WUSOH〜裏路地のリーダー

ラドリー

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第1話。不良生徒な高校生。その名はジョージ

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身長178、体重58Kg。
白く濁った右目はほとんど視力がなく、指が女子のように長いのが特徴。
鳥手譲治は高校生である。
生まれは京都、育ちは埼玉。
名前は海外でも呼び慣れそうな名前であること、故に小さな世界に収まらず、世界中に名を馳せてほしいというお爺様の願いが込められている。

鳥手譲治は不登校である。
いや、不登校というのは少しばかりおかしいか。彼は別に、全く学校に行ってないわけではない。せいぜい週に6日休んでるかどうかだ。
休んでる理由はあまり詳しい話は出回っていないが、怪しい先輩と怪しいことをしているというのがもっぱらの噂である。

そして鳥手譲治は不良である。
かつて昔、親が離婚したきっかけになった事件があるのだが、その時に姉と数日間行方不明になり、その後しばらく荒れていたとか。
そんな不良で、不登校な高校生が、今回の物語の主人公である。

2月は19日、朝の8時。
腕にしがみつく何かを感じ、鳥手は腕を見る。
その顔を、その瞳をまじまじと見て、ようやくそれがアゲハだと気づく。
『こんにちは!』
「お、そんなところにいるのはアゲハだぞ、おさんぽか?」
『そんな感じ。天気もいいからね!』
「そっか」
『そんなジョージさんは学校かな?』
「そんな感じだぞ。天気も良いからね」
『天気がいいから学校いくの……?』
まぁいいか、アゲハはパタパタと踊りながらはしゃぐ。
そんなアゲハを尻目に、鳥手譲治は歩を進める。
『私も学校ついてこーかなー?』
「好きにしたらいいぞ」
『いいの!?』
「良いわけねぇだろ」
あはは~、と笑うアゲハ。
純粋無垢なその姿は、まるで穢れを知らない妖精のそれだった。
「おろろ!?ジョージくんじゃーん!」
「……一週間ぶりくらいですねジョージ君」
アゲハと鳥手が談笑していると、鳥手の後ろから声がした。
「あぁ、ミクとスワコか」
騒がしい方が女子バスケ部のミク。
大人しい方が吹奏楽部のスワコ。
2人は鳥手のクラスメイト、いつも一緒にいる仲良し女子二人組だ。
「アゲハちゃんだ!パタパタ可愛いねぇ!!」
「もっと可愛がってやってくれてもいいんだぞ?」
「……なんでまた学校に?」
「来ちゃ悪いのかよ……」
小学生みたいな思考のミクは、スワコの手を握り締めながらアゲハの可愛さにテンションが上がっていた。
そんな中、真逆の低テンションのスワコが言う。
「……今回は裏路地で数十人が倒れていたらしいよ。全員が足の骨を折られてて入院してる」
「ニュース見たよ。不良グループが潰し合っただけだろ?」
「……でも、また【裏路地のリーダー】が出たらしいの」
「リーダー?」
「……そう。友達の彼氏もそれで入院したことあるんだって」
裏路地のリーダーとは、この付近の都市伝説みたいなものだ。
無言で仲裁に入り、刃物を持った相手に対しても素手で倒すことから、一般市民からしたらダークヒーローのような存在である。
ちなみに不良、ヤクザなどからすると、死神のような扱いを受けているらしい。
なぜそんな話をするのだろうか?鳥手はまじまじとスワコの眼を覗く。
『……ジョージくんが心配なのよ。不良だし、喧嘩っ早いし』
「あいにく俺はリーダーなんてしらねぇが、俺は別に今は喧嘩とかしないし、俺なら大丈夫だから気にすんな」
ぽかん、と口を開けたままのスワコであったが、ふふっと笑い始める。
「……心配なんかしてないわよ、ばか」
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