亡国の姫と財閥令嬢

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水上皐月の過去と水無月家

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水上皐月の過去の話

これは水無月皐月が水無月家から絶縁され水上皐月になるまでの話である。

水上葉月の母親である水上皐月は水無月家の生まれであり水無月の血を引いているいるのにも関わらず水無月の名を名乗らず水上という名前を使っているのには訳があり、それが葉月の出自に関わっていることは水無月家でも一部の者しか知らされていないし、当の葉月はまったく知らされていないため葉月自身は水無月の名を名乗れると勘違いしていたこともあった。

 皐月は元々水無月家三女として生まれており文乃との間にもう1人姉がいたのだが水無月家の次女はあることをきっかけに亡くなっている。水無月家は代々女系一族で婚姻は婿養子をもらって血を絶やさないようにして来ている。文乃の妹であり皐月の姉でもあった時雨はあることがきっかけになり亡くなったとされているらしい。なぜ、らしいと言われてるかというと亡くなったとされる時期がおかしいというのだ。実は時雨はあることがきっかけで亡くなったことにして噂の鎮静化を図ったのでは一部では囁かれている。

 「葉月はあのこと知らずに育ったから学園で問題を起こさなきゃいいのだけど?姉さんとは連絡取れなくなってしまったけど時雨姉あの人とも連絡は取れないわよね?私だけで解決出来るならいいのだけど・・・・」


 皐月の言うあのこととは、水無月家3姉妹の婚約者のことである。

 水無月家の婚約者は一族の当主が決めるとされており、婚約者候補は水無月の取引先から選出されることが多く選ばれた令息は婿入りをすることになるのだが、そのうちのの1人が実はまったく見覚えのない人物で相手先に確認を取っていたはずなのに何故か紛れ込んでしまっているのだった。身元が確かでないものは婚約者に出来ないと当時の水無月家当主は婚約者を2人にして追加候補は入れることはなかったため時雨と皐月に同じ婚約者を当てがうつもりだったのだが、時雨と皐月はこの時まだ学生であったため急ぐ必要も無いと考えていたのだがある時期をきっかけに時雨の態度がおかしくなっていくのを皐月は感じており当時の当主に相談しに行った事もあった。

 「文乃姉が葉月を次期当主候補から外したのはやっぱり、あのことが原因でしょうね?(表向きは同じ婚約者になっていたから時雨姉に何かあっても私が育てれば問題無いにしてもね。ただ、あの事件は緘口令敷かれたから知ってる人は極わずかなのだけど時雨姉があんなことになるなんて思いもしなかったわ!)」

 「あら、あなたにしては珍しく感傷に浸っているのね?」

 「当主様?」

 「あなたはもう水無月の人間ではないのだから当主様と呼ぶ必要ないわ、名前で呼んでちょうだい!」

 「ふ、文乃姉、何しにここへ来たのかしら?時雨姉あの人のことで何かあったのかしらそれとも葉月の事ですか?」

 「そうね、ただ、これだけは言わせてもらうわね!今日は水無月家当主としてではなく皐月の姉文乃として来てるからいつもの口調でかまわないわよ皐月!」

 「それで、わざわざ文姉が来たんだから何か私に頼み事でもあるのかしらね?」

皐月は文乃が自分のところに来た事に何か事情があるのだろうと思っていたのだが文乃自身は特になにかあるわけでもなく近くに来たからというのだが皐月はそれだけでは無い気がしていた。文乃としては時雨のことを皐月に頼むのは少し気が引けていたのだが、皐月にしか頼めないのも文乃はわかっているためなんて説明していいのか悩んでいた。

 「そうね、その前にお茶をもらえるかしら少し喉が渇いたわ。そこのあなた持って来てくれるかしら?」

 「文姉、今のわざとよね?それで人払いしてまで私に頼む話しって何かしら?」

 「まあ、あなたに隠しても仕方ないわね。時雨あの人のことについてに決まってるでしょ!皐月には葉月の件で悪い事をしたと思っているのよこれでもね!ただ、時雨があそこまで壊れた理由は葉月には教えてはならないし教えてはいけないと思っているわ!」

 「文姉、時雨姉に何かあったの?私は葉月を育てるために水無月家から追放されて水上を名乗る事になったからその後の事はよく知らないんだけど?」

 「皐月は時雨あのひとのことをどう思う?それ次第であなたに頼むことが変わるのだけど?表向きは時雨は亡くなったことになってるし皐月も追放というか絶縁したことになっているからあまり会いに来ることが出来ない事は申し訳なく思っているわ!」

 文乃と皐月の話が一段落付いた頃部屋の扉がコンコンとノックされる音が聞こえて来る皐月が返事をするとメイドがワゴンにお茶とお菓子を載せて入って来る。メイドは緊張してるせいなのか手が震えている。お茶の準備を終えたメイドに対して皐月は下がるように指示を出している。

 「先にお茶をいただきましょう。せっかくですし温かいお茶を飲んで一息入れてからでも本題に入れるわ!」

 「そうね、私も喉が渇いて来たところだからそうするわ!」

 メイドが持って来たお茶を嗜んでいると外からバタバタとした音が聞こえて来る。何があったのかと皐月は使用人を呼び事情説明させるのだが要領を得ない説明に皐月は困惑している。


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