鳥籠姫は夢を見る

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第二章

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    目の前に現れた精霊は人の形をしていた。

    「あなた…お名前は?」

    『お前、名前を聞くときはまず自分からだ。』

     そう言ってまた私の鼻をぷにっとつまむ。

    「ちょ、ちょっと。私の名前はエルフィリア。このグレンドールの王女よ。これでいい?」

    『エルフィリアか。俺はサニー。名前がなかったから、ノエリアがつけたんだ。』

    サニーはふわふわ綿毛のような金色の髪で手の平にちょこんと乗れるサイズの身体をしていた。

    『お前、珍しいな。普通俺達の声は人間には聞こえない。ノエリアは特別。』

    「そうなの!?」

    従者の方に本当か聞くと、“そうだ”と肯定するように頷いた。

    「ねぇ、一体ノエリア様に何があったのかあなたは知っている?」

    サニーは私の目をじっと見つめて何かを探っているようだ。しばらくそのままでいたが、やがてサニーは口を開いた。

    『ノエリアの娘は喰われたんだ。』

    「喰われた?」

    そう言えばさっき従者の方は王女様が殺された事に対し“おそらく”という言葉を使っていた。

    「すみません。何故王女様が殺された事が“おそらく”なのですか?」

    そう聞くと従者の彼は答えた。

    「…遺体に何の外傷も無かったのです。まるで命だけを奪われたかのように。」

    命だけ奪われた…?
    どういう事なの?

    『ノエリアの娘はお前と似てた。』

    「私と?」

    『大きな力。人に与える大きな力を持っていた。だから喰われたんだ。』

    まさか…それでは王女様は力を欲した者に狙われて力を…その命を喰われたと?

    「ノエリア様はどうしてこんな状態に?」

    『ノエリアも喰われそうだった。だから自分を守るために一気に力を爆発させたんだ。』

    「なるほど…それでこんな状態になってしまったのね。」

    それならもしかしたら私の力で何とか出来るかもしれない。とてもとても大量の力がいるだろうが。

    「わかったわ。しばらくかかるかもしれないけれど、頑張ってみる。」

    私の言葉にサニーも従者の方も嬉しそうに笑った。

    『そうだお前、その匂い気を付けろ。危ない。』

    「匂い?そう言えばさっきも言ってたわね。私の匂いがどうして危ないの?」

    『違う。お前の匂いじゃない。もう一つの匂い。』

    もう一つの匂い……?
    急に胸がぎゅーっとなる。
    私の身体からするもう一つの匂い。それはきっとアンリ様の匂いだ。
    でも何で?何でアンリ様の匂いが危ないの?

    『その匂いとても危険。の大好きな匂い。見付かれば逃げられない。』

    「あいつら…?あいつらって誰なの?教えてサニー。サニー!?」

    その瞬間サニーは扉の方を向き顔色を変えた。
    そして何も言わずいきなり姿を消した。
    それと同時に少し乱暴に扉が開かれる。

    「よお。お姫さん。俺にも治療してくれよ。」

    そこには黒髪の男。ギャレットが立っていた。


    


 
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