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しおりを挟む「あなたが私の唯一無二であることをオスカーは知ってしまった。私を苦しめるために、あなたに何かするかもしれない」
「ですが、私は王女です。万が一私に手を出せば、クラウスナー侯爵家は……」
「自分の手を汚さずに人を陥れる方法なんて山ほどあります。特にオスカーは狡猾だ。自分で直接手を下さず、高みの見物を決め込むタイプです」
「……それなら私の事は、ユーイン様が守ってください……」
「……え?」
「ユーイン様が朝昼晩と側にいてくだされば、何よりも安全でしょう……?」
随分と大胆な事を言っている自覚はある。
要は事実上夫婦になろうと言っているようなものだ。まだ婚約すらしていないのに。
けれど、ただでさえこれから研究所創設の準備で忙しくなるのに加え、オスカーの警戒までしていたら、もっともっとふたりの時間は取れなくなるのではないだろうか。
「リーリア、それは……私たちはまだ婚約すらしていない身ですから……」
「ですが父上は婚約の話を飛ばして、いきなり結婚について口にしました。承知してくれたということですよね?それなら私、準備に時間ばかりかかるような豪華な式なんていりません」
「しかし王女殿下が式も挙げず、何の支度もせずに嫁ぐなんて前代未聞です」
「ユーイン様は嫌なのですか……?」
自分はこんなにも離れたくない、側にいたいのに。
「あなたは本当に……自分が何を口にしているのかわかっているのですか?」
何もリーリアとて、そんなわがままが本当に叶えられる訳がない事くらい、よくわかっている。でも嘘でもいいから、そうしようと言って欲しかった。
「わかっています。それに……どれだけ非常識な事を言っているのかも……わがままを言ってごめんなさ──んぅ!?」
また聞き分けのない事を言ってしまったと後悔し、謝ろうとした瞬間だった。
突如、噛み付くように口づけられ、リーリアの身体は後ろに倒れ込んだ。
「ぁ……ん……んぅ……!」
この前した時は、窺うようにしながら優しく割り入ってきた舌が、リーリアの意思などお構いなしに腔内を執拗に舐め回す。
唇に意識を取られる中、耳がシュルシュルと鳴る衣擦れの音を拾った。
──え?ユーイン様の手……どこで動いて……え?
ヒヤリとした空気が背中を撫で、リーリアはさっきの衣擦れの音はドレスのリボンを解かれた音だと気付く。
ドレスと肌の間に大きな手が這うように差し入れられ、リーリアは身体を震わせた。
「ダ、ダメ!ユーイン様、ぃやっ……!!」
「どうして……煽ったのはあなたですよ?朝昼晩側にいたいと。あの睦み合う男女のようになる事を望んでくれたのでしょう」
「ぁ、ぁ……ダメぇ……っ!」
耳朶を食まれ、熱く湿る舌で耳孔をゆっくりとなぞられる。
耳元で響く低い声に、力が抜けるリーリアの身体から、ゆっくりとドレスがずらされていく。
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