6 / 13
1章
6※
しおりを挟む
藤咲綾人の言葉を理解する間もなく、口の中に親指を突っ込まれた。無理やりこじ開けられた口内に藤咲綾人の舌が入り込んでくる。
「ちょっ、ま、……!」
ぬるりとした舌が俺のそれに絡まると、さっきまで飲んでいたハイボールの苦みが口いっぱいに広がった。左右に顔をずらし、避けようとしても、しっかりと抑えられているせいで動かすことはできない。舌を嚙み切ろうにも、親指が邪魔をしてそれも叶わなかった。
もちろん両手で押しやってもその身体が動くとこはなく、せめてもの抵抗をとしたから睨み上げると、切れ長の目が愉快そうに細められた。それと同時に藤咲綾人の膝が、俺の股間にぐりぐりと刺激を与え始める。
「何して、んっ、……ゃめろって、ば、」
強さや角度を変えながら刺激を与えられれば、緩く勃ち始めた。こんな雑なやり方に反応してしまう自分が悔しくて、両足の間に滑り込ませている藤咲綾人の身体を横から足で何度もたたく。
その間も刺激が緩まることはなく、次第に頭が霧が広がっていった。一度、ぼやけてしまった思考を持ち直すような余裕などあるはずもなく、抵抗することを忘れた体から力が抜け落ちていく。気が付けば、入り込んだ異物を必死に押し返していたはずの舌も自ら絡ませていた。
「んっ、ふぅ……、んんぅ」
膝から与えられる刺激は弱くてイクことができず、じらされているようなその感覚に無意識に腰を押し付ける。その様子に気付いた藤咲綾人の目がゆるりと弧を描いた。
「はっ。キスしただけでとろとろじゃねぇか」
「うるさ、」
帰らないと。そうしないと、このままでは昨日の二の舞だ。
こちらを見下ろす藤咲綾人の肩を押し、息を整えながら「かえる」と小さく呟いて体を起こすと、再び膝を押し付けられた。
「この状態で?」
「かえる」
「ヌいてやろうか?」
頬を挟まれ、逸らした顔を無理やり合わせられる。
帰らなきゃダメなのに中途半端に刺激を与えられ疼く身体がそれを拒否してしまい、下半身をなぞる指に期待して息が上がった。
「か、えるって、言ってるだろ!」
「腰揺らしてる奴が何言ってんだよ」
「揺らしてない……!」
骨ばった指が足の付け根をゆっくり撫で上げる。その指が掠めるたびに、体がピクリと跳ねあがる。口の端から零れ落ちそうな息を奥歯を食いしばって必死に食い止めた。
腕を掴んで動きを止めようとすると指先だけで撫でられて、堪らず指を握る。すると、頬を挟んでいた手が下半身へと伸び、そのままズボンを下ろされた。
「っ、ねぇ、何してんのっ!」
慌てて両手でズボンを掴んだ。太ももの半ばあたりで止まった服を引き上げようとすれば、その隙にパンツを下ろされる。
「やだ、なぁやめろってば……!」
「暴れんな」
「やだやだ、離して! 触ん、っ……!」
先端を触られ、全身に力が入った。先からにじみ出ていた汁をまとわせた指先で頭をするすると弧を描くように撫でられる。太ももをぞくぞくとした快感が駆け上がり、口端から短い息があふれ出た。
直接的な刺激から少しでも腰を逃がそうと、前傾になれば、頭を肩口に押し付けられた。
「これ、いいんだろ。昨日もこれが一番好きって言ってたもんな」
「す、きじゃない、……んっ、は、」
「の割には固くなってきてるけど」
きゅっ、と握られ声が漏れる。上下にこすられはじめると、溜まっていた快感が射精感に代わり、息を詰まらせた。肩におでこを押し付け、荒い息を溢しながら、必死に快感を逃がす。押さえつけていたはずの藤咲綾人の手は、いつの間にか、あやす様に頭を撫でていた。その優しい手つきも相まって、じわじわと迫りくる快楽に、藤咲綾人の肩にしがみついた。
「まって、出る、出るからっ、」
「そのまま出せ」
制止の声は届かずに、扱く手が速さを増し、射精感がこみ上げる。
「ん、あ、やだぁっ、んっ……っ!」
びくりと体を震わせるのと同時に、藤咲綾人の手の中で数度に分けて精液が飛び出した。体の力が抜け落ちて、鍛えられた体にもたれかかる。
「あーあ、手汚れたんだけど」
「そっちが、やったんだろ」
肩で息をしながら睨み上げた。話すのもやっとな俺とは対照的に、余裕そうにこちらを見下ろしている。
長い腕でティッシュを引き寄せた藤咲綾人は、汚れた手をふき取ったかと思えば、その手を腰に回してきた。そのまま立ち上がり、肩に担ぎあげられる。
「え、何、ちょっと!」
「床でヤりたくねぇだろ」
「はぁ!? 俺はシない、わっ!」
乱雑にベッドに投げ捨てられ、俺が身体を起こす前に、中途半端に脱げていた服とパンツを抜き取られた。その服をベッドの下に放り出す。
「おい、人の服投げんなよ!」
俺の文句をどこ吹く風で聞き流し自らの服も脱ぎ捨てた藤咲綾人を睨みつつ、服を拾おうと体を起こすと、うつぶせに押し付けられた。潰れたかえるのような声が出す俺に、悪びれもせず「色気ねぇな」と吐き捨てたその男は、ベッドボードの引き出しからボトルを取り出した。その見たことのある形状に喉から情けない声が漏れた。
「待って、本当にするの? 俺、男とヤる趣味ないんだけど!」
「昨日、散々ヤッただろ。何今さら怖気づいてんだよ」
「だから覚えてない!」
お尻だけを高く上げられた格好の俺のお尻に粘性のある液体が垂らされた。それを塗り広げるようにお尻をもみ込まれる。その指が穴の近くを掠めるたびに、ピクリと体が跳ねた。
何も感じないはずの場所で反応する自分が信じられず、混乱する頭の中で、必死に藤咲綾人の手を掴んだ。
「さ、触んな!」
「あぁ、突っ込まれる方が好きだもんな」
ずぶり、と指を入れられた。体内に異物が侵入した違和感に首の後ろが粟立つ。指の節が入り込むと、お腹の下にざわざわとした何かが走った。
「な、抜いて……! なんかいやだっ、」
「イイの間違いだろ」
「ちがっ……ぅっ」
孔を広げるようにぐるり、と指が回される。内壁がこすられると、下腹部を走っていた何かを快感として身体が拾い始めた。前をいじるときとは違い、内側からせりあがるような感覚に鼻にかかった声が漏れる。藤咲綾人の指は止まることなく、本数を増やし奥へ奥へと進んでいく。その指が縁や壁が擦り上げるだけで、腰がビクビクと跳ねた。
「ねぇ、それやめてっ、」
「素直に気持ちいいって認めたら辞めてやるよ」
「気持ちよくなんて、ないからぁ、」
「へぇ」と小さく呟いた藤咲綾人が、奥深くまで差し込んでいた指を引き抜いた。ずるずると内壁を這うその感覚に背筋に快感が駆け上がる。
「んぁぁあっ!」
自分の口からでた甲高い声に目を白黒させていると、入り口付近まで引き抜かれた指がお腹側にあるしこりをぐりっと押し込んだ。その瞬間、これまでとは比べ物にならない程の快感に全身を襲われる。
「あぁっ……! っひ、ゃだやだ、ぁっ……! それ、やめっ、ろ、……あぁんっ」
だんだんと声の糖度が上がってく。絶え間なく与え続けられる刺激に、堪らず目の前の枕を両手で抱え込んだ。その程度では快楽がなくなるどころか、緩和されることはない。むしろ、身じろぎをした俺を逃がさないとばかりに腰を掴み、その1点をこすり上げるものだから逃げることすらできず、さらなる快感に包まれる。
「おねがっ、それ、ゃあっ……んぅっ、ぁ、……やだぁっ」
「やっぱ、お前才能あるよ」
「んぁ、ぁ、ぇ、……はぁ、んっ、さいの、ー……?」
「そ。ネコのさいのー」
すでに何も考えることができないまでに蕩けた頭では、その言葉の意味を推し量ることすらできなかった。ただ与えられる快感に意識を持っていかれないように必死で枕を抱きしめる腕に力を込める。
だらしなく口を開けたまま、よだれも喘ぎ声も垂れ流す俺の中に、また指が増やされた。骨ばった指の関節が肉壁を擦りながら奥に侵入する。その間もしこりを弄る手は緩められず、溶けた中のいたるところに刺激が与えられる。
奥に押し込まれた指が引き抜かれるのに呼応するように、お腹の底に溜まった快感が引きずり出された。一度、こちらに歩み寄ってきた快楽は引くことを知らず、その距離を縮めてくる。
「まって、なんかぁ、……んはぁっ、なんか、へんっ……っ」
じわじわと迫りくる快楽は、普段出すときとはまるで違う。全身から何かを引きずり出されるような感覚に、がたがたと身体が震え出した。
「イきそうか?」
「まって、ほんとに、だめっ、……んっあっ、ゆびとめてっ……!」
「寸止めがいいわけ?」
「ちがっ、んぁっ、まって!やばぃ、っ……あっ、あっ、やぁぁああっ!」
お腹の中で何かがはじけ飛んだ。目の前がちかちかと点滅し、白いシーツがカラフルに染まる。力が抜け落ち、今にもぐしゃりとシーツに伏してしまいそうな俺の身体は、お腹に回された鍛えられた腕に支えられていた。
その腕に視線を移した時、中をいじられて勃ちあがっていたものが、変わらず硬さを保っていることに気付いた。使いものにならない頭の片隅で、さっきのはイったわけではなかったのかと考える。じゃあ、身体の奥底からこみ上げるような、あの感覚は何だったのだろう。
「意地張ってたわりに盛大にイったな」
「、いってない」
「イったんだよ、ケツで」
カチャカチャと金属音を鳴らしながら、そう言う藤咲綾人に、形になっていない声で聴き返した。
「前立腺。聞いたことねぇの?」
「ぜんりつせ……」
聞いたことがあるような、ないような。どちらにしろ、今の俺では記憶の中からその知識を探し出すことはできない。そんなことよりも、白くぼやけた思考の中で、後ろから聞こえるこの音は何の音だったかと考えた。いつも聞いている気がする、正体をあと少しで掴めそうになると、その音は聞こえなくなり、代わりにビニールが擦れるような音が届いた。すると、後孔に熱く硬いものが押し当てられ、それが何かを考える暇もなく、お尻の肉をかき分けて押し入ってきた。
「ちょっ、ま、……!」
ぬるりとした舌が俺のそれに絡まると、さっきまで飲んでいたハイボールの苦みが口いっぱいに広がった。左右に顔をずらし、避けようとしても、しっかりと抑えられているせいで動かすことはできない。舌を嚙み切ろうにも、親指が邪魔をしてそれも叶わなかった。
もちろん両手で押しやってもその身体が動くとこはなく、せめてもの抵抗をとしたから睨み上げると、切れ長の目が愉快そうに細められた。それと同時に藤咲綾人の膝が、俺の股間にぐりぐりと刺激を与え始める。
「何して、んっ、……ゃめろって、ば、」
強さや角度を変えながら刺激を与えられれば、緩く勃ち始めた。こんな雑なやり方に反応してしまう自分が悔しくて、両足の間に滑り込ませている藤咲綾人の身体を横から足で何度もたたく。
その間も刺激が緩まることはなく、次第に頭が霧が広がっていった。一度、ぼやけてしまった思考を持ち直すような余裕などあるはずもなく、抵抗することを忘れた体から力が抜け落ちていく。気が付けば、入り込んだ異物を必死に押し返していたはずの舌も自ら絡ませていた。
「んっ、ふぅ……、んんぅ」
膝から与えられる刺激は弱くてイクことができず、じらされているようなその感覚に無意識に腰を押し付ける。その様子に気付いた藤咲綾人の目がゆるりと弧を描いた。
「はっ。キスしただけでとろとろじゃねぇか」
「うるさ、」
帰らないと。そうしないと、このままでは昨日の二の舞だ。
こちらを見下ろす藤咲綾人の肩を押し、息を整えながら「かえる」と小さく呟いて体を起こすと、再び膝を押し付けられた。
「この状態で?」
「かえる」
「ヌいてやろうか?」
頬を挟まれ、逸らした顔を無理やり合わせられる。
帰らなきゃダメなのに中途半端に刺激を与えられ疼く身体がそれを拒否してしまい、下半身をなぞる指に期待して息が上がった。
「か、えるって、言ってるだろ!」
「腰揺らしてる奴が何言ってんだよ」
「揺らしてない……!」
骨ばった指が足の付け根をゆっくり撫で上げる。その指が掠めるたびに、体がピクリと跳ねあがる。口の端から零れ落ちそうな息を奥歯を食いしばって必死に食い止めた。
腕を掴んで動きを止めようとすると指先だけで撫でられて、堪らず指を握る。すると、頬を挟んでいた手が下半身へと伸び、そのままズボンを下ろされた。
「っ、ねぇ、何してんのっ!」
慌てて両手でズボンを掴んだ。太ももの半ばあたりで止まった服を引き上げようとすれば、その隙にパンツを下ろされる。
「やだ、なぁやめろってば……!」
「暴れんな」
「やだやだ、離して! 触ん、っ……!」
先端を触られ、全身に力が入った。先からにじみ出ていた汁をまとわせた指先で頭をするすると弧を描くように撫でられる。太ももをぞくぞくとした快感が駆け上がり、口端から短い息があふれ出た。
直接的な刺激から少しでも腰を逃がそうと、前傾になれば、頭を肩口に押し付けられた。
「これ、いいんだろ。昨日もこれが一番好きって言ってたもんな」
「す、きじゃない、……んっ、は、」
「の割には固くなってきてるけど」
きゅっ、と握られ声が漏れる。上下にこすられはじめると、溜まっていた快感が射精感に代わり、息を詰まらせた。肩におでこを押し付け、荒い息を溢しながら、必死に快感を逃がす。押さえつけていたはずの藤咲綾人の手は、いつの間にか、あやす様に頭を撫でていた。その優しい手つきも相まって、じわじわと迫りくる快楽に、藤咲綾人の肩にしがみついた。
「まって、出る、出るからっ、」
「そのまま出せ」
制止の声は届かずに、扱く手が速さを増し、射精感がこみ上げる。
「ん、あ、やだぁっ、んっ……っ!」
びくりと体を震わせるのと同時に、藤咲綾人の手の中で数度に分けて精液が飛び出した。体の力が抜け落ちて、鍛えられた体にもたれかかる。
「あーあ、手汚れたんだけど」
「そっちが、やったんだろ」
肩で息をしながら睨み上げた。話すのもやっとな俺とは対照的に、余裕そうにこちらを見下ろしている。
長い腕でティッシュを引き寄せた藤咲綾人は、汚れた手をふき取ったかと思えば、その手を腰に回してきた。そのまま立ち上がり、肩に担ぎあげられる。
「え、何、ちょっと!」
「床でヤりたくねぇだろ」
「はぁ!? 俺はシない、わっ!」
乱雑にベッドに投げ捨てられ、俺が身体を起こす前に、中途半端に脱げていた服とパンツを抜き取られた。その服をベッドの下に放り出す。
「おい、人の服投げんなよ!」
俺の文句をどこ吹く風で聞き流し自らの服も脱ぎ捨てた藤咲綾人を睨みつつ、服を拾おうと体を起こすと、うつぶせに押し付けられた。潰れたかえるのような声が出す俺に、悪びれもせず「色気ねぇな」と吐き捨てたその男は、ベッドボードの引き出しからボトルを取り出した。その見たことのある形状に喉から情けない声が漏れた。
「待って、本当にするの? 俺、男とヤる趣味ないんだけど!」
「昨日、散々ヤッただろ。何今さら怖気づいてんだよ」
「だから覚えてない!」
お尻だけを高く上げられた格好の俺のお尻に粘性のある液体が垂らされた。それを塗り広げるようにお尻をもみ込まれる。その指が穴の近くを掠めるたびに、ピクリと体が跳ねた。
何も感じないはずの場所で反応する自分が信じられず、混乱する頭の中で、必死に藤咲綾人の手を掴んだ。
「さ、触んな!」
「あぁ、突っ込まれる方が好きだもんな」
ずぶり、と指を入れられた。体内に異物が侵入した違和感に首の後ろが粟立つ。指の節が入り込むと、お腹の下にざわざわとした何かが走った。
「な、抜いて……! なんかいやだっ、」
「イイの間違いだろ」
「ちがっ……ぅっ」
孔を広げるようにぐるり、と指が回される。内壁がこすられると、下腹部を走っていた何かを快感として身体が拾い始めた。前をいじるときとは違い、内側からせりあがるような感覚に鼻にかかった声が漏れる。藤咲綾人の指は止まることなく、本数を増やし奥へ奥へと進んでいく。その指が縁や壁が擦り上げるだけで、腰がビクビクと跳ねた。
「ねぇ、それやめてっ、」
「素直に気持ちいいって認めたら辞めてやるよ」
「気持ちよくなんて、ないからぁ、」
「へぇ」と小さく呟いた藤咲綾人が、奥深くまで差し込んでいた指を引き抜いた。ずるずると内壁を這うその感覚に背筋に快感が駆け上がる。
「んぁぁあっ!」
自分の口からでた甲高い声に目を白黒させていると、入り口付近まで引き抜かれた指がお腹側にあるしこりをぐりっと押し込んだ。その瞬間、これまでとは比べ物にならない程の快感に全身を襲われる。
「あぁっ……! っひ、ゃだやだ、ぁっ……! それ、やめっ、ろ、……あぁんっ」
だんだんと声の糖度が上がってく。絶え間なく与え続けられる刺激に、堪らず目の前の枕を両手で抱え込んだ。その程度では快楽がなくなるどころか、緩和されることはない。むしろ、身じろぎをした俺を逃がさないとばかりに腰を掴み、その1点をこすり上げるものだから逃げることすらできず、さらなる快感に包まれる。
「おねがっ、それ、ゃあっ……んぅっ、ぁ、……やだぁっ」
「やっぱ、お前才能あるよ」
「んぁ、ぁ、ぇ、……はぁ、んっ、さいの、ー……?」
「そ。ネコのさいのー」
すでに何も考えることができないまでに蕩けた頭では、その言葉の意味を推し量ることすらできなかった。ただ与えられる快感に意識を持っていかれないように必死で枕を抱きしめる腕に力を込める。
だらしなく口を開けたまま、よだれも喘ぎ声も垂れ流す俺の中に、また指が増やされた。骨ばった指の関節が肉壁を擦りながら奥に侵入する。その間もしこりを弄る手は緩められず、溶けた中のいたるところに刺激が与えられる。
奥に押し込まれた指が引き抜かれるのに呼応するように、お腹の底に溜まった快感が引きずり出された。一度、こちらに歩み寄ってきた快楽は引くことを知らず、その距離を縮めてくる。
「まって、なんかぁ、……んはぁっ、なんか、へんっ……っ」
じわじわと迫りくる快楽は、普段出すときとはまるで違う。全身から何かを引きずり出されるような感覚に、がたがたと身体が震え出した。
「イきそうか?」
「まって、ほんとに、だめっ、……んっあっ、ゆびとめてっ……!」
「寸止めがいいわけ?」
「ちがっ、んぁっ、まって!やばぃ、っ……あっ、あっ、やぁぁああっ!」
お腹の中で何かがはじけ飛んだ。目の前がちかちかと点滅し、白いシーツがカラフルに染まる。力が抜け落ち、今にもぐしゃりとシーツに伏してしまいそうな俺の身体は、お腹に回された鍛えられた腕に支えられていた。
その腕に視線を移した時、中をいじられて勃ちあがっていたものが、変わらず硬さを保っていることに気付いた。使いものにならない頭の片隅で、さっきのはイったわけではなかったのかと考える。じゃあ、身体の奥底からこみ上げるような、あの感覚は何だったのだろう。
「意地張ってたわりに盛大にイったな」
「、いってない」
「イったんだよ、ケツで」
カチャカチャと金属音を鳴らしながら、そう言う藤咲綾人に、形になっていない声で聴き返した。
「前立腺。聞いたことねぇの?」
「ぜんりつせ……」
聞いたことがあるような、ないような。どちらにしろ、今の俺では記憶の中からその知識を探し出すことはできない。そんなことよりも、白くぼやけた思考の中で、後ろから聞こえるこの音は何の音だったかと考えた。いつも聞いている気がする、正体をあと少しで掴めそうになると、その音は聞こえなくなり、代わりにビニールが擦れるような音が届いた。すると、後孔に熱く硬いものが押し当てられ、それが何かを考える暇もなく、お尻の肉をかき分けて押し入ってきた。
17
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
おすすめのマッサージ屋を紹介したら後輩の様子がおかしい件
ひきこ
BL
名ばかり管理職で疲労困憊の山口は、偶然見つけたマッサージ店で、長年諦めていたどうやっても改善しない体調不良が改善した。
せっかくなので後輩を連れて行ったらどうやら様子がおかしくて、もう行くなって言ってくる。
クールだったはずがいつのまにか世話焼いてしまう年下敬語後輩Dom ×
(自分が世話を焼いてるつもりの)脳筋系天然先輩Sub がわちゃわちゃする話。
『加減を知らない初心者Domがグイグイ懐いてくる』と同じ世界で地続きのお話です。
(全く別の話なのでどちらも単体で読んでいただけます)
https://www.alphapolis.co.jp/novel/21582922/922916390
サブタイトルに◆がついているものは後輩視点です。
同人誌版と同じ表紙に差し替えました。
表紙イラスト:浴槽つぼカルビ様(X@shabuuma11 )ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる