revive〜リバイブ〜

雲母なぎ

文字の大きさ
上 下
5 / 5

warm〜暖かい〜

しおりを挟む
「お母様!!」
小さい私がお母様に向かって走って行く。
「おいでスカーレット」
お母様の腕の中はとても暖かった
こんなに愛を感じたのはいつぶりだろうか…
私の目から一雫涙がこぼれた。



私はゆっくりと目を開けた。目からは涙がこぼれていた
なぜ涙が出ているのか思い出せない。けれど良い夢だったきがする…
私は上半身を起き上がらせた
「か、身体が重い……」 
私の身体には包帯が巻かれていた
私は自分の身体から視線をはずして辺りを見渡した
「私の部屋じゃない…確か……そうか私は悪魔と戦ったのか…」
コンコンとドアをノックする音が聞こえた
「失礼しますエリスにございます」
ドアが開いた
そして私と目があったエリスは手に抱えていた包帯と布を落とした
「エリス」私は微笑んだ
「あ、あ、」エリスは言葉にできないのか手で顔を覆い腰が抜けたように床に座った
「エリス…?」
「もう、もうダメかと…もう貴女様の声を聞けないかと!!!!」
エリスはその場で泣き喚いた
私はエリスの側に行こうとしたが身体に激痛と鉛のような重さから立ち上がることができなかった
「エ、エリス…!」私は必死に名を呼ぶが届いていない
いけない!!エリスがかんしゃくを起こすと大変なことになる!!
すると急に地面が揺れだした
「エリス!!!」
エリスの周りには魔法陣が無数に出てきた 
「誰か!!!」
エリスは天井を見上げ涙を流し笑っていた。瞳の色が紫になっていた
「誰か!!!!!!!」
私は精一杯の声をだした
すると、ドアからエリスの目を覆うように手をかぶせたそして耳元で何かを囁くと
全てが嘘だったかのようにエリスは眠った
「アレス」
彼は眠ったエリスを抱きかかえ
「寝室に連れて行く」
そう言って出て行った
私はそっと息を吐いた。危なかった…あのまま誰もこなかったらみんな死んでいただろう
しかし…あれを止められるのはお母様と私だけだったのに…
ドアがノックされ扉が開いた
「やっと目覚めたね」
アレスがさっきの事を忘れたかのように明るい声で話しかけた
「不思議そうな顔をしているね」
私をみて少し笑ってベットの横にあるイスに座った
「私はどのくらい眠っていたの?」
「そりゃもう気が長くなるくらい」
そう言って笑っていた
「………エリスをありがとう」
私はうつむき加減で感謝をした
「会話する時は人の顔をみて話すって聞いてないの?」
すると私の顔をぐいっと引き寄せた
「やっと本当の貴女の顔を見ることができた」
アレスはクスクス笑っていた
「変な顔」
私は顔が急に赤くなって私の顔をつまんでいるアレスの手を振り払った
「ほんと無礼!」
またアレスはクスクスと笑っていた
「ごめん!ごめんって!」
アレスは私の頭を軽く撫でた
「エリスは本当に大変だった倒れていた君を見つけてさっき以上なかんしゃくを起こしたんだよ
エリスは本当に君が大切なんだね」
あまり深い事は聞けなかっただって前に会った時にはなかった傷が腕にあったから
「本当にごめんなさい…」
「謝ることなんて無い。貴女がいなかったらあの悪魔には勝てなかった客人だというのに
深い傷を負わせてしまい本当に申し訳ない」
アレスは真剣な顔付きになって片膝をつき私の左手をおでこにつけた
「どうかゆっくりと休んでいってくれ」
そういうとアレスは立ち上がりドアに向かった
「私の国から何か連絡は??」
アレスは振り返った
「連絡手段を閉ざされ、今回復に努めている。だからもう少しかかる」
「そう」
「また来る」
そう言って部屋から出て行った

それから数日後、私の傷も癒えてきて歩けるようになった

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...