めがさめたら、田舎にいた。

ミックスサンド

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黒いコップと秘密①

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ピンポーン…


鈍いチャイムの音が鳴る。
今現在、私は白い箱を両手に抱え、黒屋敷の扉の前に立っていた。

チャイムが鳴らし数分、扉が開き、中から黒い長袖の上着に白いズボン姿の黒崎さんが出てきた。

「やぁ、結子くんか。」


今日もお美しい…。
黒崎さんの艷やかな黒髪と、私の天パもどきのばさばさな髪とを勝手に比べて会って1秒で落ち込んだ。 

「こんにちは………黒崎さん…」

「何故急に落ち込むんだ。」



私はこの前と同じ黒いテーブルに、持ってきた白い箱を置いて座った。

「紅茶と珈琲、どちらが君好みかな?」
「えっと、その前に渡したい物があるんです」


私は白い箱の蓋をあけた。
中には丁寧に包装された黒色のプラスチックのコップが2個、入っている。
通販で頼み、 先日林さんが持ってきてくれたのだ。

「おや、これは…」

「はい!プレゼントです。
これなら落ちても絶対割れませんから!!」


ドヤァ!という効果音がつきそうな顔で、黒いカップを顔横に掲げる。
黒崎さんはノリ良く、「おお!」といってパチパチ拍手してくれた。


「嬉しいね。ちょっと待っててくれ、弟がくれたお菓子を持ってくるよ。」

(黒崎さんの弟さん、お菓子屋さんか何かなのかな…)


黒いテーブルに、熱い湯気が出る紅茶と
青色の背景に「Cookie」と黄金色でかかれた高級そうな箱が置かれた。

中にはバニラとチョコのクッキーが半々で入れてある。
私はバニラクッキーに手を伸ばし、口内で噛み砕く。
(おいしい…!)
お菓子屋にも当たり外れはあるのに、こうも美味しいお菓子ばかり送ってくる弟さんはきっとかなりグルメか、姉思いなのだろう。
いつか会って話をしてみたいものだ。



「悩みがある顔だ。」

突然、紅茶を飲んでいた黒崎さんは 私の顔を指差した。

「え?」

「話してご覧。
思考を脳に留まらせると、淀みができる。
一度外に出してしまった方が思考は捗る。

それに生憎、私は話し相手もいないし、秘密を話すにはうってつけの人物であると思わないかい?」


黒崎さんは私を見て微笑む。
黒崎さんの微笑みには、人に秘密を打ち明けさせる効果でもあるのだろうか。

私は、私の顔をぐにゃりと水面に写す紅茶のカップを両手で持ち、見つめる。

自然と口が動いた。

「…あの、 
凄く突拍子も無いお話なんですがー…」



そして私は、私が『倉田さち』である事を語った。





   
           ✴




          


          


        




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