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日常13 プヨの訓練
飼い主が仕事で留守にする時間帯は、相変わらずテレビに釘付けの二匹。
今日はいつもなら昼寝している時間なのに、ミィはある番組に夢中になっていた。
「プヨ!すっごいねぇ、このイルカって!」
ミィが熱中していたのは、新設された水族館を紹介するバラエティー番組で、イルカのショーを特集しているところだった。
「イルカってさ、プヨと同じだよね?」
「同じ?」
「だから、水の中で生きる同じ生き物でしょ!」
プヨは首を傾げてテレビに映るイルカを見つめた。
「ねぇ、ミィ。多分イルカさんとボクは全然違うよ。だって、同じ水の外で生きてても、ミィと彼は全然違うでしょ?」
ミィは頭の中で飼い主を思い浮かべた。
「…確かに、全然違う…。」
ミィは納得すると、再びテレビに視線を向けた。
「それと同じだよ。それに…。」
「うわぁぁぁ、すごぉぉい!!」
ミィはプヨの話はそっちのけで、テレビに興奮していた。テレビの中では、イルカのショーの様子が流れていて、イルカ達が華麗なジャンプを決めていたのだ。
「ねぇ、プヨ!プヨもあれやってやって!」
「いや、だからさ…イルカさんはボクとは違うって。ミィ?」
ミィは、相変わらずプヨの話を聞かずに、リビングの隅に置いてあるオモチャ箱を漁った。
このオモチャ箱は、二匹の敵である飼い主の姪っ子が来た時用に、飼い主が用意しているものだ。
「あったぁ!」
ミィは、オモチャ箱から輪投げに使う輪っかを咥えて取り出すと、そのままプヨの金魚鉢のそばまで軽やかに移動した。
「んぁい。」
ミィ的には「はい。」と言っているつもりだが、輪っかを咥えているため、上手く発音出来なかった。
ミィは、輪っかを咥えたまま、前足を金魚鉢に掛けて首を伸ばし、輪っかを金魚鉢の真上にセットした。
プヨは意味が分からずポカンと口を開けたまま見上げていた。
「んふらぁ、ンヨがんのふっふぁをんんって!(だからぁ、プヨがこの輪っかをくぐって!)」
「…何言ってるか分からないけど、ボクに望んでることは何となく分かったよ。でも、ボクはあんなイルカさんみたいに、狙ってジャンプなんてできないからね!」
「ふぁって!!(やって!!)」
ミィが体勢がキツくなってきたのか、プルプルさせながら懇願した。ミィのプルプルは金魚鉢を通じて水中のプヨにも伝わっていた。
(このままじゃ金魚鉢倒されそうだ…。)
プヨは意を決して目を閉じたまま思いっきり水面を飛び出した。
「それぇぇぇぇぇ!!」
ポチャンッ。
プヨは見事輪っかをくぐって再び水中に戻った。
ミィは大興奮状態で目を丸くした。ミィはプルプルしながら何とか金魚鉢から下りると、輪っかを置いてジャンプを繰り返した。
「やった!やった!プヨもイルカだイルカだ!」
怖くて目を閉じてジャンプしたプヨは、ミィの様子で自分が成功したことに気が付いた。
「はぁ…はぁ…ボクにも出来たんだ。や、やったぁ!」
「うち興奮しちゃった!でも怖かったよね?ごめんね、プヨ。」
ミィは輪っかを再び咥えてオモチャ箱に戻そうと本棚から下りようとした。
「ちょっと待って!!」
プヨの声にミィは止まって振り返った。
「んーひぃふぁの?(どうしたの?)」
プヨはヒレで上を差してキメ顔で言った。
「もう一回やってやってもいいぜ。」
「もう大丈夫。あ、見て!あれペンギンだってさ!」
飽きっぽいミィは、輪っかを置いてテレビを観るためテーブルに移動していった。
「………イルカみたいだったろ、ボクも…、ねぇミィ…。」
プヨは虚しく独り言を呟いた。
今日はいつもなら昼寝している時間なのに、ミィはある番組に夢中になっていた。
「プヨ!すっごいねぇ、このイルカって!」
ミィが熱中していたのは、新設された水族館を紹介するバラエティー番組で、イルカのショーを特集しているところだった。
「イルカってさ、プヨと同じだよね?」
「同じ?」
「だから、水の中で生きる同じ生き物でしょ!」
プヨは首を傾げてテレビに映るイルカを見つめた。
「ねぇ、ミィ。多分イルカさんとボクは全然違うよ。だって、同じ水の外で生きてても、ミィと彼は全然違うでしょ?」
ミィは頭の中で飼い主を思い浮かべた。
「…確かに、全然違う…。」
ミィは納得すると、再びテレビに視線を向けた。
「それと同じだよ。それに…。」
「うわぁぁぁ、すごぉぉい!!」
ミィはプヨの話はそっちのけで、テレビに興奮していた。テレビの中では、イルカのショーの様子が流れていて、イルカ達が華麗なジャンプを決めていたのだ。
「ねぇ、プヨ!プヨもあれやってやって!」
「いや、だからさ…イルカさんはボクとは違うって。ミィ?」
ミィは、相変わらずプヨの話を聞かずに、リビングの隅に置いてあるオモチャ箱を漁った。
このオモチャ箱は、二匹の敵である飼い主の姪っ子が来た時用に、飼い主が用意しているものだ。
「あったぁ!」
ミィは、オモチャ箱から輪投げに使う輪っかを咥えて取り出すと、そのままプヨの金魚鉢のそばまで軽やかに移動した。
「んぁい。」
ミィ的には「はい。」と言っているつもりだが、輪っかを咥えているため、上手く発音出来なかった。
ミィは、輪っかを咥えたまま、前足を金魚鉢に掛けて首を伸ばし、輪っかを金魚鉢の真上にセットした。
プヨは意味が分からずポカンと口を開けたまま見上げていた。
「んふらぁ、ンヨがんのふっふぁをんんって!(だからぁ、プヨがこの輪っかをくぐって!)」
「…何言ってるか分からないけど、ボクに望んでることは何となく分かったよ。でも、ボクはあんなイルカさんみたいに、狙ってジャンプなんてできないからね!」
「ふぁって!!(やって!!)」
ミィが体勢がキツくなってきたのか、プルプルさせながら懇願した。ミィのプルプルは金魚鉢を通じて水中のプヨにも伝わっていた。
(このままじゃ金魚鉢倒されそうだ…。)
プヨは意を決して目を閉じたまま思いっきり水面を飛び出した。
「それぇぇぇぇぇ!!」
ポチャンッ。
プヨは見事輪っかをくぐって再び水中に戻った。
ミィは大興奮状態で目を丸くした。ミィはプルプルしながら何とか金魚鉢から下りると、輪っかを置いてジャンプを繰り返した。
「やった!やった!プヨもイルカだイルカだ!」
怖くて目を閉じてジャンプしたプヨは、ミィの様子で自分が成功したことに気が付いた。
「はぁ…はぁ…ボクにも出来たんだ。や、やったぁ!」
「うち興奮しちゃった!でも怖かったよね?ごめんね、プヨ。」
ミィは輪っかを再び咥えてオモチャ箱に戻そうと本棚から下りようとした。
「ちょっと待って!!」
プヨの声にミィは止まって振り返った。
「んーひぃふぁの?(どうしたの?)」
プヨはヒレで上を差してキメ顔で言った。
「もう一回やってやってもいいぜ。」
「もう大丈夫。あ、見て!あれペンギンだってさ!」
飽きっぽいミィは、輪っかを置いてテレビを観るためテーブルに移動していった。
「………イルカみたいだったろ、ボクも…、ねぇミィ…。」
プヨは虚しく独り言を呟いた。
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