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クラブ合宿の夜
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『クラブ合宿の夜』
クラブ合宿の最終日の夜に怪談をやるそうだ。子供らに付き合って最近入った『都市伝説くらぶ』。
洞窟拠点では最近『クラブ』が増殖している。避難民達がやる気に溢れているのは良い事だ。こんな世の中だからこそ、楽しく過ごすのは良い事だと思う。
しかし俺、怖いの苦手なんだよ。
えっ?耳を塞ぐ?
俺はアイテムボックスからヘッドホンを探し出して頭(耳)に付けた。
いや、これ、微妙に聞こえてくるんですが?
テレビのクイズ番組とかで聞こえないように付けてるアレは嘘なのか?
大丈夫大丈夫、声に集中しなければ『ボソボソ』程度にしか聞こえないな。
うひゃっ!
ビックリした。マルクよ、いきなり俺の脇肉を掴むな。
マルクが右脇に入ってきた。
ぎょわっ!
左脇に突然、だだだ誰! マルクは右に居るぞ? あ、あぁ洸太か。
交代でどんどんと話していく。
「学校の部活の先輩の彼女の友達の話なんだけど……」
「前に親戚のおじさんに聞いた話で、その街に住んでいる金持ちが……」
「3組の佐藤の塾の友達から聞いたって話で…」
聞かないようにしていても、結局聞いてしまった。
ふと思ったんだが、怖い話って意外と『本人』の体験談は少ないな。特に多いのは『ネットに出てた話』だな。
怖い話は、案外作り話がほとんどなのかもしれない。そう思うとそんなに怖くはないな。……と思っていた自分がいました。すみませんでした。と謝りたくなる怖い話もあった。
『ぎざらき駅』と言う話だ。
憲鷹の学校の先輩である拓巳が話したネットで見つけた話。
ある青年が遅い時間に電車に乗っていて、目が覚めたら電車はホームに止まっていたそうだ。
車内にはもう誰もおらず、青年は仕方なく電車から降りた。
駅の柱には『ぎざらき駅』と。
聞いた事が無い駅名だ。寝過ごしてどこまで行ってしまったのかと確認しようとスマホを出すが、圏外で繋がらなかった。
駅の周りは真っ暗で建物は見当たらない。
まだ明るい車内で待とうかと思った時に、電車のドアは閉まり灯も消えてしまった。
仕方なく駅の外に出る。駅員など居ない無人駅。周りにはコンビニどころか住宅もない。見えないくらいの暗闇だ。
駅前の一本道だけが、何故か見えた。
とりあえずその道を進んで見る。人家が有ればタクシーを呼んでもらえると思ったのだ。
道はやがて古いトンネルに出た。少し躊躇したが、トンネルの向こうに灯りが見えた気がした。案外短いトンネルのようだし、その先に家もありそうだ。
トンネルを越えると家が一軒建ってるのが目に入った。窓に灯りも見える、と言う事は人が住んでいるはずだ。電話を借りよう。
青年のスマホは相変わらず圏外だったのだ。
古い木の横開きの玄関、インターフォンは見つからなかったのでどんどんと叩いてみた。
直ぐに人が出てきた。普通のおばさんだ。
駅での事を話すと、この辺りはスマホは圏外だしタクシーももう終わった時間だ。
「今夜は泊まっていきなさい」
明日、タクシーが始まる時間になったらタクシーを呼んでくれると言われた青年はお世話になる事にした。
見ず知らずの家に泊まる不安はあったが、あの真っ暗な駅には戻りたくない。
おばさんは親切な人で、部屋に案内をしてくれた後、お茶と饅頭を持ってきてくれた。
小腹が空いていたので食べようと饅頭に手を伸ばした。だが、口に入れようとした手が止まった。
なんでかわからないが、饅頭を口に運べない。自分の手が震えていた。ふと顔を上げると、押入れと思っていた襖が少しだけ空いていて、そこから何かがこちらを覗いていた。
青年は驚いて大声を出しながらさっきのおばさんが居た部屋へ走り出たが、どの部屋も真っ暗でおばさんも出てこない。
そこからはどうやって戻ってきたのか記憶は曖昧だが、ようやく見つけた駅は『ぎざらき』ではなかったそうだ。
「ひえぇ、怖ええ」
「それってさ、饅頭を食べたらそいつらの仲間にされてたんじゃない?」
うん、怖かったが、俺はそれに似た経験をした事がある。それで俺も口を開く事にしてヘッドホンを外した。(外しても対して変わらんが)
「俺も似た経験がある。ある日の仕事帰りに珍しく電車で座れて、ついグッスリ寝ちまったんだ。
それで、目を覚ますと駅もホームも周りの景色も全然知らないとこだったんだよ。
それで駅員に聞いたらもう終電は終わったから駅から出てほしいと言われて……。
それで近くにホテルはないかと聞いたら歩いて5分のとこにあるって言うから、道を聞いて駅を出たんだ。
でもな、歩いても歩いても、ホテルはないんだよ。
5分どころか50分歩いてもホテルは見つからない。
それどころかどんどんと人も家もなくなって、周りは林みたいになって、それで怖くなって戻ろうとしたが、今度は駅が無くなっていたんだ」
「あのぉ。カオさん、……それは、ただの迷子では?」
ん?だれだ?その冷静なツッコミ。
「そんで?そんでどうやって戻ってこれたの?」
おお、子供らは純真だな。
「うん、それでな、真っ暗な林の前でな、怖くなって大声で歌っていたんだ。そしてら何故かパトカーがきた。パトカーを見てあれほど安心した事はなかったな」
「へぇ、凄いねぇ」
「歌でパトカーを呼び寄せる魔法?」
「それ、…………不審者と思われて誰かが通報……」
誰だ。部屋を薄暗くしているので、さっきからツッコんでいるのが誰か見えん。人の話に茶々を入れるのはアカンぞ?
「そんでな、親切なお巡りさんでパトカーに乗せてくれて、その日は交番に泊めてくれた
翌朝、駅までの道を教えてくれたが、これがまた駅が無いんだ……
日曜日だから良かったが、平日なら会社に遅刻してたな
俺はもう一生、この村から出られないのか、と思ったら昨夜泊めてくれたお巡りさんがまたパトカーで、今度は駅まで送ってくれてな、良い人だったなぁ、
で、その駅から電車乗ったら戻れたんだよ
あ、でも俺、交番で出されたお茶と饅頭を食っちまった。もしかして俺は元の世界に戻れなかったのか? もしかしてここは今でも別の世界……」
そんな感じで話を締めくくった。うん、なかなか良い出来じゃないか?怪談話から異世界話へスライドしてしまったが、都市伝説クラブだからいいよな?
「本当の異世界に行ってきた人が何言ってんだか、カオさん異世界転移経験者ですよね。しかも10年居たって事は、向こうの食べ物を食べまくり、よく戻って来れましたね」
うん? あ、確かにそうだな。
「あ、君らが今食べてるバナナ、それ異世界産だから」
灯りをつけた部屋でオヤツとして配ったバナナを食べている者達を指差したら、ギョッと飛び上がっていた。
『都市伝説』では異界の物を食べたらこっちの世界に戻れない、とよく聞くらしいが、こっちで異世界の物を食べたらどうなるんだ?
「美味しいねぇ」
マルクはバナナを頬張っていた。
それにしても『目的地』につけないのは本当に恐ろしいのだ。どこまで歩いても知らない場所が延々と続くあの恐怖。
『ぎざらき駅』の青年もきっと方向音痴だったに違いない。
完
クラブ合宿の最終日の夜に怪談をやるそうだ。子供らに付き合って最近入った『都市伝説くらぶ』。
洞窟拠点では最近『クラブ』が増殖している。避難民達がやる気に溢れているのは良い事だ。こんな世の中だからこそ、楽しく過ごすのは良い事だと思う。
しかし俺、怖いの苦手なんだよ。
えっ?耳を塞ぐ?
俺はアイテムボックスからヘッドホンを探し出して頭(耳)に付けた。
いや、これ、微妙に聞こえてくるんですが?
テレビのクイズ番組とかで聞こえないように付けてるアレは嘘なのか?
大丈夫大丈夫、声に集中しなければ『ボソボソ』程度にしか聞こえないな。
うひゃっ!
ビックリした。マルクよ、いきなり俺の脇肉を掴むな。
マルクが右脇に入ってきた。
ぎょわっ!
左脇に突然、だだだ誰! マルクは右に居るぞ? あ、あぁ洸太か。
交代でどんどんと話していく。
「学校の部活の先輩の彼女の友達の話なんだけど……」
「前に親戚のおじさんに聞いた話で、その街に住んでいる金持ちが……」
「3組の佐藤の塾の友達から聞いたって話で…」
聞かないようにしていても、結局聞いてしまった。
ふと思ったんだが、怖い話って意外と『本人』の体験談は少ないな。特に多いのは『ネットに出てた話』だな。
怖い話は、案外作り話がほとんどなのかもしれない。そう思うとそんなに怖くはないな。……と思っていた自分がいました。すみませんでした。と謝りたくなる怖い話もあった。
『ぎざらき駅』と言う話だ。
憲鷹の学校の先輩である拓巳が話したネットで見つけた話。
ある青年が遅い時間に電車に乗っていて、目が覚めたら電車はホームに止まっていたそうだ。
車内にはもう誰もおらず、青年は仕方なく電車から降りた。
駅の柱には『ぎざらき駅』と。
聞いた事が無い駅名だ。寝過ごしてどこまで行ってしまったのかと確認しようとスマホを出すが、圏外で繋がらなかった。
駅の周りは真っ暗で建物は見当たらない。
まだ明るい車内で待とうかと思った時に、電車のドアは閉まり灯も消えてしまった。
仕方なく駅の外に出る。駅員など居ない無人駅。周りにはコンビニどころか住宅もない。見えないくらいの暗闇だ。
駅前の一本道だけが、何故か見えた。
とりあえずその道を進んで見る。人家が有ればタクシーを呼んでもらえると思ったのだ。
道はやがて古いトンネルに出た。少し躊躇したが、トンネルの向こうに灯りが見えた気がした。案外短いトンネルのようだし、その先に家もありそうだ。
トンネルを越えると家が一軒建ってるのが目に入った。窓に灯りも見える、と言う事は人が住んでいるはずだ。電話を借りよう。
青年のスマホは相変わらず圏外だったのだ。
古い木の横開きの玄関、インターフォンは見つからなかったのでどんどんと叩いてみた。
直ぐに人が出てきた。普通のおばさんだ。
駅での事を話すと、この辺りはスマホは圏外だしタクシーももう終わった時間だ。
「今夜は泊まっていきなさい」
明日、タクシーが始まる時間になったらタクシーを呼んでくれると言われた青年はお世話になる事にした。
見ず知らずの家に泊まる不安はあったが、あの真っ暗な駅には戻りたくない。
おばさんは親切な人で、部屋に案内をしてくれた後、お茶と饅頭を持ってきてくれた。
小腹が空いていたので食べようと饅頭に手を伸ばした。だが、口に入れようとした手が止まった。
なんでかわからないが、饅頭を口に運べない。自分の手が震えていた。ふと顔を上げると、押入れと思っていた襖が少しだけ空いていて、そこから何かがこちらを覗いていた。
青年は驚いて大声を出しながらさっきのおばさんが居た部屋へ走り出たが、どの部屋も真っ暗でおばさんも出てこない。
そこからはどうやって戻ってきたのか記憶は曖昧だが、ようやく見つけた駅は『ぎざらき』ではなかったそうだ。
「ひえぇ、怖ええ」
「それってさ、饅頭を食べたらそいつらの仲間にされてたんじゃない?」
うん、怖かったが、俺はそれに似た経験をした事がある。それで俺も口を開く事にしてヘッドホンを外した。(外しても対して変わらんが)
「俺も似た経験がある。ある日の仕事帰りに珍しく電車で座れて、ついグッスリ寝ちまったんだ。
それで、目を覚ますと駅もホームも周りの景色も全然知らないとこだったんだよ。
それで駅員に聞いたらもう終電は終わったから駅から出てほしいと言われて……。
それで近くにホテルはないかと聞いたら歩いて5分のとこにあるって言うから、道を聞いて駅を出たんだ。
でもな、歩いても歩いても、ホテルはないんだよ。
5分どころか50分歩いてもホテルは見つからない。
それどころかどんどんと人も家もなくなって、周りは林みたいになって、それで怖くなって戻ろうとしたが、今度は駅が無くなっていたんだ」
「あのぉ。カオさん、……それは、ただの迷子では?」
ん?だれだ?その冷静なツッコミ。
「そんで?そんでどうやって戻ってこれたの?」
おお、子供らは純真だな。
「うん、それでな、真っ暗な林の前でな、怖くなって大声で歌っていたんだ。そしてら何故かパトカーがきた。パトカーを見てあれほど安心した事はなかったな」
「へぇ、凄いねぇ」
「歌でパトカーを呼び寄せる魔法?」
「それ、…………不審者と思われて誰かが通報……」
誰だ。部屋を薄暗くしているので、さっきからツッコんでいるのが誰か見えん。人の話に茶々を入れるのはアカンぞ?
「そんでな、親切なお巡りさんでパトカーに乗せてくれて、その日は交番に泊めてくれた
翌朝、駅までの道を教えてくれたが、これがまた駅が無いんだ……
日曜日だから良かったが、平日なら会社に遅刻してたな
俺はもう一生、この村から出られないのか、と思ったら昨夜泊めてくれたお巡りさんがまたパトカーで、今度は駅まで送ってくれてな、良い人だったなぁ、
で、その駅から電車乗ったら戻れたんだよ
あ、でも俺、交番で出されたお茶と饅頭を食っちまった。もしかして俺は元の世界に戻れなかったのか? もしかしてここは今でも別の世界……」
そんな感じで話を締めくくった。うん、なかなか良い出来じゃないか?怪談話から異世界話へスライドしてしまったが、都市伝説クラブだからいいよな?
「本当の異世界に行ってきた人が何言ってんだか、カオさん異世界転移経験者ですよね。しかも10年居たって事は、向こうの食べ物を食べまくり、よく戻って来れましたね」
うん? あ、確かにそうだな。
「あ、君らが今食べてるバナナ、それ異世界産だから」
灯りをつけた部屋でオヤツとして配ったバナナを食べている者達を指差したら、ギョッと飛び上がっていた。
『都市伝説』では異界の物を食べたらこっちの世界に戻れない、とよく聞くらしいが、こっちで異世界の物を食べたらどうなるんだ?
「美味しいねぇ」
マルクはバナナを頬張っていた。
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