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1章 記憶海の眠り姫
13 洪水
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***
「海……海……」
若き女王シエルは癖なのだろうか、緩やかに波打つ桃色の髪を弄りながら唸る。必死に思い出そうと奮闘した末でしょんぼりと肩を落とす。翠玉の瞳を申し訳ない、と言わんばかりに潤ませて頭を下げた。
「ごめんなさい。神子の血を引くご先祖様の記憶をざっと辿ってみたけれど、伝承以上のものは出てこないみたい」
ここはラエティティア王国の中心、麗しき女王がおわす城、その客室である。セラフィの伝手で入城の許可を得たソフィアは彼と二人、シエルを訪ねた。何故他の仲間を連れてこなかったのかと言えば、神子の事情を知るのが二人だけだったためである。正確にはクロウもソフィアからある程度情報は得ているのだが、シエルとて神子の血を引かぬ者に機密である力を見せるわけにはいかないだろう。今は回復に努めてもらっている。
繊細な薔薇が描かれたカップには側に立つゼノが淹れた赤色の紅茶が湯気を立てている。
ソフィアは素性を隠さず話した。自分が最後の神子の血を引く者だということを。実際に少しだけ能力を見せれば、過去の記録を確認したシエルもゼノも納得して彼女をお茶の席に着くことを許可した。
「大陸中に人間が住んでいた頃も、ラエティティア王家はずっと中央にいたみたいね。シアルワ王家も貴女の所もきっとそうだと思うわ。女神様がいらっしゃったのが中央部ですもの。離れるワケにはいかなかったのね」
「僕も実物を見たことはないな。川を辿ればいずれはたどり着けるかもしれないけど。……あぁ、そういえば」
同じく考え込んでいたゼノはふと思いだして手を打った。
「五百年以上も前の話にはなるんだけど、当時は流浪していた人間も多くてね。その中に海の方からの移民集団もいたような気がするよ。文化を伝え歩いていたんだったかな……ええと、確かその中から何人かラエティティアに移住して……ええと」
「つまり?」
「海からの移住者、その子孫がもしかしたらラエティティア王国にいるかもしれない。場所までは流石に分からないけど」
ソフィアとセラフィは顔を見合わせる。
いくら昔に比べて人口が減少した大陸とはいえ、一国は広い。その中から特定の人間を場所の情報もなく捜すことは無謀だろう。おまけに子孫だという彼らが海に関する情報を持っているのかも怪しい。
その時だった。
「失礼します、シエル様!」
雑なノックの後に返事も聞かず飛び込んできたのは少年だ。薄い桃色がかった白色の髪が汗で湿っている。相当急いでいたのだろう。
「あら、どうしたの? アル。今はお客様が……」
「ごごごごめんなさい! でもちょっとお耳に入れたいことが!」
「急ぎの用なのでしょう? どうぞ」
ソフィアが促せば、アルはぺこりとお辞儀をしてシエルに何か囁きかける。それを聞いたシエルは怪訝そうな顔を浮かべ「なんですって?」と零した。
「シエル?」
「リトレで水害が起きているらしいの。町中水浸しですって。少なくとも大人の足首くらいまでは水に覆われてしまっているみたい」
「リトレ……あぁ、あの丘の下にある……。側に川があったね。でも住宅街よりは下にあったはずだよ」
「えぇ、そうなの。あそこでそんな自然災害が起きるなんて考えられない」
ソフィアも思う。あまりにも都合の良すぎる、そして不審な事件であると。行ってみる価値はあるのかもしれない。
「住民の避難状況は?」
「は、はい! 避難はすでに始まっていて、あらかた隣のシレークスに避難したみたいです。既に騎士達が現地に赴いてその水らしきものを確認したとのことですが――」
アルは首を傾げつつ続ける。
「ただの水ではなく、塩分などといった成分が多いみたいで。人体に猛毒というわけではなさそうなのですが、ものすごく塩辛いみたいです」
「うーん。よく分からないね。国立研究院から調査隊を派遣しましょうか……その警備にも少し人材を割きましょう。アル、騎士団長さんにそう伝えてきてくれる?」
「はい! ありがとうございます、失礼しました!」
ぴし、と敬礼をしてアルは再び慌ただしく部屋から出て行く。その際ソフィア達にもきちんと礼をするのを忘れない。
アルの足音が遠ざかってからソフィアはセラフィの肩を軽くつついた。彼が頷きで返したことを確認して、シエルに向き合う。
「私たちもそこへ向かっても良いかしら?」
「あら。そうね……構わないわ。特に危険もなさそうだし……調査隊の邪魔だったり民に被害が出なければ、の話だけど。でも貴女なら大丈夫そうね。悪い人には見えないもの」
シエルはぬるくなってしまったお茶を一口飲み、ほっと息をついた。
ぱちりと瞬いたソフィアの瞳を覗き込んで、可愛らしく微笑む。女王らしさというよりは、可憐な少女のような……柔らかい微笑みを。
「ごめんなさい。きっと急いでいるのよね? ありがとう、お茶に付き合ってくれて。普段とは違うメンバーだったから新鮮だったわ」
「こちらこそ。有意義な時間をありがとう、シエル様」
この中でセラフィ以外は神子について熟知している。セラフィも神子という存在自体は知っているのだが、その歴史や呪いまではまだ知らない。
もしも知っていたのなら……哀れで、そして美しい女王同士が相対する様を想像しただろう。何かがズレていたのなら、セラフィの隣に座すソフィアも王家という枠組みの中に入っていただろうから。
***
クロウたちに事情を説明し、すぐさま外出の準備が整えられた。メンバーはソフィア、クロウ、セラフィの三人。カラスのメンバーは研究院について情報を集めに向かい、セルペンスやシェキナたちはプレジールに残りソフィアたちの帰りを待っている。ノアやラルカを危険かもしれない場所に連れて行くことはできないため、その付き添いである。行き先は伝えてあるため、何かがあればリトレで落ち合うことになっている。
リトレという町は王都プレジールから遠くない位置に存在する。下り坂である街道を進んだ先にあり、周りを小高い丘に囲まれている。プレジールや他の町と交流しつつ、のどかな暮らしを人々は送っている――はずだったのだが。
歩いて半日。辿り着いたその町は、どっぷりと水に浸かっていた。もうすぐ日が暮れるという時間帯、夕焼けがキラキラと反射して美しさすら感じる。ざっくり表すのならばお椀の底に作られた町が沈まないギリギリのところで水が溜まっている、という有様だ。
アルの報告によれば足首くらいまでの浸水だったのが、たった半日でソフィアの腰付近まで増水しているようだった。
水には入らず、何やら話し合っている調査員たちの元へ近づく。
「失礼。聞きたいことがあるのだけど」
「あぁ、貴女方がシエル様のお知り合いですか。話は聞いています
「話が早くて助かるわ。……この水はどこから流れてきたのか、というのはもう分かっているのかしら?」
調査員の中で長らしき壮年の男性は、整えられた髭に触れながらソフィアの質問に答える。
「まだ詳しいことは調べ切れていないのですがね。どうやら、丘の上の祭祀遺跡が壊れてしまい、そこから流れてきているようですね。その下に発見されていない地下水源があったのかもしれません」
「……そう。ありがとう。少し行ってみるわ」
リトレの祭祀遺跡は規模こそ小さいものの、住人たちから大切に扱われて守られてきた遺跡だ。五百年以上昔、まだラエティティア王城が別の場所にあった時、この地は国境付近であり別国の領地だったという。ラエティティア王国の遺跡、というわけではないのだが、文化財として今でも保護されている。
ソフィア達は水源であるという祭祀遺跡に向かうことにした。
「海……海……」
若き女王シエルは癖なのだろうか、緩やかに波打つ桃色の髪を弄りながら唸る。必死に思い出そうと奮闘した末でしょんぼりと肩を落とす。翠玉の瞳を申し訳ない、と言わんばかりに潤ませて頭を下げた。
「ごめんなさい。神子の血を引くご先祖様の記憶をざっと辿ってみたけれど、伝承以上のものは出てこないみたい」
ここはラエティティア王国の中心、麗しき女王がおわす城、その客室である。セラフィの伝手で入城の許可を得たソフィアは彼と二人、シエルを訪ねた。何故他の仲間を連れてこなかったのかと言えば、神子の事情を知るのが二人だけだったためである。正確にはクロウもソフィアからある程度情報は得ているのだが、シエルとて神子の血を引かぬ者に機密である力を見せるわけにはいかないだろう。今は回復に努めてもらっている。
繊細な薔薇が描かれたカップには側に立つゼノが淹れた赤色の紅茶が湯気を立てている。
ソフィアは素性を隠さず話した。自分が最後の神子の血を引く者だということを。実際に少しだけ能力を見せれば、過去の記録を確認したシエルもゼノも納得して彼女をお茶の席に着くことを許可した。
「大陸中に人間が住んでいた頃も、ラエティティア王家はずっと中央にいたみたいね。シアルワ王家も貴女の所もきっとそうだと思うわ。女神様がいらっしゃったのが中央部ですもの。離れるワケにはいかなかったのね」
「僕も実物を見たことはないな。川を辿ればいずれはたどり着けるかもしれないけど。……あぁ、そういえば」
同じく考え込んでいたゼノはふと思いだして手を打った。
「五百年以上も前の話にはなるんだけど、当時は流浪していた人間も多くてね。その中に海の方からの移民集団もいたような気がするよ。文化を伝え歩いていたんだったかな……ええと、確かその中から何人かラエティティアに移住して……ええと」
「つまり?」
「海からの移住者、その子孫がもしかしたらラエティティア王国にいるかもしれない。場所までは流石に分からないけど」
ソフィアとセラフィは顔を見合わせる。
いくら昔に比べて人口が減少した大陸とはいえ、一国は広い。その中から特定の人間を場所の情報もなく捜すことは無謀だろう。おまけに子孫だという彼らが海に関する情報を持っているのかも怪しい。
その時だった。
「失礼します、シエル様!」
雑なノックの後に返事も聞かず飛び込んできたのは少年だ。薄い桃色がかった白色の髪が汗で湿っている。相当急いでいたのだろう。
「あら、どうしたの? アル。今はお客様が……」
「ごごごごめんなさい! でもちょっとお耳に入れたいことが!」
「急ぎの用なのでしょう? どうぞ」
ソフィアが促せば、アルはぺこりとお辞儀をしてシエルに何か囁きかける。それを聞いたシエルは怪訝そうな顔を浮かべ「なんですって?」と零した。
「シエル?」
「リトレで水害が起きているらしいの。町中水浸しですって。少なくとも大人の足首くらいまでは水に覆われてしまっているみたい」
「リトレ……あぁ、あの丘の下にある……。側に川があったね。でも住宅街よりは下にあったはずだよ」
「えぇ、そうなの。あそこでそんな自然災害が起きるなんて考えられない」
ソフィアも思う。あまりにも都合の良すぎる、そして不審な事件であると。行ってみる価値はあるのかもしれない。
「住民の避難状況は?」
「は、はい! 避難はすでに始まっていて、あらかた隣のシレークスに避難したみたいです。既に騎士達が現地に赴いてその水らしきものを確認したとのことですが――」
アルは首を傾げつつ続ける。
「ただの水ではなく、塩分などといった成分が多いみたいで。人体に猛毒というわけではなさそうなのですが、ものすごく塩辛いみたいです」
「うーん。よく分からないね。国立研究院から調査隊を派遣しましょうか……その警備にも少し人材を割きましょう。アル、騎士団長さんにそう伝えてきてくれる?」
「はい! ありがとうございます、失礼しました!」
ぴし、と敬礼をしてアルは再び慌ただしく部屋から出て行く。その際ソフィア達にもきちんと礼をするのを忘れない。
アルの足音が遠ざかってからソフィアはセラフィの肩を軽くつついた。彼が頷きで返したことを確認して、シエルに向き合う。
「私たちもそこへ向かっても良いかしら?」
「あら。そうね……構わないわ。特に危険もなさそうだし……調査隊の邪魔だったり民に被害が出なければ、の話だけど。でも貴女なら大丈夫そうね。悪い人には見えないもの」
シエルはぬるくなってしまったお茶を一口飲み、ほっと息をついた。
ぱちりと瞬いたソフィアの瞳を覗き込んで、可愛らしく微笑む。女王らしさというよりは、可憐な少女のような……柔らかい微笑みを。
「ごめんなさい。きっと急いでいるのよね? ありがとう、お茶に付き合ってくれて。普段とは違うメンバーだったから新鮮だったわ」
「こちらこそ。有意義な時間をありがとう、シエル様」
この中でセラフィ以外は神子について熟知している。セラフィも神子という存在自体は知っているのだが、その歴史や呪いまではまだ知らない。
もしも知っていたのなら……哀れで、そして美しい女王同士が相対する様を想像しただろう。何かがズレていたのなら、セラフィの隣に座すソフィアも王家という枠組みの中に入っていただろうから。
***
クロウたちに事情を説明し、すぐさま外出の準備が整えられた。メンバーはソフィア、クロウ、セラフィの三人。カラスのメンバーは研究院について情報を集めに向かい、セルペンスやシェキナたちはプレジールに残りソフィアたちの帰りを待っている。ノアやラルカを危険かもしれない場所に連れて行くことはできないため、その付き添いである。行き先は伝えてあるため、何かがあればリトレで落ち合うことになっている。
リトレという町は王都プレジールから遠くない位置に存在する。下り坂である街道を進んだ先にあり、周りを小高い丘に囲まれている。プレジールや他の町と交流しつつ、のどかな暮らしを人々は送っている――はずだったのだが。
歩いて半日。辿り着いたその町は、どっぷりと水に浸かっていた。もうすぐ日が暮れるという時間帯、夕焼けがキラキラと反射して美しさすら感じる。ざっくり表すのならばお椀の底に作られた町が沈まないギリギリのところで水が溜まっている、という有様だ。
アルの報告によれば足首くらいまでの浸水だったのが、たった半日でソフィアの腰付近まで増水しているようだった。
水には入らず、何やら話し合っている調査員たちの元へ近づく。
「失礼。聞きたいことがあるのだけど」
「あぁ、貴女方がシエル様のお知り合いですか。話は聞いています
「話が早くて助かるわ。……この水はどこから流れてきたのか、というのはもう分かっているのかしら?」
調査員の中で長らしき壮年の男性は、整えられた髭に触れながらソフィアの質問に答える。
「まだ詳しいことは調べ切れていないのですがね。どうやら、丘の上の祭祀遺跡が壊れてしまい、そこから流れてきているようですね。その下に発見されていない地下水源があったのかもしれません」
「……そう。ありがとう。少し行ってみるわ」
リトレの祭祀遺跡は規模こそ小さいものの、住人たちから大切に扱われて守られてきた遺跡だ。五百年以上昔、まだラエティティア王城が別の場所にあった時、この地は国境付近であり別国の領地だったという。ラエティティア王国の遺跡、というわけではないのだが、文化財として今でも保護されている。
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