
聞いた話では14階層程あるそうだが、殆ど地下にあるようだ。
そしてその最深部にはラビリンスキングという化け物がいるらしく、ラビリンスキングは半年から一年に一度復活するそうだ。
それと、ラビリンスキング程ではないがかなり強いボスも時より出てくるそうだ。
「これから迷宮に入るわけだけど、今回の目的はラビリンスアイアンの採取だ。できるだけ多く採取して金儲けしようぜ」
「オッケー」
「そうだな」
「…うん」
「ナルホド」
入り口付近なのもあって人とすれ違うことが多く、魔物の姿は見えない。
事前に聞いておいた話では、ここには基本的に四種類の魔物がいる。
まずはどこにでもいるGランクモンスターのゴブリン。
このゴブリンたちは前に戦ったやつとは違って時より魔法や弓を使ってくるやつや、体格が一回り大きいやつが出てきたりするそうで、その場合のモンスターランクはFやEになるので、油断していいことはない。
そのつぎに多いのがEランク鼠系モンスターチューラット。
素早い動きと集団戦が得意な体長一メートル近くある鼠だ。
そして時々いるスケルトンやゾンビといったアンデッドモンスター。
スケルトンはFランクモンスターで、ゾンビはその一つ上のEランクモンスターだ。
そして希に見るのがストーンスタチューという石像の魔物だ。
これはDランクの魔物で、足は遅いがパワーと耐久力はかなりあり、魔法なしだと中々戦いにくい相手だ。
だが、魔法があると普通にしていればまず当たらない攻撃しかしてこない雑魚になる。
これは14階層のあるうちの上層と呼ばれる1階層から5階層までの主だった魔物で、もちろん上層にも他の魔物は時より現れるが、現れたら事故といってもいいレベルだ。
Cランクパーティーである緋色の空と互角に戦うとしたらオーガやリッチといったCランクモンスターになるのだが、そこまで強いモンスターとなると下層と呼ばれる部分にしかいないだろう。
今回向かうのは中層にある鉱脈と呼ばれる場所で、そこには上層とは違う色々な魔物がいるのだが、それはこの戦闘が終わったらにしよう。
衛兵はこの前と同じ人で紙とペンを出そうとしたが、それを手で制止して覚えたばかりの異世界語のクロマリア語を喋った。
「サッキブリダナエイヘイ」
「なんだ、あんた喋れたのか」
「アア、サッキオボエテキタ」
「それはすごいな。で、冒険者プレートはあるか?」
袋のなかから冒険者プレートを見せる。
「よし、通っていいぞ」
軽く会釈をし、再び冒険者ギルドに戻る。
討伐証明などは受付に渡すのではなく、隣接された素材受付所に渡し金をもらう。
ゴブリンなどの少額の報酬はその場で手渡しされるのだ。
ゴブリンはどうやら56体倒していたそうで、102マリアを受け取る。
この金なら最下級の宿に泊まれるのだが、場所がわからないので冒険者ギルドに向かい場所を聞きに行く。
冒険者ギルドに入ると他のやつらよりもよさそうな装備を身につけた集団がいた。
「ん?彼は一体誰だい?彼みたいな人は見たことがない」
「ぱっと見た感じだと獣人だけどなんか違うわね」
「おい、詮索はよさないか。私の仲間が失礼をしたすまない」
「イイヤ、キニシテイナイ」
「ああ、自己紹介がまだだったな。私はCランクパーティー緋色の空のセルンというものだ」
「俺はアイザックだ、そしてこいつが」
「ナーニャよ」
「あとはアイライってやつがいるんだが今はいないんだ」
「ソウカ、ソレハザンネンダオレノナマエハ…」
名前か、そういえば聞かれなかったから考えてなかったな。
……まあ猪の毛皮被ってるしボアで、いやブアでいこう。
「オレノナマエハ『ブア』ダヨロシク」
「彼は今日ハレイユにきたので知らなくても仕方ないですよ」
「ああ、通りでわからないわけだ」
「ウケツケジョウ、ヤドノバショヲオシエテモラエナイカ?」
「ああ、はいはい前にいっていた宿のことですね?それなら地図を渡しますのでそれを見て行ってください。
それと、ブアさんFランク昇格おめでとうございます
ゴブリン50匹以上討伐で昇格となっています
明日から迷宮にも潜れますよ」
「アリガトウワカッタ。ソレデハマタナ」
「ああ、そうだブア!明日一緒にダンジョンに潜らないか?」
「ちょっとアイザック何相談もなしにいきなり言ってるのよ!」
「モンダイナイゾ」
「あんたもすぐに返事してんじゃないわよ!」
「まあいいではないかナーニャ。アイザックの人を見る目は信用性が高いのはわかっているだろう?」
「そうだけど…」
「じゃあ決まりだな!明日の朝に冒険者ギルドに集合しよう」
「リョウカイシタ」
そう返事をして宿にいき、大部屋で雑魚寝をした。
~翌日、冒険者ギルドにて~
「やあ、待ったかい?」
「イヤ、イマキタトコロダ」
アイザックと恋人のような会話をして迷宮に向けて歩き始める。
「ブアは迷宮始めてなんだろ?じゃあ最初はサポーターとしてよろしくな」
「アイテムヲヒロエバイイノカ?」
「まあ基本的に魔石を回収するだけだよ」
「ナルホド」
「ああ、それからこいつが前にいっていたアイライだ、寡黙でいかついが案外いいやつだ」
「…よろしく」
「ヨロシク」
それから二十分分ほど歩くと大きな遺跡の入り口が見えてきた。
これが迷宮というものなのだろうか?
聞いた話では14階層程あるそうだが、殆ど地下にあるようだ。
そしてその最深部にはラビリンスキングという化け物がいるらしく、ラビリンスキングは半年から一年に一度復活するそうだ。
それと、ラビリンスキング程ではないがかなり強いボスも時より出てくるそうだ。
「これから迷宮に入るわけだけど、今回の目的はラビリンスアイアンの採取だ。できるだけ多く採取して金儲けしようぜ」
「オッケー」
「そうだな」
「…うん」
「ナルホド」
入り口付近なのもあって人とすれ違うことが多く、魔物の姿は見えない。
事前に聞いておいた話では、ここには基本的に四種類の魔物がいる。
まずはどこにでもいるGランクモンスターのゴブリン。
このゴブリンたちは前に戦ったやつとは違って時より魔法や弓を使ってくるやつや、体格が一回り大きいやつが出てきたりするそうで、その場合のモンスターランクはFやEになるので、油断していいことはない。
そのつぎに多いのがEランク鼠系モンスターチューラット。
素早い動きと集団戦が得意な体長一メートル近くある鼠だ。
そして時々いるスケルトンやゾンビといったアンデッドモンスター。
スケルトンはFランクモンスターで、ゾンビはその一つ上のEランクモンスターだ。
そして希に見るのがストーンスタチューという石像の魔物だ。
これはDランクの魔物で、足は遅いがパワーと耐久力はかなりあり、魔法なしだと中々戦いにくい相手だ。
だが、魔法があると普通にしていればまず当たらない攻撃しかしてこない雑魚になる。
これは14階層のあるうちの上層と呼ばれる1階層から5階層までの主だった魔物で、もちろん上層にも他の魔物は時より現れるが、現れたら事故といってもいいレベルだ。
Cランクパーティーである緋色の空と互角に戦うとしたらオーガやリッチといったCランクモンスターになるのだが、そこまで強いモンスターとなると下層と呼ばれる部分にしかいないだろう。
今回向かうのは中層にある鉱脈と呼ばれる場所で、そこには上層とは違う色々な魔物がいるのだが、それはこの戦闘が終わったらにしよう。
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