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アリアンロッドという家名
しおりを挟むアルテミス・神前と石神百合がそれぞれ退室し始めたところで文乃に残るように言われたルナ・アリアンロッドは困惑していた。なぜなら、自分が残される理由がわからなかったからである。文乃は南良に説明するように指示をすると今まで緊張していたとは思えないほどの口調で南良は説明をはじめるのだった。
「君はルナ・アリアンロッドと言ったかな?当学院にその名前で編入申請が届いていないのだが説明してもらえるか」
「僕はちゃんとルナ・アリアンロッドで編入申請した。こちらには何も落ち度がないと主張させてもらうよ」
「ふむ、では聞き方を変えよう、アリアンロッド殿はなぜこの学院に入るにあったて偽名を使われているのか説明してもらうよ」
「なぜ?僕の名前がアリアンロッドであると思ったのかな?確かに偽名を使ってることは認めるけど、それは亡国の姫アルテミスも同じじゃないか!僕だけが偽名を使ってるわけじゃない!」
「君は何か勘違いをしてるようだから説明をするがアルテミス・神前と名付けたのは我らでは無いし国が亡くなった後も国の名前を名乗る事は無いだろうことは君も知っているはずだが?」
南良の説明に納得がいかないアリアンロッドは顔を赤くしながら僕の名前はルナだというが、それはあり得ないと文乃にいわれる。なぜなら、ルナという名前は全大陸で付けてはならないし付ければ何かしらの神罰が下るとされいるからであると文乃がアリアンロッドにいうとアリアンロッドの顔から血の気が引き蒼褪めていく。ルナという名前が禁止事項になった理由はブリティッシュ王国とその周辺諸国消滅の原因と言われている第一王女ルナ・ブリティッシュと同じ名前だからである。
「そうそう、おもしろい話を小耳挟んだのだけど、あなたが奈木の末裔とか嘯いてるとかいう話が聞こえて来たのだけど?本当のところはどうなのかしら?」
「僕が奈木の末裔であることを騙っているとおっしゃりたいのですか?僕は誰がなんと言おうと奈木の末裔ですよ!」
「あら、そこまでいうなら奈木の現当主の名前くらい知っているわよね?(正確には奈木には末裔はいないのだから末裔と言ってる時点で嘘なのだけれど)」
「奈木の現当主ですか?奈木には当主はいなかったはず・・・(馬鹿な奈木には現当主が居ないから騙っても問題ないと言われていたはず?)」
アリアンロッドは奈木には当主がいないと聞かされて来たから奈木には当主が居ないと思い込んでしまっていた。実は奈木という名前は星神から授かったという口伝が奈木家にあり、奈木を継ぐ者は5式を修めていなければならないとされており継ぐという言い回し通り奈木は後継者に名を継がせているため末裔と言われる者は正確にはおらず世襲のような形で弟子が名を継いでいる。そして、奈木の現当主は奈木勝の弟にあたる奈木翔琉という。実は兄の奈木勝と弟の奈木翔琉では名前の由来が違う。弟の翔琉は口伝の通りの奈木で兄の奈木は鍛冶師としての奈木ではなく奈木那多からの奈木という苗字であるらしい。ゆえに兄妹としているが血は繋がっておらず苗字が同じなら兄弟の方が都合がいいということで一緒に住んで居る。
「奈木の現当主は奈木翔琉というのだけど、アリアンロッドさんはご存じ無かったのかしら?」
「・・・・・」
「あら?言葉が出て来ないってところを見ると全く知らなかったみたいね。そのアリアンロッドという家名も偽名なのでしょう!」
「ち、ちが、違う、僕は間違えなくアリアンロッドだ!な、なにを、何を証拠にそんなことを言われなければならないんだ!」
文乃に言われて顔を真っ赤にしながら答えるアリアンロッドだったのだが、このあと文乃から衝撃の事実を伝えられ何も話せなくなってしまう。
「まず、アリアンロッドという家名についてですが、アリアンロッドの系譜はこの星に存在していないのでアリアンロッドという家名そのものが存在していません。そして、奈木に関しては奈木の名を持つ人間から説明してもらった方が良いでしょう。君の本来の名前は???ですね?」
「な、なん、なんでおまえが知ってるんだ!もう僕の家の事を知ってる人間はいないはずなのに・・・・・」
「???といえば神の怒りを買った愚かな国の愚者の名前でしたね?確かU.Qを唆した宰相でしたか。そういえば私の立場というか肩書を言ってませんでしたね、私は水無月家現当主、水無月文乃といいます!」
文乃が水無月家の現当主であることを明かして一番驚いていたのアリアンロッドではなく奈木勝だった。なぜなら、表向きは水無月家は無くなったとされているからであり、水無月家の所有地はすべて如月財閥が回収したとされている。実際は水無月家が如月陸奥を婿にもらう代わりに水無月家の持つ教育機関の一部を如月財閥が所有するという条件だったらしいのだ。
「私の話は大体終わったから後は奈木(あなた)の話しをしてくれるかしら勝さん?」
「文乃様からご許可をいただいたので説明させていただきます。私は奈木の現当主の兄にあたる奈木勝といいます。奈木の名前を騙られて若干思う所はありますが奈木について説明させていただきます、奈木の口伝によれば奈木の名前は星神様から授かったと聞いております。奈木の末裔というのは正確にはおりません。奈木の名前はある秘匿術を修めた者以外継ぐことを許されていないからです。」
奈木勝は奈木の名前の由来と継承の説明を始めたが、文乃はある違和感を覚えた。それは奈木の継承には5式という式を修めるというところを勝は秘匿術として説明していることだった。奈木勝はそれだけ奈木の名前を騙られるの嫌だったのだろうと理解しようとしていた。
「・・・・・・・」
「奈木の継承者は短命な方が多く継承の儀に立ち会う者も秘匿術を修めていなければならないし、血縁者であってはならないとされているんですよ。なぜだかわかりますか?」
「そ、そん、そんなこと僕が知っている訳が無いだろう!」
「簡単な話しでございます。血縁関係であれば妬みや嫉妬で継承者が暗殺されかねないので血縁者であってはならないということです!ですので奈木に末裔と言われる者はおりません。いるのは奈木の名前を受け継いだ弟子のみでございます!」
奈木勝から奈木の説明を受けたアリアンロッドはというと顔を歪め顰めているのだが、ここで文乃から更なる衝撃的なことを聞かされてしまいアリアンロッドは表情が曇っていってしまう。文乃はアリアンロッドに対し飛鳥学院に入れることは出来ないと説明しアリアンロッドには如月学園系列の睦月学園に入ってもらうと宣言する。最後まで抵抗していたアリアンロッドだったが如月系列の学園で一番厳しいとされる睦月学園は卒業出来るものはほぼ居ないとされている。
「文乃様、本当によろしかったのですか?睦月学園に入れても?」
「いいのよ、あの娘性別も偽ってたし、何よりも娘の傍に置きたくなかったのだから。それにお義父様には少しくらい押し付けても問題無いもの」
文乃の言い分には、さすがの奈木も返答に困ってしまっていた。いくら義理の父とはいえそこまでしてもいいものなのかと奈木は思った。
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