俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香

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ボオレ

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『ボオレ』


 最近マルクが『ボオレ』と口にするようになった。


 …………『ボオレ』とは何だ?
 思わず口に出て、そのあとにモジモジする。

 何だ?



 気になったのでミレさんに相談してみた。


「ぼおれ?」

「んー……ボーレかボウレかもしれん」

「オ・レ? オッレー、掛け声の練習か? 最近子供らでサッカーでも流行ってるのか?」

「んんー? マルクから聞いた事ないな。サッカー始めたんかな」


 俺自身がスポーツは殆どしないからなぁ。俺に話さないだけかもしれない。


「でも、オーレ、オレオレオレーって、応援側じゃないか? いや待てよ。俺もサッカーはやってないからなぁ。もしかしてサッカー選手ってオレオレ言いながら球蹴ってるんかな?」


 そう……なのか。そうなのか?ヤンキーっぽいな。オラオラ言いながら街を歩くヤンキー……。
 まさか、マルクがヤン……。


「それか口癖とか。例えばどんな時に出るんだ?」


 ミレさんの問いかけに今朝のマルクを思い出した。


-------
「あれ? ケチャップあったよな? 冷蔵庫か?」

「あ、ボ…レ…ボボボ……が取ってくる」
-------

 あの後マルクはむにゃむにゃ言いながら冷蔵庫へ歩いていった。
 もうひとつ思い出す。
 昨日は……。

-------
「マルクー、今夜はトンカツと唐揚げどっちがいい?」

「うんと、ぼ、オッレー……ボお…レ……は、……んかつ」
-------


 うん?
 わからないが、トンカツな事は何となくわかった。夕飯も美味しそうにトンカツを食ってた。
 間違ってないよな?


「ふぅん? 何かわかった気がするぞ」


 ミレさんがニヤリと笑った。
 そうか、そう言う事か!


「俺にもわかったぞ! あれだ、異世界言語の自動翻訳機が壊れかけているのか!」


 ニヤリとしていたミレさんの笑顔が片眉下がった変な顔になった。


「…………いや、てか、異世界言語の自動翻訳機ってなんだよ、カオるん」

「あるだろ? 俺達あっちで言葉通じたし」


 呆れた顔をしたミレは翔太と憲鷹を呼び出した。
 ミレさんと翔太達がコソコソと何か話をしている。翔太達は『異世界言語自動翻訳機』は持っていないよな?
 ふたりに聞いてどうするんだ?

 あ、そうか。最近マルクとの会話がちゃんと通じているかを聞いているのか。


 聞き取りが終わったミレさんが俺の元まで歩いてきた。


「カオるん。マルクはな、今、大人の階段を登っているんだよ」


 ミレさんからショーゲキのひと言が来た!『衝撃』を通り越して『ショーゲキ』だ!


「早いだろ! まだ大人階段は登っちゃダメだろ!」


 俺は慌てた。お父さんは許しませんよ!


「カオるん、何考えてるか大体想像つけけど、それじゃないと思うぞ? マルクは『僕』から『俺』変えようと思ってるんだ」


 ん?僕から俺?ボクからオ・レー?


「俺。俺だ俺、俺」


 ミレさん、オレオレ詐欺か。

 
 ミレさんはオレオレ詐欺ではなくちゃんと説明をしてくれた。
 最近つるんでいる少年3人。マルク、翔太、憲鷹。

 憲鷹が自分を『俺』と呼ぶ。それを見て翔太も『僕』から『俺』へ。
 マルクも『俺』にしようとするが慣れずに「ぼ、俺」になっていたそうだ。


 なんだ、そうか。
 ホッとした。けど子供って親の知らない間にどんどん大人になるんだなと、少し寂しくなったのは内緒。


「カオるんパパ、頑張れよ?」


 何故かミレさんに背中をぱんぱんされた。


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