俺達YOEEEEEE?けど異世界満喫したいよね?

くまの香

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8話 ライダーと呼ばれた男

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 ----(清見視点)----

 俺はウリ坊に引かせた仏間で地上を縦横無尽に走り回る。(あ、ちょっとカッコよく言いました)

 救援救助のため……ではない。
 『地上ライダー』それはギルド防御部門テイム課が地上を走り回りそう呼ばれている。正確には『ライダー部隊』。ただし俺はそこには所属はしていない。

 俺は不本意ながら『近所ライダー』と呼ばれている。そう、近所を走るライダー。近所しか走らないとも言う。

 だって仕方ないじゃないか。
 毎日午前中は修繕の仕事があるからそうそう地上を出歩いていられないんだよ。

 だが、俺がそう呼ばれるようになったのは、午前に保育園、昼食後に昼寝を終えた裕理達がよく午後にやってくるからだ。


「お出かけぇ」

「お散歩、する?」


 散歩ではない。
 うりゆ君達が引く仏間に乗っているからな。君らは歩いていないよ? それただのドライブだからね。


「うりファイブ、清見達を頼んだぞ? ウリ坊に帰巣本能があってよかった」

「兄貴、俺、方向音痴じゃないからちゃんと帰ってこれるよ」


 まぁ、方向を見失っても『ゴーホーム』と命じるとここに戻ってくれる、賢い子達だなぁ。
 それでも一応必ずママさんがひとり同行している。なんか順番とかきめているみたいだ。

 保育園の授業は午前中なのに、何故か保育士さん達と他の子供も仏間にスタンバイしている。
 もしかして保育園の午後の授業の一貫になってたりしないよね?まぁいいけどね。


 午前中に畳が剥がされて押入れから物資が出された仏間は、午後は板の間状態になっている。
 そこに椅子がセットされた。

 椅子は機体で増やした座席だ。それらが木で作った床板にセットされていて床板ごと仏間に運び込み固定される。
 3シートと2シートがそれぞれ幾つかずつだ。

 シート付きの板はそれなりの重さがあるのだが、保育園の園長先生が(いつの間にか)テイムした腕ウータン君が運んでくれていた。

 いつだ、いつどこでテイムしたんだ……、園長先生。
 地球サイズの3倍はありそうなオラウータンに似た魔物。なんと保育園でも大人気だそうだ。実は俺もこっそり触らせてもらった。腹の毛がモワモワで気持ちが良かった。

 あ、でも、ポヨン君達が1番(から4番)だ。5~9番はうりゆ君達だ。大丈夫、浮気ではない。

 シートは散歩から戻ると取り外して外に置く。仏間は空けて置かないと畳再生の邪魔になるからな。


 仏間にシートをセットすると園長先生は腕ウータン達と共に保育園へ戻って行った。
 仏間の中には既に子供達がシートにスタンばっている。保育士さんもね。


「清見くーん、全員、シートベルトの着用は確認しました!」


 はいはい、出発ですね?
 ガラス障子に近い部分にシートがひとつ(2シートだが)設置してある。いわゆる俺専用の運転席だ。うりゆ君達は仏間にしっかりと繋がれている。


「出発しまーす。うりゆ君、南東コースでお願いします」

プギィー
プギュプギュ
ピギャ
ピーピギギ
ププ

 返事が聞こえたと思うと、仏間がゆっくりと回転をし出した。
 普段は迷宮地上部の中央を向いて置かれているのだ。そこから外へと出るのに、まずは仏間を回転させる。バック機能はないからな。

 しかし、うまいなぁ。右に回転するのだが、1番右に繋がれたうりっしが、その場にとどまるように体だけを回転している。1番左端のうりまは小走りで右方面へとカーブしつつ歩く。

 仏間から見える景色の先が開けて奥に森も見えて来た。完全に方向転換が終わるとそこからうりゆ君たちが横一列のまま直進する。仏間を引いて。

 子供達が乗っているのでもちろん安全運転だ。俺の後ろから子供達の歓声が上がる。結構定期的に散歩に出ているのに飽きないのかな。
 保育士の伊織先生(今日は伊織先生か)が指揮を取ると皆が歌い出した。

 仏間は森の手前で少しずつ方向を変えていく。森には入らない。この近辺の森の魔物は最近だいぶ減らしているらしいが、魔物はゼロではない。
 ゼロにはならない。気がつくと増えているらしい。

 仏間は今のところ安全空間ではあるが、いつ何があるかはわからない。
 この世界に来て3年半。空間スキルが永遠に保つものなのか何の確証もない。

 俺が臆病なのか、気を抜いた時に何か起こる気がして常に安全には気を配りたいのだ。
 特に子供達を乗せているのだ、危険は冒さない。

 森を横目に走る。ポヨンさんは俺の隣のシートにいる。ぷるん君とふるふるさんは仏間の屋根、パミュンちゃんは子供らの合間を転がっている。

 子供達の歌が3曲終わったあたりで後ろを向いて保育士さんの座席を探す。最後尾に居た。


「伊織先生ー、この先の池あたりで停まりますね」

「はーい、お願いします」
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