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「皆よく集まってくれた。今宵は良い知らせがある。既に知っている者もいるかと思うが、この度我が国は新しい未来への第一歩として、研究所を創設する運びとなった」
国王の第一声に、会場には、色んな思惑を含んだざわめきが広がった。
「そして、その研究所へ是非とも貢献したいと申し出てくれた家門が多数あった。国の行く末を考える者たちの熱い言葉に、私も胸を打たれたよ」
「……そりゃ莫大な金が絡む一大事業ですからね。熱くもなるでしょう」
クレイグがボソッと呟いた。
父王とてその言葉を真に受けた訳ではないのだろうが、国庫の目減りをなるべく防ぐためには貴族たちからの資金提供が欠かせない。
なのでこれはいわゆるリップサービスと、あくまで国のために、無償で、自ら資金提供を名乗り出たという事を周知させておきたいのだろう。もちろん失敗に終わった時、一切の責を国が負わないために。
「私も、宰相始め優秀な者たちを集めここ数日悩みに悩んだのだが……つい先ほど、協力を求める家門を決定した。クラウスナー侯爵家だ」
──クラウスナー侯爵家!?
リーリアは耳を疑った。
あれだけ白魔道師……特にユーインを毛嫌いしているオスカーの家門が関わるとなると、研究所からユーインを排除しかねない。
「陛下!身に余る光栄にございます!このオスカー、クラウスナー侯爵家を代表し、心より感謝を申し上げます!」
少し離れたところで誇らしげにオスカーが礼をした。
「ユーイン様……!」
隣に立つユーインに、そっと声をかけると、彼はやはり「大丈夫だ」とでも言うように微笑むだけ。
「なぜクラウスナー侯爵家が選ばれたのか疑問に思う者もいるだろう。それに関して少し説明しておかなければならない」
そこで国王は、ちらりとリーリアの方を見て口元を緩めた。
──父上?
「我が末娘のリーリアが、白の魔道師団長ユーイン・オルブライトと結婚するそうだ」
「えっ!?」
目を丸くし、素っ頓狂な声を上げたリーリアとは対照的に、会場は一瞬にして歓声に満ち溢れた。
並んで立つリーリアとユーインに、招待客の視線が集中する。
「王女の降嫁先について、色々と心配する者もいよう……皆も知っていると思うが、宮廷魔道師たちはその素性に関しては秘匿される事になっている。だが、今回はこのような事情なのでな。ユーイン、よいか?」
「はい」
「ユーインはこれまで母方の姓であるオルブライトを名乗っていたが、元々の姓はクラウスナー。彼はクラウスナー侯爵家の長男だ」
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