この幸せがあなたに届きますように 〜『空の子』様は年齢不詳〜

ちくわぶ(まるどらむぎ)

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1000年目

67 夜空 ※空

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 ※※※ 空 ※※※


「緊張した……」

国王や王太子夫妻と別れ《中央》から《宮殿》に戻ったチヒロは身体の力を抜いて大きく息を吐いた。

「ふふ。上出来だったよ、チヒロ」

「ご立派でした、チヒロ様」

レオンとエリサがそんなチヒロに言う。
「ありがとう」と言いながらもチヒロは顔を曇らせた。

「でもいきなり強く出て。本当に良かったのかな」

レオンが断言した。

「ほのめかすように告げても必ずかわされるよ。
はっきり宣言した方が良い。
あれだけの人前で『空の子』に諭され《撤回》まで口にしたんだ。
これで《神殿》はもう逃げられない」

「国王様や王太子ご夫妻が協力してくれて心強かったけど。
……国王様、大丈夫かな。《雲の意匠が良い》なんて言って」

「《罪の瞳》のことは《神殿》のくだらない妄言を抑え込めなかった王家の責任でもある。
責任を持って終わらせるお考えなんだよ。王家全員であたる。心配いらないよ」

「うん」

「それにしても。《シラユキ》には驚いたな。
もう待たせることや、呼ぶと来ることが出来るんだ」

チヒロは左肩にとまっている《シラユキ》を労わるように撫でた。

「すぐ出来るようになったのよ。賢いでしょう」

「《訓練》は巣立ちから始めるんだろう?《シラユキ》は巣立ってまだ間もないのに。
すごいね、サージアズ卿の技は。ねえシン」

「義兄の鳥を使う技は認めているのですが。それにしても早いです」

前を歩くシンが言えばチヒロが笑った。

「大きなジルを怖がりもしないのよ。それどころか仲良しなの。ね、《白雪》」


◆◇◆◇◆


その夜も、いつものようにチヒロは今日あったことを話した。

「これでご両親がシンに会いに来てくれるといいな」

微笑みながら話し、そう締めくくった。


そして夜空を見上げて言う。


「会ってもらうのは……まだ、難しいですか?」




…………難しいんじゃない。無理なんだよ。

どうして君は諦めないのだろうか―――――


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