亡国の姫と財閥令嬢

Szak

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石神百合と琉球王朝

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石神百合は困惑していた、なぜなら侍女の中に自分を害そうとする者がいるとは思ってもみなかったのだ。

 「なんでわたくしがこんな目に合わないといけないのかしら?」

 「百合お嬢様、ご自分の立場というものをご理解してください!」

 「あなたの言いたいことはわかるけど、こうもあからさまに狙って来られると愚痴りたくもなるわ!」

 「お嬢様、いくらこの部屋が対盗聴、防音効果の高い部屋とはいえあまり滅多な発言はお控えください。誰に聞かれてるともわかりませんので!」

 「ふむ、システム的問題ではなく人的問題があると?例えば、この中にどこかの内通者がいるということですか?」

 石神百合の護衛兼侍女を務めているのは同じ血筋である石神結月は石神百合の従妹にあたるのだが性格は百合とは正反対と言われる慎重であり繊細だと言われている。そして、百合は結月のことを決して名前で呼ぶ事はない、なぜなら彼女の性格では現在の自分の立場を認めたくないからである。石神の名を持つ一族は陰で琉球王朝を支えて来たと言われている一族の名前である。

 「お嬢様、ここにいるのは石神の者のみですのでご安心を!ただ、誰が誰と繋がってるかまではわかりませんのでお言葉にはお気を付けていただきたいだけです!」

 「おまえの言いたい事はわかるが、そんなに疑ってばかりでは何も出来ないと思うのだけど、そこはどう考えているかしら?」
 
 「百合お姉様はもう少しご自分の立場を自覚するべきだと私は思うのですが?」

 「結月あなたに言われるとは思わなかったわ。それにしても随分と狙って来る輩が多いと思わない?」

 「そうですね、琉球王朝の末裔というのを差し引いたとしても確かに狙われる回数は多いように思います!」

護衛をしている結月の言うとおり確かに日に数度の狙撃やら異物混入など様々な形で百合は命を狙われている。まるで百合が邪魔でこの世から消えて欲しいかのように百合の行く先々で狙われているのだが、さすがの結月はこれはおかしいと思い調査を始めるもなんら手がかりも掴めずにいた。そんな中、艦艇が外海に出たのではという噂が囁かれるようになり、百合は何があったのか知りたくなり調べ始めたのだが艦艇ががどこから出たのかわからないまま調査を切り上げることになったのである。

 「さすがに情報は出て来ませんね。これだけの事が出来るとなると本土にいるあの一族あたりでしょうね?」

 「どこから出たのかすら不明というのはおかしな話ですが外海に出たのは確かなんですよね?」

 「そうね、艦艇が3隻外海から戻ったという噂は出てるようだけど本当に3隻なのかが引っかかるのよね・・・」

 「仮に4隻だったとしてどうやって戻って来たかが謎なのよ?私たちが使ってる潜水艦ですら潜水深度500mが限界なのにいつ戻って来たかわからないのよ。4隻目がいつ戻って来たのかが・・・・」

 「もし、仮に水無月家あの一族だったとして最新鋭の艦艇は建造が許可されていないはずよね?」

 「少し探りを入れますか?」

 「止めておきなさい!あなた達生きて帰って来れなくなるわよ!」

  百合の護衛でもある結月から余計な詮索はしない方がいいと言われてしまった諜報部の南風原は複雑な顔をしながら自分の部署に戻って行くのだった。

 「外海といえばとある大陸が消えたという噂というか話がありましたがアレはあの一族のしわざなんでしょうか?」

 「あら、結月にしては珍しくはっきりしない情報なのね?タイミング的にまったく関連がない訳では無いでしょうけど、あの一族でもそこまでの力は無いはずよ!」

 「誠に申し上げにくいのですが、アルテミス・神前なる人物の情報がまったくと言っていいほど出て来ないんですが何か関連があるのでしょうか?」

 結月は百合の期待に応えられていないのではと不安になっているのだが、百合本人は我関せずと言った感じで報告を聞いているのだが少し疑問に思えることを結月が言ったため確認しようとするも結月に確認がとることが出来ませんでしたと言われ顔を顰めるのだった!

 「結月あなたがまったく情報を掴めなかったというの?それほどまでにアルテミス・神前という人物は何かに護られてるということかしら?」

 「さあ?私にはわかりかねますので何とも言えません!」

 「あら、結月あなたが珍しく弱気なのね?それとも弱気にさせる何かがあるのかしらね?」

 百合は結月の言葉を聞いて不思議に思うのだが結月自身はどんなに調べてもまったく情報が出て来ないことに疑問を抱くもどうして良いのかわからずにいた。百合も結月の表情を見ながら何をどうアドバイスしたらいいのか分からず気持ちが焦るばかりでイライラし始めるのだが結月に悟られないように懸命に隠すようにしていたのだった。この時百合たちを狙っているのが琉球王朝時代の者だとは気付いていなかったのだった。
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