綿パンを失くした

りんごちゃん

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 身体が変。おかしい。

「も、やらぁ……」
「やだ、じゃなくて気持ちいい、だよ」
「ひっ! ゃーっ!」

 ただひたすら乳首を弄られて、乳首が真っ赤に腫れ上がってるようにジクジクする。

「よりちゃんが気持ちいいって言うまで終わんないよ? 乳首、おっきくなっちゃってえっちな乳首になっちゃうねぇ」
「やだ、やだやだぁっ!」
「じゃあ早く素直になろ? 大丈夫大丈夫。誰も見てないから。よりちゃんがすげえ淫乱女っていうのは俺しか知らないよ」

 そっと耳元で囁くように御岳くんが呟く。
 もうやだ。本当にそれで終わるならもうそれでいい。
 乳首が変になるのいやだ。じんじんするのもやだ。

「きもち、いいから、もっ、やぁっ!」

 ボロボロと泣きながら、ぶんぶんと首を振って懇願する。
 もうお願いだからやめてよ。なんでこんなことされるのかわからない。
 わけがわからなくて、とにかく「もうやめて」と「きもちいい」の言葉を繰り返す。
 ゴクリと御岳くんが息を呑んだ。

「っ、あ~、すっごい唆るね。じゃあ、乳首やめてまんこ弄ってあげるね」
「まん……?」

 なにを言ってるのか理解が追いつかずに首を傾げる。
 もう終わりなはずでしょ?
 御岳くんの手が私の乳首から離れる。そしてその手は私の足首を掴んで、まるで赤ちゃんのオシメを変えるみたいにぐいっと私の股を開かせた。

「ゃ、やーっ! やだやだぁっ! そんなところ見ないでよぉっ!」
「大丈夫大丈夫。ぱっと見ちゃんと処理されてるみたいだし、恥ずかしいことはないから」

 水着をズラされて、目の前の男にジッとそこを観察される。
 じわじわと湧き上がるわけのわからない熱。いやだ、やだ。こんなのはいけないことなのに。

「あ、もしかして毛が生えてないタイプ? 処理したって感じじゃないよね」

 カッと頬に熱が溜まる。
 自分の身体があんまり成長してないことは私が一番知ってる。周りのみんなはあそこにちゃんと毛が生えて大人の身体になっていくのに、私は子供の頃のまま。
 恥ずかしくて、同性の友達にすら見せたことがないのに。

「うっ、うぅ~~っ!」

 恥ずかしさと悔しさと怒りが入り混じって涙に変わる。でも弱みを見せるのが嫌で、ギュッと歯を食いしばって声を出すのを堪える。

「あはは。よりちゃんすげえかわいい。まんこも俺のちんこが欲しいよ~って泣いてるよ」
「ひィやぁうっ!」

 私の女性器に御岳くんが指を入れてくる。
 頭の中を走る電流。なんでそんなところに指を挿れるの? そこは男の人の男性器を挿れる場所で、指なんて挿れるものじゃない。
 そう言いたいのに、私の口から出るのは不愉快な喃語みたいなもの。

「なんかそんな気持ち良さそうにされると、どうしようってなるね」
「あっ、ひぅっ! やぁっ!」
「聞こえてる? よりちゃん。これからもっと気持ち良くしてあげるからね~」
「は、んきゃ、っ~~~~!」

 指がなくなって、今度はなにか生暖かいものが入ってくる。その衝撃にハッと息が止まった。
 気持ち悪い。だけどなんか変。本当にもうやだ。自分の身体が自分の身体じゃないみたいで、どうしようもない。
 腰を動かして逃げようとするけど、腰を掴まれて固定される。

「んんぅ゛~~~~~~っ」

 見たくない。確認したくない。御岳くんが私の股の間でなにしてるかなんて、なにが私の女性器に触れてるかなんて。

 頭の中が真っ白になる。身体がビクビク痙攣して、息が荒れる。チカチカと頭の中で警報が鳴って、視界がぼやける。

「……あれ? やばい? 処女には快楽強過ぎたかな」

 やがて私の股の間から顔を上げた御岳くんがペチペチと私の頬を叩く。なにか言わなくちゃと思うけど、唇の端からよだれが流れて、ビクビクと身体を痙攣させることしかできない。

「ん~、あんまり反応がいいからやりすぎた。ベッドも愛液でベトベトになっちゃった」

 耳に入ってくる言葉も、意味が理解できない。
 なにがなんだかわからない。ただパンツを返して欲しかっただけなのに。お母さんが買ってきた子供みたいなひよこパンツ。誰にも見られたくないパンツ。

 なんで私はこんなことされてるの?

「………ぇ、し……」
「ん? なぁに?」
「かえ、して……」

 もう、なんでもいい。パンツを返して貰えればそれでいいよ。
 だから、私のパンツ返して。

 ボロボロと泣きながら、御岳くんを見つめる。ブレる視界。
 少しだけ唇の周りがキラキラしてる御岳くんは、私の様子を見つめてニタリと口角を上げた。

「かーわい」

 私の言葉なんて聴こえてないかのように、ニタニタと御岳くんが笑う。
 まるでイタズラが成功したチェシャ猫みたいないやらしい笑い方。

「俺、処女とか幼児体型とかタイプじゃなかったけど、よりちゃんはちょっとタイプかも。俺とセフレになろっか」

 せふれ……? よく、友達が言ってた男と女の仲?
 そんなの。
「ぜっ、たい、いや」
 こんな最低な男と関係なんて持ちたくない。もう視界に入れるのもイヤ。
 もうこの先一生関わりたくない。

「よりちゃんって頭いいのには馬鹿だよね」
「ぁっ、ゃ、あんっ!」
「よりちゃんの身体はこんなに俺に触られて気持ちよくなってるよ。それにさあ、」

「よりちゃんに拒否権とかないから」

 落ちてくる言葉に私は御岳くんを睨みつけたいけど、そんな余裕もなく御岳くんの指に翻弄される。
 みっともない声なんて出したくもないのに、私の口から出るのは甲高い声だけ。

「それに、その身体にちゃーんと忘れられない快感刻んであげる」

 ゾクゾクと身体になにかが走る。自分の身体が自分の身体じゃなくなったみたいにおかしい。

「もうトロトロ通り越してドロドロだから挿れるね。これだけ濡れてれば痛くはないと思うよ」
「ゃ、う、なに……?」

 御岳くんがなにかをごそごそと準備する。今から鼻歌で歌いそうなほど楽しそうな雰囲気を出す御岳くんに恐怖を感じる。
 なんで、こんなに泣いてる人の前でそんなに楽しそうな雰囲気を出せるの?
 頭がおかしい。

「じゃ、力抜いてね」
「ゃ、やぁーーっ! ──っ!」

 は、と息が止まる。ミシミシと私のナカを広げる圧迫感。自分の中にまるで大きな杭を打たれてるような感じ。
 息ができない。苦しい。死んじゃう。

「──ゃ、」

 たすけて。

「くっ、大丈夫、大丈夫だから、ほら、落ち着いて? よりちゃん、いい子だからね」
「ふぅ、やぁ、くるし、ぬいてよぉ……」
「あー、かわいっ」

 御岳くんの身体が私の身体を押さえ込んで、泣きながら首を振る私の頭を御岳くんがポンポンと撫でる。
 唇で私の頬をなぞったり、耳を喰んだりする。
 そうするとだんだんと圧迫感が薄れてきて、身体の力が抜けてきた。

「っ、やばっ、きっつ、すごいうねって俺のちんこ包んでくる……!」
「ふ、ぅう、も、やだよぉ……」
「処女だからやっぱりキツイけど、すごい具合いい……はぁ……やば……」

 もう逃げないと判断されたのか、しゅるりと私の手首を縛ってたリボンが外される。
 自由になった手で私は顔を覆って涙を流す。
 痛いし、なんか変だし、熱いし、ジンジンとなにか物足りない気もして、頭がおかしくなりそう。

「みたけく、も、たすけてぇ……」

 もうやめて、とか細い声で助けを求める。
 どうにかこの変な気分から抜け出したくて、助けてくれるなら誰でもよかった。そこに御岳くんがいたから、私は御岳くんに助けを求めた。

「~~~~っ! ごめん」
「──! ゃっ、あぁーっ!」

 御岳くんが謝った。そう思った途端に私の身体から杭がギリギリまで抜けて、すぐに私の奥に打たれる。
 お腹の奥を揺すぶられる。壊れちゃう。赤ちゃんの部屋が、子宮が壊れちゃう。

「ゃ、あっ、あかちゃ、こわれちゃ、やぁっ!」
「~~っ、なんでそんな、俺のこと煽ってくんの!」
「あっ、しんじゃ! たすけ、みたけく、ひぁんっ!」

 御岳くんの腰の動きに合わせて私の身体が揺さぶられる。
 もうこれがなんのための行為なのかわかってる。なんで、こんなことするんだろう。私は好きな人のためにはじめては取っておきたかったのに。
 子宮を突かれるたびに頭がチカチカとどこか遠くへ行っちゃいそう。身体の中を突き抜ける沸騰しそうな熱さを受け入れ始めてるのがわかる。

 腰を動かすたびにはっ、と御岳くんの息が近付いて聴こえて、たったそれだけのことなのにきゅうきゅうと女性器が御岳くんのそれを締め付ける。

「やっ、あぅ、あっあっ、きちゃっ、あぁっ!」
「っ、イくの?」
「ぁ、あぅ……?」

 御岳くんの腰の動きが突然止まる。
 あと少しで、ふわふわした気分になれたのに。もどかしい。
 なんで止まるの? 潤んだ瞳で御岳くんを見上げた。

「イきたいなら、俺の名前呼んで、ちゃんと気持ちいいって言って? よりちゃんはいい子だからできるでしょ?」
「やぁ……」
「じゃあ、お預けだね。このままよりちゃんがイキそうになるたびに、子宮コンコンやめちゃう。ずーっともどかしいまんまだよ?」

 ひっく、ひっくと嗚咽が溢れる。それでも御岳くんは動かない。
 恥ずかしいのに、私の身体はもっともっと、ってもどかしさに震えてる。
 私が泣いてると、御岳くんはゆるゆると腰を動かし始めた。
 だけど全然足りない。さっきよりも優しい動きが、物足りない。
 それでもすぐには御岳くんの言葉通りにできるはずがなくて、御岳くんのゆったりとした腰の動きに小さく声をあげる。
 限界はすぐにきた。
 もどかしくて、身体の熱が治らなくて、私は御岳くんの太ももに手を伸ばす。

「ぁ……、やっ、ま、ひろぉ……」
「なぁに、依」

 にっこりと極上の笑みを浮かべる御岳くんに私の身体が震える。

「……ぃ、……の」
「なに? 聴こえない」
「きもち、いいの……だから、も、~~~~っ!」

 グンッと勢いよく御岳くんがお腹の奥を突き上げた。
 ぶわっと頭の中が白く染まる。なにも考えられない。ただひたすらに身体全身が熱くなる。

「は、余裕なくてごめんね。気持ちよすぎて俺も限界」

 御岳くんがなにか言ってたけど、それすら聴こえずに私は御岳くんに貫かれながらその衝動に酔っていた。
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