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40 クラス会……ノ巻 生徒手帳残記5
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序
カタン
「はい、気をつけなさいよ」と、青暗い境内で差し出されたその手に乗る物を見たその時、その事に何か初めて自分が何かに認められた気がし、キツく縛られた濡れ糸が、ほぐれゆく気がした。
「先生……」
語り
穴笠 光太(あながさ こうた)
先週末、先生主催のクラス会が開催された。
と言っても出席者は四人。
担任の先生
学級委員長 仙身 一馬
副委員長 二之丸 守
そして、無役な自分。
自分は一週間前の帰り際、先生に「光太君」と呼び止められ、その会に出る様に言われた。
何か先生の眼差しに、断れなかった。
それに先生には、その日の数日前、日課の夜散歩中に、たまたま遭い、色町の外れにある屋台でラーメンを奢ってもらい、その時に、よく自分が夜に散歩している事を告げると、その帰り、神社の自販機でお守りを一つ買って渡してくれた。
……そんな経緯も自分にはあった。
での、放課後。
会の場として先生に指定された場所は体育館の横に建つ、今は使われていない古い部活小屋だった。
着くと中はストーブの匂いがし暖かく、既に先生と同級生の二人は席に座っていた。
生徒の二人は自分を観て。
『えっ!』
と言う顔をした。
先生はすぐに言う。
「役員以外の生徒の意見も聞こうかな~と思って呼んだの、なにか?」
二人すぐに首を横に振った。
自分には、二人より少し遅く、あえてずらした会の開始時刻を、告げられてた様に思えた。
その時はその理由をあまり深く考えずに、生徒二人とは向かい合う形に空いている先生の横の席に座った。
席には、紅茶のペットボトルと四十五度幅のバームクーヘンが木の小皿の上に二個用意置かれていた。
なにか生徒二人ともに緊張しているのか、その茶菓子には、手をつけてなかった。
その気持ちは、なんとくはわかる。
先生は普段から指導は厳しく、そして何を考えているのか少しわからないところがあり、それが不気味になにか怖い。
そんな先生は「さてと」と片手で髪をサッーと手櫛をする、皆んな知ってる、話をする前の先生の癖だ。
フッワと良いリンスの香りが鼻腔を抜く。
「じゃあー 一馬君」
「特に無いです」
「ふーん、守くんは?」
「無いです、クラスは平和です」
「平和かー、先月も先々月も同じだね」
先生の視線が自分に向く。
「光太君は、どうかな?」
この時、いわゆる所の自分はイジられキャラだった、その事は少しウザましくも思っていたが、あえてこの場で言う事でも無いと思い、そして少し考える……一馬君の方は言い方は悪いが飾りだ、そしてそれが役目だ。
その事から事実上クラスを仕切っている守君を立てるのが無難と思い、そのつもりで話した。
「えー、小さい揉め事は時々ありますが、守君が中に入ってよくまとめくれてると思います」
そう自分が言うと、先生の目が鋭くなり、それに乗じて場の空気が一瞬凍った感じがした。
「あら、そう、守君! 守君!」
「は、はい!」
「どんな小さい事も先生に報告する様に言ったよね、先生は」
「えっあーはい……」
「ダメじゃないのさ、決め事守らないと、守だけに、なんちゃって」
と冗談を言うも、その先生の目は笑ってなかった……
……
………
その後、少しの期間二人の自分を観る目が変わった。
自分は先生のスパイか何かに思われてしまったようだ。(後にひょっとした気っかけで二人と話し、その時の誤解は解ける)
何ともあれ、その会の後から先生は、自分に甘くなった、その行為は、自分が先生の権威の下に置かれた事を周りの生徒達に知らしてる様なものだった。
お陰でイジられなくは成った。
『やはり先生は怖い』
そうその夜に思い。
会で出され、封を切らずに持ち帰った紅茶のペットボトルを切り、喉を潤した。
その味は、冷めてるせいか少し渋さが増した様に感じた。
そして何故自分が隠密役に選ばれたのか? 一晩考えてもその夜にその答えは出なかった。が、数日後、二つ思い当たった、一つは、ラーメンをすすりながらクラスのイジりが少しウザいと自分が先生に漏らした事と、後はクラスで自分だけが、特に親しい友達がいなく、またできなく、少し孤独感を感じている事を打ち明けた事だった。
先生はその場で、一つの問に答えてくれた。
『イジりについては、結果の通りである、虎の威で解決した』
孤独、それは全てに公平でいられる事だと教えてくれた。
孤独……そう、ズーと、この先も。
自分の生き方はそれでいい。
幕
ザッザッザッ
今夜も、腰から下げた御守りに納められた小さい刃は、月に照らされ輝いている、その刃に共鳴するかの様に遠く、
そう遠く、
狼の遠吠えが聞こえる……[終]
🌕 ・
お題・ティータイムに沿って制作。
24.12.13
カタン
「はい、気をつけなさいよ」と、青暗い境内で差し出されたその手に乗る物を見たその時、その事に何か初めて自分が何かに認められた気がし、キツく縛られた濡れ糸が、ほぐれゆく気がした。
「先生……」
語り
穴笠 光太(あながさ こうた)
先週末、先生主催のクラス会が開催された。
と言っても出席者は四人。
担任の先生
学級委員長 仙身 一馬
副委員長 二之丸 守
そして、無役な自分。
自分は一週間前の帰り際、先生に「光太君」と呼び止められ、その会に出る様に言われた。
何か先生の眼差しに、断れなかった。
それに先生には、その日の数日前、日課の夜散歩中に、たまたま遭い、色町の外れにある屋台でラーメンを奢ってもらい、その時に、よく自分が夜に散歩している事を告げると、その帰り、神社の自販機でお守りを一つ買って渡してくれた。
……そんな経緯も自分にはあった。
での、放課後。
会の場として先生に指定された場所は体育館の横に建つ、今は使われていない古い部活小屋だった。
着くと中はストーブの匂いがし暖かく、既に先生と同級生の二人は席に座っていた。
生徒の二人は自分を観て。
『えっ!』
と言う顔をした。
先生はすぐに言う。
「役員以外の生徒の意見も聞こうかな~と思って呼んだの、なにか?」
二人すぐに首を横に振った。
自分には、二人より少し遅く、あえてずらした会の開始時刻を、告げられてた様に思えた。
その時はその理由をあまり深く考えずに、生徒二人とは向かい合う形に空いている先生の横の席に座った。
席には、紅茶のペットボトルと四十五度幅のバームクーヘンが木の小皿の上に二個用意置かれていた。
なにか生徒二人ともに緊張しているのか、その茶菓子には、手をつけてなかった。
その気持ちは、なんとくはわかる。
先生は普段から指導は厳しく、そして何を考えているのか少しわからないところがあり、それが不気味になにか怖い。
そんな先生は「さてと」と片手で髪をサッーと手櫛をする、皆んな知ってる、話をする前の先生の癖だ。
フッワと良いリンスの香りが鼻腔を抜く。
「じゃあー 一馬君」
「特に無いです」
「ふーん、守くんは?」
「無いです、クラスは平和です」
「平和かー、先月も先々月も同じだね」
先生の視線が自分に向く。
「光太君は、どうかな?」
この時、いわゆる所の自分はイジられキャラだった、その事は少しウザましくも思っていたが、あえてこの場で言う事でも無いと思い、そして少し考える……一馬君の方は言い方は悪いが飾りだ、そしてそれが役目だ。
その事から事実上クラスを仕切っている守君を立てるのが無難と思い、そのつもりで話した。
「えー、小さい揉め事は時々ありますが、守君が中に入ってよくまとめくれてると思います」
そう自分が言うと、先生の目が鋭くなり、それに乗じて場の空気が一瞬凍った感じがした。
「あら、そう、守君! 守君!」
「は、はい!」
「どんな小さい事も先生に報告する様に言ったよね、先生は」
「えっあーはい……」
「ダメじゃないのさ、決め事守らないと、守だけに、なんちゃって」
と冗談を言うも、その先生の目は笑ってなかった……
……
………
その後、少しの期間二人の自分を観る目が変わった。
自分は先生のスパイか何かに思われてしまったようだ。(後にひょっとした気っかけで二人と話し、その時の誤解は解ける)
何ともあれ、その会の後から先生は、自分に甘くなった、その行為は、自分が先生の権威の下に置かれた事を周りの生徒達に知らしてる様なものだった。
お陰でイジられなくは成った。
『やはり先生は怖い』
そうその夜に思い。
会で出され、封を切らずに持ち帰った紅茶のペットボトルを切り、喉を潤した。
その味は、冷めてるせいか少し渋さが増した様に感じた。
そして何故自分が隠密役に選ばれたのか? 一晩考えてもその夜にその答えは出なかった。が、数日後、二つ思い当たった、一つは、ラーメンをすすりながらクラスのイジりが少しウザいと自分が先生に漏らした事と、後はクラスで自分だけが、特に親しい友達がいなく、またできなく、少し孤独感を感じている事を打ち明けた事だった。
先生はその場で、一つの問に答えてくれた。
『イジりについては、結果の通りである、虎の威で解決した』
孤独、それは全てに公平でいられる事だと教えてくれた。
孤独……そう、ズーと、この先も。
自分の生き方はそれでいい。
幕
ザッザッザッ
今夜も、腰から下げた御守りに納められた小さい刃は、月に照らされ輝いている、その刃に共鳴するかの様に遠く、
そう遠く、
狼の遠吠えが聞こえる……[終]
🌕 ・
お題・ティータイムに沿って制作。
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