俺達YOEEEEEE?けど異世界満喫したいよね?

くまの香

文字の大きさ
7 / 11

7話 ブルドーザーと呼ばれた男

しおりを挟む
 ----(大島視点)----

 俺はニッポンでの生活が落ち着いてから自衛隊と共に迷宮を探索しまくる日々を送っていた。デスエに近い場所にある未踏破の迷宮だ。主に資源やスキル石調達のためだ。

 自衛隊がギルドになってからは『防衛部門』に入社(?)した。
 もちろん、休日には通常の冒険者として個人的にデスエの迷宮に潜る事もある。

 自衛隊がギルドになった時には悩んだ。自由に個人的に迷宮へ潜る事を考えたからだ。
 しかし、何かあったときはどうせ自衛隊に引っ張り出されるだろう。それならと、ニッポンギルドへ就職する事にしたのだ。


 ニッポンギルドの『事務部門』『製造部門』『産業部門』は、基本9時から5時勤務である。
 それに比べて『防衛部門』は少し特殊である。

 『防衛部門』の中でも『待機課』は地下待機チームと地上待機チームに分かれている。
 どちらのチームも待機中は体力作りに精を出す。いつ出動がかかるかわからないからだ。体力作りの合間は趣味などに時間を使っている。

 『アニマル課』はテイムした魔物や、小動物(少なくとも人を食べない保護動物)のトレーナー、シッター、トリマー、獣医などとして多岐にわたる活動をしている。地上に『ふれあい広場』や『ちいまものカフェ』も開いている。

 『防衛部門』が持ち帰った情報を『産業部門』が取りまとめて、この世界の魔虫、魔獣、魔物の研究に力を入れている。

 俺が配属されたのは『防衛部門』の中の『迷宮探索課』である。
 その名の通り、迷宮を探索する課だ。迷宮内から情報を得るのが大きな仕事だ。ドロップしたスキル石や迷宮内で採れる鉱石、それと食材(肉)などは、同行した『サポーター課』が持ち帰る。

 俺らは迷宮を突き進む。

 自衛官……いや、探索官の中にはテイムした魔物も当たり前に連れている。3mを越える大きな魔物を連れている者もいた。


「大島、頼む」


 俺の探索チームのリーダーである若槻さんから指示が出た。
 俺らが今進んでいる通路の先がかなり狭まっていたのだ。


「おっ、出るぞ。大島ブルドーザー」


 誰だ、変なあだ名をつけやがって。

 俺は壁にピタリと背をつけて立ち、そこから力を込めて回転しながら壁沿いを移動した。壁が奥へとめりこみ通路が広がる。


「あそこの足元のでっぱりも潰せるか?」

「出来ます」


 そう答えて、今度は通路の地面部分に突き出た大石へと背中からジャンプした。


「おお! 流石は大島建設のブルドーザーだ」

「……若槻さん、変な呼び方をしないでください」

「いよっ! 土建屋!」

「ゼネコン!」


 土建屋はともかく、いや、土建屋じゃねぇ! ってゼネコンってなんだよ! 俺は地面をならしても建物は建てられないぞ?


「大島のおかげで迷宮もスイスイと進む事が出来る。有難い」

「いや、まぁ」


 真顔で褒めるリーダーを見るとわざわざ言い訳をするのも逆に恥ずかしくなったのでやめた。周りには好きに言わせておく。

 まぁ俺も、小型のオーク(豚型の魔物)をテイムしている探索官を、名前ではなく『トンスキさん』と呼んでいる。
 名付けは俺じゃないぞ? 周りもそう呼んでいるからな。かなりの豚好き(トンスキ)らしい。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

転生したら幽閉王子でした~これどうすんの?

サクラ近衛将監
ファンタジー
 神様の眷属の過失が原因の事故に遭って死んだ桜庭雄一が異世界に転生したら、とある国の忌避すべき王子として幽閉されていた。  転生にはチートがつきもののはずだが、事故で死んだ者が300名を超えるために、個別にチートは与えられず、転生先の者の能力を生かせと神に告げられている。  「神の加護」ではないけれど、「恩寵」が与えられているので、当該異世界では努力を為した分、通常に比べると成果があるらしい。  これはとある国の幽閉王子に転生した男の冒険譚である。  原則として、毎週月曜日20時に投稿予定です。

【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません

ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。 文化が違う? 慣れてます。 命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。 NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。 いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。 スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。 今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。 「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」 ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。 そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

処理中です...