3 / 14
02 ナナフシヒカリ公園ノ巻
しおりを挟む
02
『何処と無く空から堕ちて来た白い羽根を拾った先生は、森の中の大勢の人で賑わう釣り堀を見つめ、今迄僕も見た事の無い、それはとても暗い顔をしていたんだ』
……僕の中で元担任の妻を名前で呼ぶに何か釈然としない事から、『先生』と今でも呼んでしまう時期が時折訪れる、そんな時期の休日に先生と島の観光的施設である大きい公園を訪れる。
その公園内部は、半分は森を利用した様々な娯楽施設と、もう半分は、その先に海が広がり見える、黄色い花が一面に咲いた丘がいくつも連なり広大に広がっていた。
その日は涼しく天気も良い事から、まずは、その連なる丘を繋げる様に伸びる、人が三人横に並んで歩ける幅の散道を歩く事にした。
その道を先生の斜め後ろを歩いているとふと、初めて何かのピースがハマった気がした、それは幸せだった。
今日の今迄僕は何かに怯えていた。
理由はわからないけど、その怯えがその時は無く、何か遠くに行ってしまった、やっと行ってくれた気がした。
僕は先生の手を握る。
先生は振り向き、横顔で僕に微笑みかける。
「いきなりどうしたの?」
「理由は無いだけど」
「そう……だよね」
と先生は再び微笑む。
僕は思う、先生は歳を取らない、白髪どころか皺、滲み一つ無い。
握った手の指先を堪忍すると、おととい料理をしている時に誤って包丁で切ってしまった傷の跡も、もう見当たらない。
やはり先生は……僕はそう思い聞いてみる。
「先生は、ズーと先生のままですよね」
「どう言う事?」
「老ない」
僕がそう言うと、先生はフットした笑みを浮かべ言う。
「そのうち感じるわよ、その時は覚悟してね」
「覚悟?」
「ええ」
と先生は澄んだ空を見上げる。
僕は、その覚悟とは、なんなのかわからなかった、でもその事はあまり考えず、気に留めず、先生と同じ様に空を見上げる、その空には、何一つ無かった。
それは全てを二度も手に入れ戻した僕に、もう何一つ、神さまは与えてくれない気がし、少し不安気に映ったのだった、そう、気づくとやはり、僕は何か怯えていた。
その事にいつもの僕だと安心すると、僕の視線は空から先の海へ移っていた。
でも横の先生は空の方を見続けていた。
そんな何かに遠慮している先生の感じから僕は感じ取る、僕は本来此処にひとりで来る運命だったのかも知れない、そしてどこかに此処へひとりで来ているもう一人の自分の気配を感じ、僕はその自分の分も頑張らなければいけないんだと感じ確信する。
『『先生の瞳には、バッドエンドに進んだ方の僕もしっかり映り込み、その姿を今もただ、見守り続けている』』
気づくと僕のワイシャツの胸ポケットには、その白い羽根が差し入れられていた。
[終]
※転生者覚醒能力。
それはプラスの事ばかりでは無く、悲しい副反応の事例も稀に上げらている。その例として、強運の星を持つ皇帝すら超える事が出来なかった死の壁を突破した転生能力者の力を持ってしても、ある意味で切り捨て分離させた世界と新たに得た新世界とを、都合良く再び一つにまとめる事は容易では無い、と、宇宙の大覚醒者の最後の問いとして無限光年語り継がれている。
※死
それは絶望、もしくは拠り所とされる、しかしどちらにせよ、それを克服したとしても、知り得ない宇宙歴の中ではちっぽけな出来事に過ぎない事なのかも知れない。
※内容はフィックション。
『何処と無く空から堕ちて来た白い羽根を拾った先生は、森の中の大勢の人で賑わう釣り堀を見つめ、今迄僕も見た事の無い、それはとても暗い顔をしていたんだ』
……僕の中で元担任の妻を名前で呼ぶに何か釈然としない事から、『先生』と今でも呼んでしまう時期が時折訪れる、そんな時期の休日に先生と島の観光的施設である大きい公園を訪れる。
その公園内部は、半分は森を利用した様々な娯楽施設と、もう半分は、その先に海が広がり見える、黄色い花が一面に咲いた丘がいくつも連なり広大に広がっていた。
その日は涼しく天気も良い事から、まずは、その連なる丘を繋げる様に伸びる、人が三人横に並んで歩ける幅の散道を歩く事にした。
その道を先生の斜め後ろを歩いているとふと、初めて何かのピースがハマった気がした、それは幸せだった。
今日の今迄僕は何かに怯えていた。
理由はわからないけど、その怯えがその時は無く、何か遠くに行ってしまった、やっと行ってくれた気がした。
僕は先生の手を握る。
先生は振り向き、横顔で僕に微笑みかける。
「いきなりどうしたの?」
「理由は無いだけど」
「そう……だよね」
と先生は再び微笑む。
僕は思う、先生は歳を取らない、白髪どころか皺、滲み一つ無い。
握った手の指先を堪忍すると、おととい料理をしている時に誤って包丁で切ってしまった傷の跡も、もう見当たらない。
やはり先生は……僕はそう思い聞いてみる。
「先生は、ズーと先生のままですよね」
「どう言う事?」
「老ない」
僕がそう言うと、先生はフットした笑みを浮かべ言う。
「そのうち感じるわよ、その時は覚悟してね」
「覚悟?」
「ええ」
と先生は澄んだ空を見上げる。
僕は、その覚悟とは、なんなのかわからなかった、でもその事はあまり考えず、気に留めず、先生と同じ様に空を見上げる、その空には、何一つ無かった。
それは全てを二度も手に入れ戻した僕に、もう何一つ、神さまは与えてくれない気がし、少し不安気に映ったのだった、そう、気づくとやはり、僕は何か怯えていた。
その事にいつもの僕だと安心すると、僕の視線は空から先の海へ移っていた。
でも横の先生は空の方を見続けていた。
そんな何かに遠慮している先生の感じから僕は感じ取る、僕は本来此処にひとりで来る運命だったのかも知れない、そしてどこかに此処へひとりで来ているもう一人の自分の気配を感じ、僕はその自分の分も頑張らなければいけないんだと感じ確信する。
『『先生の瞳には、バッドエンドに進んだ方の僕もしっかり映り込み、その姿を今もただ、見守り続けている』』
気づくと僕のワイシャツの胸ポケットには、その白い羽根が差し入れられていた。
[終]
※転生者覚醒能力。
それはプラスの事ばかりでは無く、悲しい副反応の事例も稀に上げらている。その例として、強運の星を持つ皇帝すら超える事が出来なかった死の壁を突破した転生能力者の力を持ってしても、ある意味で切り捨て分離させた世界と新たに得た新世界とを、都合良く再び一つにまとめる事は容易では無い、と、宇宙の大覚醒者の最後の問いとして無限光年語り継がれている。
※死
それは絶望、もしくは拠り所とされる、しかしどちらにせよ、それを克服したとしても、知り得ない宇宙歴の中ではちっぽけな出来事に過ぎない事なのかも知れない。
※内容はフィックション。
0
あなたにおすすめの小説
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
レオナルド先生創世記
ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる