R18・未知の彼女

仙 岳美

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09 未知の花見

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※AI校正


09 未知の花見

8:00
アパート無限荘 

 昨日、近くの公園まで花見に行くと言っていた彼女は現在ヨダレを垂らして寝ている……
その状況から推測して100%今日持っていくはずの弁当を朝一で作って用意している様子は明らかに無い……
まぁ昨晩に体質的にあまり飲めない酒である缶酎ハイを飲んで酔って気分がハイになり、いつもの思いつきで花見に行くと言ってただけなのかな~と俺は思い自分の布団に入りまた寝る事とした………

10:00 
宇宙公園特設花見会場

あの後1時間後に叩き起こされ、そして現在、公園のベンチに彼女と座り桜を観ながら行きに買った牛丼を食べている……
『これってっ花見なの?』
と思ったがその事については今の状況から見て深く考えるのは無意味と思いやめた、今、俺の目の前にちゃんと桜が見え、花見弁当を広げてる人達もいて桜を見に来てる…というよりその人達の視線を追っていると桜はあまり見ずに呑み食いしてるだけな様な感じではあるが……だから、まあ花見なんかそんな問題だろうと思い自分を納得させ、『花より団子』って言葉も伝えられ残ってるくらいだから昔に自分と同じ様に引っ張られる様に花見に連れてこられて、その意味を考えた人もいるのだろう、あえて自分みたいな凡人がわざわざ改めて追求する事ではない、そう思った…
牛丼容器の角に溜まった米粒をかき込み、食べ終えたら案の定、間が持たなくなって来てしまった。
「もう帰ろう」
俺は彼女に催促した。
「来たばっかりだよ、飽きっぽいな、君は」
その通り、ハッキリ言って俺は飽きっぽい上に桜、いや、花そのものに興味は無い、おまけに言うと夜景を見ても感動もしない、俺はそんな感じの人間なのである。なのでロマンチストの欠片も無いのである。物事にも感動せずにどこか冷めている。そんな俺とは正反対に彼女は世間がワールドカップで騒ぎ出したら一緒に騒ぎ、WBCでも最近は騒いでいる……ある意味、俺から見たら世間の波に乗れる人で一種の能力者に感じる……俺にはその比較的万人、子供まで、持ってる能力は備わっていない、これは余談だが俺が乗れるとしたら彼女ぐらいだ、それも余り上手に乗れない、よくそこをネチネチ弄られる。こんな感じで彼女を感じさせる技にも乏しく、自身の感受性にも乏しい俺は当然に想いを書き留める事が大事な小説を上手く書く事はできず、いつまで経っても苦手なのである……今週のお題は芝生の様だが良いアイデアが突然のように思いつかない……芝生と聞いて最初に頭に浮かんだのはゴルフ場だったが俺は残念な事にゴルフはテレビゲームでしかやった事が無いので物語は頭の中で構築する事はできなかった、当たり前である、なんせ、ゴルフという名のボールを穴に入れる行為はやった事ないんだから!更にこれも続・余談になるが俺が最近入れた穴といったら思い出すのは彼女の……三ツの……そのうちの一つの穴は予想以上に痛がったのでやめたが……(四つん這いで痛がってもがく彼女を見て普段小馬鹿にされてる俺としては仕返ししてる様で少し気分が良かった)
まぁ今からゴルフを始める気力も当然ながら湧かない……
俺はそんな事もあり、心が急に寒くなり、桜を見ても……
『散るだけの物じゃないか…不幸だ…そうか!分かったぞ、みんな桜の不幸を見るのが楽しくって散るのを観に来ているのか』とこの時は捻くれた考えに心が染まり、自分と重ね合わせ堪らずにこの場から去りたくなり、再度、彼女に催促した、
「ねえ~帰ろうよ~俺、秋田県(飽きたけん)ね」
「折角来たんだから、もう少し居ようよ」
「何もやる事ないじゃん」
彼女はポーチから小箱を出した……
「君とやる予定だったんだけど、やってみる?」
それスキンの箱だった……
「え!ここでみんな見てるよ、俺、無理」(遂に狂ったか?)

「あ、間違えた、ちょっと待ってね」
と再びポーチの中を弄り始めた。
(その前に何でそれを持ってきた?)

「あった、これ!」
彼女が再び取り出した物は、
それは花札だった。(また、時代遅れな物を)
だけど暇なんでやる事にした、彼女も粘ってるし……これも話しすぎて後でバレて怒られないかと考えると背筋がゾクゾクする程に心配になってしまう、続・続・余談になるが、……彼女が体内から出す天然ローションは人より粘りがやや強い気がする……でもその割には残念ながら匂いは何故か薄い……
と言う事で適当な空いている芝生の上に持ってきたレジャーシートを引いて「こいこい」という名のスタンダードな花札のゲームをやってみる……

※ここで少し作者談、こいこいのルールはとても簡単ですが此処で全てを説明するとそれなりに長くなるので興味が沸いた方はネットで調べてみてください。

と言う事でゲーム開始…
……早々にチューイン!と彼女の目が光った!という感じがした、良い役を先に揃えられてしまった様だ、
「猪鹿蝶!」6文(点)
「こいこいする?」(こいこいとは、この時点での勝者の権利で勝てるのに上がらずに延長戦をし、相手が役を先に揃える前に新たにまた役を揃えれば勝ち点が倍になる、ただし先に相手に役を揃えられ、相手がそこであがりを宣言してしまったらその回は負けになり、さらに相手の勝ち点が倍になってしまう。自分の点数は当然負けなので0文)
『この時点で逆転した相手が上がらずに更にこいこいをする事も可能』結果的に最初の役・猪鹿蝶6文(点)でやめとけば良かった事になる。要はこの事から花札は博打性が高いと言われる由縁である、遊びでお金をかける場合は1文=10円くらいにすれば良いと思う、相手が10文であがれば負けた方は100円払うみたいな……)

そんな現在勝者の彼女は、意外にも慎重派で、
「やめとく~上がる」
と言う事で俺は負けた……
まぁ、お金をかければそれなりにスリリングで面白いかも知れないけど、お金をかけずにただやるだけなら、TVゲームと比べると月とスッポンのスッポンの方のレベルの面白さである、要はツマラナイ、刺激も足りない。

(反対にお金をかけてこそ[こいこい]という単純明解ゲームの良さは活きると思う、ルールが単純な故にそれがお金をかけると素直にすんなりと心が熱くなりやすい物だと作者自身は思う、他に良い所を挙げれば2人いればゲームが手軽に開始できる所でしょうか、カップルにはお勧め)

俺は言った、
「ツマラナイやめよう」

彼女はムッとして
「なんでさ?」

「花札って本来は博打遊具だろ、お金かけないからツマンナイよ」

それを聞いた彼女はニヤリとし、
「じゃ、かける、お金」

(その手には乗らない物事に執念が無い俺は賭け事、なんかやったら炎属性の彼女に確実に負ける事は目に見えている)
「いや、いいよ、金はかけたくない、関係が壊れる元だよ」

「じゃあーただやればいいじゃん!」

「だからゲームとしての花札には刺激を感じないよ」

彼女はそれを聞いてニヤリとし、
「君は刺激好きね、刺激か~じゃぁさ、負けた方が服を脱ぐのはどう?」

(彼女の突っ込みも往年のキレは最近、なくなってきた……何か少し弱くなった)

俺は勝ち誇った顔で言った、
「刺激はあると思うけどここで脱いだら捕まるよ、夕方のニュースになるよ」
それを聞いた彼女が急に残念な暗い顔になって黙ってしまった……
『ヤバい』(怒ったかな?)

彼女はスーと立ち上がり、
「そう、じゃ帰ろう、家で君のやりたいなんかしましょう……」
と冷めた顔で言った……

(『家で君のやりたいなんかしましょう……』(恐)、急にそう言われると、反対に寂しい、し家に帰るのがなんか怖くなった、このまま帰ったら彼女の立場をフル利用した彼女に俺はなんかされる……)とりあえず回避、
「いや、別にいいよ、もう少し居ても」

散る桜を背景に彼女は呆れた顔で、
「どっちなの? 家でお望み通り刺激的に可愛がってあげるわよ、それとも此処で犬にでもなる?」久しぶりに目が鋭く変化した。
(ひー、背後で桜が散ってる偶然演出の影響もあって絵に凄みが増してヤッパリ怖い……)

この時、もう少し居る方を選択した方が無難だと思ったのと自分の彼女がもう少し、この場に居たいというのなら彼氏である自分はそれに付き合わなければいけないものだと思い改め。
「もう少し花札やる、なんか楽しくなってきた」(本当はツマンナイけど……)

それを聞いて彼女はニターとし、花札を再び配り出した(取りあえず機嫌は壊れなかったらヨシとした、後が怖い)
結局それから1時間程過ごして彼女も満足した様で帰る事ができた……
先ほど、俺は桜や花に興味がないと言ったが本来はその散る姿や枯れる姿もしくは未来を見るのが嫌いなのかもしれない、特に桜の花びらは地に落ちると土で濡れ赤くなる……最後に立ち会う事は辛い事である…
…もしかしたら俺がサッカーや野球で皆と盛り上がれないのは終わった後の未来である虚しさを感じたくない為が故に無意識に最初から避けてるのかもしれない……最初が無ければ終わりの存在も知り得ない、何故に・人生の何処で・そんな性格が形成されたのかは今はもう分からない……

帰り道、俺は気づいたら彼女の手を無意識に自分から繋ぎ止める様に繋いでいた。……日が伸びた様で周囲はまだ明るく、夜はまだ遠くに感じ、何か安心した……

{続}
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