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『勇者の剣』奪還編
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「兄ちゃん…確かグルトとか呼ばれてたな。あんさん若いのに、よぉ知ってたなぁ。」
ゼロが上機嫌で言った。
「…これがあのゼロ?こんな中身薄っぺらい感じのやつが?」
テヒニクもゼロの逸話を聞いたことがあり、想像してたイメージとはあまりにかけ離れていたので、少しガッカリした。
「姉ちゃん…あんさん美人のくせに、随分ストレートに失礼なこと言いまんなぁ。…まぁ、美人に言われるなら悪い気ぃはせぇへんけどなぁ。イヒヒヒヒ。」
「…下衆ね。」
ニヤニヤしながら話すゼロに、フルールが軽蔑した眼差しを向けた。
「と、とにかく、ゼロ。君は何で急に話せるようになったんだ?呪縛って一体…。」
ロイが真剣な目をしてゼロに聞いた。
「…わいにも、呪縛が解けた理由はわからへんねん。でもな、眠らされてた間も誰が持ち主かはしっかりと分かってたんや。長い眠りの末、あんさんの親父さんのクラージュが最初の持ち主で、そん次があんさん、そしてセルヴォー、またあんさんや!」
「…ロイ、そいつを捨てろ!」
グルトが血相を変えて、ロイからゼロを奪い取った。
「グルト?」
「…あった!」
フルールが『世界大録』という薄い冊子を見ながら声を上げた。その声に、ロイたちはフルールの周りに集まった。
薄い冊子なのには理由があった。普通の本ではなく、調べたい言葉を魔法を介して念じると、白紙のページにその結果が浮き出てくる仕様になっていたからだ。
フルールは、『ラマジ王国 滅亡 ゼロ』という単語を用いて歴史のジャンルを検索し、浮き出てきた文章を読み上げた。
「世界歴245年、ラマジ王国が突如消滅した。この事象は、あらゆる歴史的資料に記されているが、どの資料にも詳細な経緯の記載はなく、共通して記されているのはゼロと呼ばれる妖剣が要因ということだけである。…ゼロ。ゼロは、世界歴245年にラマジ王国を消滅させたといわれている妖剣である。世界歴前の資料にもその名が記されており、古から災いを呼ぶ存在として恐れられてきた。ラマジ王国消滅後に、フューズという魔導師により呪いを掛けられ、地下深くに封印されたといわれている。その存在を確かめようと、これまでいくつもの調査団が捜索をしたが、現在も発見には至っていない。」
フルールが読み終えると、テヒニクがグルトが握っているゼロを指差した。
「『現在も発見には至っていない』っていうやつが…これなんだね。」
「お嬢ちゃん、これって!わいにはゼロっつー名前があんねんから!まぁ、美人さんだから許したるわぁ!ヒャハハハハ。」
フルールは、生理的に受け付けないゼロのキャラクターに頭を抱えた。
「とにかく!このゼロがどうやってラマジ王国を滅ぼしたか、その詳細を知るまでは安心できないだろ?だいたい、ロイはこのゼロをいつ親父さんに貰ったんだ?」
ロイは、クラージュから譲り受けた日を思い出し、皆に背を向けながら答えた。
「…父さんが何者かに殺される前の日の夜に渡されたんだ。この剣や他にも色々。きっと、自分が死ぬことを予測して僕に託したんだと思う。…グルト、この剣は逸話の通りなら確かに危険なのかもしれない。でも、僕にとっては父さんの形見でもあ…。…え?」
ロイがグルトに振り返ると、グルトがまるで時間が停止したようにピクリとも動かずにロイを見つめていた。慌ててフルールやテヒニクを見ると、二人も目を見開いたまま微動だにしなかった。
「…これは…。」
「儂じゃよ。」
ロイが声がした方に振り向くと、不敵な笑みを浮かべるヨシミツが立っていた。
ゼロが上機嫌で言った。
「…これがあのゼロ?こんな中身薄っぺらい感じのやつが?」
テヒニクもゼロの逸話を聞いたことがあり、想像してたイメージとはあまりにかけ離れていたので、少しガッカリした。
「姉ちゃん…あんさん美人のくせに、随分ストレートに失礼なこと言いまんなぁ。…まぁ、美人に言われるなら悪い気ぃはせぇへんけどなぁ。イヒヒヒヒ。」
「…下衆ね。」
ニヤニヤしながら話すゼロに、フルールが軽蔑した眼差しを向けた。
「と、とにかく、ゼロ。君は何で急に話せるようになったんだ?呪縛って一体…。」
ロイが真剣な目をしてゼロに聞いた。
「…わいにも、呪縛が解けた理由はわからへんねん。でもな、眠らされてた間も誰が持ち主かはしっかりと分かってたんや。長い眠りの末、あんさんの親父さんのクラージュが最初の持ち主で、そん次があんさん、そしてセルヴォー、またあんさんや!」
「…ロイ、そいつを捨てろ!」
グルトが血相を変えて、ロイからゼロを奪い取った。
「グルト?」
「…あった!」
フルールが『世界大録』という薄い冊子を見ながら声を上げた。その声に、ロイたちはフルールの周りに集まった。
薄い冊子なのには理由があった。普通の本ではなく、調べたい言葉を魔法を介して念じると、白紙のページにその結果が浮き出てくる仕様になっていたからだ。
フルールは、『ラマジ王国 滅亡 ゼロ』という単語を用いて歴史のジャンルを検索し、浮き出てきた文章を読み上げた。
「世界歴245年、ラマジ王国が突如消滅した。この事象は、あらゆる歴史的資料に記されているが、どの資料にも詳細な経緯の記載はなく、共通して記されているのはゼロと呼ばれる妖剣が要因ということだけである。…ゼロ。ゼロは、世界歴245年にラマジ王国を消滅させたといわれている妖剣である。世界歴前の資料にもその名が記されており、古から災いを呼ぶ存在として恐れられてきた。ラマジ王国消滅後に、フューズという魔導師により呪いを掛けられ、地下深くに封印されたといわれている。その存在を確かめようと、これまでいくつもの調査団が捜索をしたが、現在も発見には至っていない。」
フルールが読み終えると、テヒニクがグルトが握っているゼロを指差した。
「『現在も発見には至っていない』っていうやつが…これなんだね。」
「お嬢ちゃん、これって!わいにはゼロっつー名前があんねんから!まぁ、美人さんだから許したるわぁ!ヒャハハハハ。」
フルールは、生理的に受け付けないゼロのキャラクターに頭を抱えた。
「とにかく!このゼロがどうやってラマジ王国を滅ぼしたか、その詳細を知るまでは安心できないだろ?だいたい、ロイはこのゼロをいつ親父さんに貰ったんだ?」
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「…父さんが何者かに殺される前の日の夜に渡されたんだ。この剣や他にも色々。きっと、自分が死ぬことを予測して僕に託したんだと思う。…グルト、この剣は逸話の通りなら確かに危険なのかもしれない。でも、僕にとっては父さんの形見でもあ…。…え?」
ロイがグルトに振り返ると、グルトがまるで時間が停止したようにピクリとも動かずにロイを見つめていた。慌ててフルールやテヒニクを見ると、二人も目を見開いたまま微動だにしなかった。
「…これは…。」
「儂じゃよ。」
ロイが声がした方に振り向くと、不敵な笑みを浮かべるヨシミツが立っていた。
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