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07-1 決意 ※王女アリアネルside
私は庭師たちの手が好き。
王宮の、働く皆の手はどれも好きだけれど、中でも庭師たちの土のついた、厚くて硬そうな手が好き。
少しでも身体が丈夫になればと数年前からレナと奥庭を散歩をするようになって、私はあの手を知った。
来訪者やお父様の目にとまる表庭ではなく裏庭で明るく生き生きと働いていた庭師たちは皆、まるで魔法使いのように見えた。
あの手で世話をされる草木や花々はそれは美しくて。
私は自分の手を見た。
当たり前だけれど、私の手は庭師の手とは違った。
何もついていない、白くて小さくて、薄い手。
私のこの手は……立派な王女になるための手だ。
いつか政略で結婚し、この国に益をもたらすためのもの。
そう思えば自分の手も誇らしかった。
けれど、お父様が決められた私の結婚は国のためでも王家のためでもなく
ただ私をのんびりと暮らせるようにするためのものだった。
それは……お父様が私のためを思って決められたことなのかもしれない。
―――だけど、そんなのは嫌。
何も求められず意味もなく生きるのは、いや。
国のためになることはできなかった。
じゃあ何ができるだろう。
知りたい。
探したい。
見つけたい。
―――私は、この手で何ができるのだろう。
「本当にいいのですか?」と聞かれて私は頷いた。
「簡単なことではありませんよ?」と言われて「はい」と答えた。
「後悔は―――」
そう言いかけた人はくすりと笑った。
「もう決めたのですね」
優しく笑うその人に
私は心配をかけないように力を込めて言った。
「―――はい。お母様」
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