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彼の温度と私の温度
しおりを挟む私は決して潔癖症な訳ではなく、大雑把な性格なので行為の前に彼がシャワーを浴びていなくても気にならない。
というかむしろ身体の匂いは残している方が好きで興奮する。
だけど自分に関しては別物で、直前でも下は綺麗に洗わないと恥ずかしいし触られるのですら気になって集中出来ない。
それなのに、シャワーを浴びるという行為はまるで堂々とこれから抱かれますよと宣言しているようで、お互いにその気の無い素振りで入室した2人には浴室へ向かう流れなどあるはずもなかった。
彼に火を着けてしまったのは私で、この流れで彼も私も頭が熱くなっている途中なのに今更シャワーで流してくるねと言える筈もなく、ショーツを脱がされているその時も抵抗をする理由も無いままその身を預けた。
ビリビリとした電流が彼の舌に流れているように、彼の濡れた舌が私の敏感な部分をなぞる度に
恥ずかしいぐらい感じて体がよがり、弱々しい女の吐息が私の喉の奥から漏れていた。
さっきまで彼の震える身体を舐め回しこれ以上に無い興奮で熱くなった私の神経の隅々。
三児を産んだ39歳の太腿に刻まれた細かい妊娠線、何度も大きく膨らんでは縮んだお腹は痩せていても年数と重力を受け、否応なしに弛みを隠さなかった。
その太腿に埋もれるようにして、二十二才の汚れの無い男子の顔がそこで私の熱を味わう姿を見るだけでたまらなく感じてしまっていた。
汚れたものを舐めさせているような罪悪感と、若さを支配しているような優越感とが頭の中で葛藤して、しかしその無駄な胸臆をも溶かすように彼が動かす舌に弄ばれていた。
いま、私の身体がどのくらい濡れているのか自分には分からない。
けれどそれは次の瞬間にすぐ思い知らされる事になる。
愛撫する彼の舌に紛れて
彼の長く綺麗な指がずずっ…と優しく第2関節まで入ってきた時に自分の中が熱く柔らかく、そしてだらしなく濡らしている事が分かった。
美しい彼の身体と
幼い顔が私の体に半分埋もれた姿を見るだけで、異常な程に興奮してしまい
彼の動かす舌と何度も優しく挿入してくる二本の指が私の身体中の眠った全神経を起こしてくるように痺れさせてきた。
狼を前にしてビクビクと震える羊のような私の体、
嘘みたいに感じている…
これが22歳のテクニックなの…?
こんな事されたら
誰だって…
そう考えながら彼の姿を見てはあまりの快感にシーツをギュウっと握り締めて恥ずかしげもなく声を張り上げてそのまま私は快楽の絶頂へとあっという間に堕ちてしまった。
真っ白になった脳内に酸素を取り込もうと荒くなった息をゆっくりと整えながら、彼の体に顔を近付けてもう1度彼にキスをした。
嬉しそうに微笑む彼の頭を優しく撫でてあげると目を瞑り私の撫でる手の感触を味わっているようだった。
そう、彼はまるで仔犬のようだ。
主人に従順で、愛を貰える事を何よりもご褒美に感じその為に尽くす事は苦にもならずずっと後を着いてくるような。
頭を撫でる手を耳から首筋へ、そして鎖骨を流れて胸へと
スケートのリンクをゆっくりと美しく滑るかのように二本の指でなぞっていった。
あぁっ、
と何度も跳ねるように感じる彼の身体を不思議に思った。
格闘技で常に相手の攻撃に対して些細な動きにも反応出来るように神経を研ぎ澄ませているからだろうか、
彼は身体のどこを触っても水揚げしたばかりの鮮魚の様にビクビクと跳ねてはよがって声を漏らした。処女のような、という例えを付けたいけれど私だって処女の時でもそれ以外でも、こんなに反応した事は無い。
彼をベッドに寝かせて上からゆっくりと舐めていくのに、どこを通っても跳ねるように反応するのが面白くて、虐めているような感覚が私にはたまらなかった。
脇腹まで舌を這わせていくと彼はもはや我慢の限界なのか枕を顔に押し当てて悲鳴にも近い声を必死に抑えようとよがっていた。
私はこんなにも感じてしまう男性が初めてで、それなりにAVも色々と観てはいるけれど女優ですらここまで感じているのを見たことが無い。
それがあまりに愛しくて自分が男性側になってしまったような錯覚を覚える。
彼の腰を包む最後の1枚の布のなかで息苦しそうに呼吸をしているそれが時折ピクリと反応して、外側から見ても分かるほど布の一部を湿らせていた。
それを布の上からチュウチュウと吸うと彼は
あぁっ…と少し声を漏らしながら自分が受けている状況を把握する為に私が舐めまわしている所を少し頭を起こして眺めていた。
窮屈そうになった檻から出して欲しそうに、既に目を覚ました獣を解放すべくスルスルと腰から太腿へと下げていくと彼の美しく生命力溢れる肉腕が姿を現した。
私は優しく手の平でそれを包み込みゆっくりと舌だけを使って這わせていった。彼もシャワーを浴びていないし、ましてさっきまでバイトをしていたはずなのに、何て爽やかなんだろう。
沢山の唾液を出して指と唇で彼の肉腕を沢山濡らしてから彼を愛撫した。
私は彼を握ったまま仰向けに寝ていた彼の腰の上を跨いで彼を見下ろしてから微笑み、彼に重なるように腰を降ろして彼の血潮が流れる肉腕を自分の中へと導いた。
次へ続く→【初めての感覚】
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