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第一章

一章:2話 召喚されたのは見知った人たちでした?

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名前:宿木傀儡
年齢:17歳
職業:管理者
クラス:傀儡(マリオネット)
レベル:1
レベル上限:30

ステータス
HP:100
MP:99999
生命力:100
筋力:50
魔力:100
障壁強度:20
魔法障壁強度:50
精神力:100
瞬発力:20

魔力属性
闇、無

スキル

 ジョブスキル:使用不能

 クラススキル:マリオネット
     対象を取り、その対象と全く同じ動きをする。
        また、自身の体を思い通り動かすことができる。

       :傀儡
        ジョブスキルの使用不可、及びステータスの大幅低下

 スキル   :観察
        観察対象のステータスやスキル、思考を把握、
        更に観察者の動きを先読みすることが可能。
        (ただし、思考、意思を持たない生物、非生物に対しては
         ステータスとスキルのみ表示)
       :仮面
        闇属性魔法の幻惑、隠蔽効果補正。精神攻撃無効。
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 間違いなく目の前に現れたステータス。そこでここが本当に異世界であるという実感が湧いた。

 そしてそれと同時に疑問も湧く。それは自分のステータスとスキルが素人目にも異常であったからだ。

 周りのステータスがどれくらいかはわからないが、全体的に低いステータスなのだろう中に、ありえないほど高いMP正直バグを疑うレベルだ。

 ただ、MPがいくら多くともステータスが低く、戦う力のない僕がこの世界で生きていけるのかということだ。正直不安でならない。

 それと同時にスキルや魔法を使ってみたいという好奇心も湧いてきた。

 まず観察というスキルをどうにか使えないか試してみる。

 観察というほどなので試しにアガスティア王を凝視してみた。

 その瞬間彼が今何を考えているかが脳内に浮かんできた。

【今回の召喚は外れか】

 彼の声でそうはっきりと聞こえた。

 あまりの驚きに目を見開きそうになる。それを知ってか知らずかアガスティアの視線がこちらに向かってきていた。

 すぐに顔をそらし隣にいた光に声をかけ、平常を装う。

「お前のステータスってどんなもんだったんだ?」

「聞いて驚くなよ!なんと俺、勇者だったぜ!!これは主人公ロードまっしぐらだな!」

 そう言って光はステータス表をこちらに向ける。

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名前:白井光
年齢:17歳
職業:魔法戦士
クラス:勇者(kingdom)
レベル:1
レベル上限:99

ステータス
HP:600
MP:600
生命力:600
筋力:600
魔力:600
守備力:600
魔法守備力:600
精神力:600
瞬発力:600

魔力属性
光、聖

ジョブスキル:エンチャンター
魔法のエンチャント時消費MP減少、
更に対象者にかけることも可能。
(複数人にかけることも可能)

クラススキル:英雄
ステータスの大幅強化、更に成長率が大幅に上昇する。

スキル:パサー
自身のHP、MPを対象者に分け与える。
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 彼のステータスを見た瞬間自分との差があまりにもすごく、目をひん剥いて倒れそうになった。

「で、お前はどうだったんだよ?」

 そういってこちらのステータスを覗き込むように近寄ってくる光。

「ちょ、まっ、、」

 そう言って自分のステータスを隠そうとする。そこで俺はありえない光景を確認した。

 ステータスが変わっていたのだ。具体的には職業が魔導士、クラスが幻惑師ミステイカー、ステータスも平均300ほど、何ならスキルも仮面だけになっていた。

「なんだよ、別に変なとこないじゃん。あ、あれか?勇者じゃないのが恥ずかしかったとか?」

「ああ、、、そうだな。恥ずかしかったんだよ」

 何とか俺の異常なステータスを隠せた。安心と一緒になぜステータスが変わっていたのか疑問が残る。

 俺の見間違いかとも思ったが、もう一度見てみてもやはり異常なステータスしか表示されていない。

 変わったことがあるとすれば、MPが少し減っていた。

 この少ない情報から導き出される結論は、魔法特に闇属性魔法を使ったということだろう。

 疑問は残るが、何もなしで魔法を使えたということはさほど難しい手順を踏む必要はないということだろう。

 「皆さん。突然のことで疲れていることでしょう。食べ物を用意させています。一度食事とまいりましょう」

 そこら中がざわつく中、アガスティア王が食事を促した。
 
 正直お腹が空き始めていたころだった。

 周りの人たちもそうだったらしく、この場の空気が少し緩んだ。

「王よ。少しよろしいでしょうか?」

 緩んだ空気の中そう声を上げたのは、俺たちの担任 星谷 美乃 だった。

 彼女もいっしょに飛ばされていたのか。

 驚きとともに何を話そうとしているのか気になる。

 好奇心に勝てず先生を観察する。

【これが本当に起こることなのか確かめる必要がある】

 そう意味深なことが聞こえた。本当に起こること?

 いったい何が起こるのか、気になって仕方がなかったが、

「わかりました。あなたと一度話をしましょう。見たところあなたはこの集団をまとめる力がありそうだ。ほかの皆さんは先に食堂のほうへ!」

 王の一声で動き始めた周りの騎士たちに促され広間を後にするほかなかった。

 嫌な予感が胸に残ったが、どうすることもできなかった。
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