3 / 51
1章 贖罪の憤怒蛍
1 相次ぐ不吉
しおりを挟む
ぴぃ、と小鳥の囀る声にレイは目を覚ます。
どうせならここでしばらく滞在しなよ、といつだったか言ってくれたシアルワ王の気遣いで宛がわれた客人用の部屋、そのふかふかなベッドの上から起き上がる。そこから立ち上がって、閉じられたカーテンをそっと開くと、ちょうど夜明けの刻だった。
空には黒に近い青が広がり、遠い地平線の向こうで白色にも見える朝日が僅かに顔を覗かせている。やがて太陽は空を淡い紫色へと染め上げ、雲とのコントラストを曖昧にさせた。
レイは、毎日このぐらいの時間に起きる。
隠された森で暮らしていたころから変わらない。あの時は暴行後の身体の痛みからよく眠れなかった、故に早起きだった。それが今も日課として続いてしまっている。
シャルロットと出会ってからは穏やかに夜明けを眺める時間となっていたのだが、今日のレイはその整った顔を曇らせていた。
シャルロットの二つ上の兄、セラフィが死んだ。そして戻ってきたソフィアもまた、心を閉ざしてしまっていた。
少し前までは希望に満ちていたシアルワ城が今は沈鬱に支配されており、心なしか空気も重い。この城の主が感情を隠し切れていないのと、セラフィの知り合いが城に多く居すぎたことが原因だ。
切り替えなければ、と思うが、祭りで描いてもらったという似顔絵を一日中眺めて動かない少女を見てそうは言えない。涙こそ流していないものの、その心には何が渦巻いているのだろう。――想像が、つかなかった。
服を着替えてぼんやりしているとこんこん、とノックの音。
返事をすれば、夜空色の髪を低い位置に結ったミセリアが部屋に入ってくる。
淡く微笑んで、簡単な挨拶の後に彼女は腕を組んだ。
「突然すまないな。こんな時間に」
「いえ。いつも起きていますから」
「そうか。今フェリクスが眠っているから、今のうちに根回しをしようと思ってな」
「根回し?」
小さく頷きが返ってくる。
「あぁ。この空気をどうにかした方がいいと思ってな。これじゃあ、あいつが報われないから……。だから、お前とシャルロットの二人には気分転換に任務でもこなしてもらおうと思って」
そう言って差し出されたのは、数枚の紙だった。
受け取って流し読みをする。
「行方不明者の、捜索?」
「そうだ。あの事件から急に行方不明者が相次ぐ新たな事件が発生しているそうだ。場所はシアルワ、ラエティティア両国まばらだが……二人にはラエティティアのロンガという街に行ってもらいたい。あぁそうだ、ちょうどもうすぐ冬明けの祭りがそこであるそうだよ」
「冬明けの祭り」
「そう。風の噂で聞いただけだ」
かさ、と一番下の紙だけ紙質が違うことに気がつき見てみれば、その冬明けの祭りについて紹介されたパンフレットだった。
つまりは捜索に関しては建前で、祭りにでも行ってこいと。
この王妃様はそう仰っている。
「はい、分かりました。……お気遣いありがとうございます。あの、フェリクスさんは」
「あいつは簡単に城から離れられないからな。私がなんとか引っ張り上げるさ。お前はシャルロットを頼んだぞ」
「……ミセリアさんは、お強いのですね」
肩をすくめる気配がする。
「私だって一時期強さに関して気にしていた時期があったが、そんなの気にしすぎても無駄だ。まずは前を向くところから始めないと。――あれで終わったわけじゃないから。私たちにはまだ、やるべきことがある」
「そうですね。そうします」
***
この世界において、祭りというものは都市の大きなものから村の小さなものまで、一年のうちに頻繁に行われている。
日々精霊に脅かされている人間たちにとっての娯楽だ。日常の根底に根付く恐怖を忘れるため、祭りという未来を据えて恐慌状態に陥らないようにするための人類のささやかな抵抗だ。
しかし、表だって人間をいたぶっていた大精霊ビエントが活動を止めた今は祭りの活気も増すというもの。ラエティティア王国で行われる冬明けの祭りも、開催地であるロンガの民達が随分と前から気合いを入れて準備をしていると聞く。
ラエティティア王国のやや北側に位置する街ロンガは、王都プレジールに次いで規模が大きい。シアルワ王国の豪雪地帯ほどではないものの、冬にはうっすら雪が積もる。
街はあちこちで高低差があり、石畳の坂道や階段が迷路のように設置されている。可愛らしいパステル調の石造りの建物がぎっしりと並ぶ様は、火事にも多少の衝撃にも耐えうる堅牢な造りながら厳つい雰囲気を感じさせないようにするための工夫だという。
というのは馬車に揺られながら読んでいたパンフレットから知った情報で、レイは実際の景色を見たことがない。
沈黙が渦巻く車内を、俯かせていた顔を少しだけ上げて支線だけで見渡す。
向かいに座っているのはシャルロットとルシオラで、二人とも窓の外を眺めながら口を閉ざしていた。何故ルシオラがいるのかと言えば、シャルロットが希望したからである。「――お兄ちゃんも一緒にっていうのは、だめかな」と問われたら断れるはずもない。
今回は民間の馬車を利用しての旅だが、普段なら陽気にあちこちガイドをしてくれる御者も重苦しい雰囲気を察して黙って手綱を握っている。
(……な、何か話題を……でも……)
内心焦りながらレイは再びパンフレットに視線を落とす。
少しでも長く続きそうな話題を探すためだったが、話の切り出し方が分からない。
悶々と悩むこと数分、空気を切り裂くかのように口を開いたのはルシオラだった。
「ロンガには、プレジールよりも前に勤めていた研究所がある。俺がいた部門は潰れてしまったが、古代を研究している部門が管理する博物館があるはずだ。着いたら、行ってみるか」
「……お兄ちゃんは、大丈夫なの?」
「服は着替えていくし、精霊部門は他の部門とほとんど関わらなかったから顔は知られていないだろう。君も、それで良いか? 祭りは明後日からだから、時間もある」
「え、あ、はい。お、俺も博物館へ行ってみたいです!」
焦ってつい声が上ずってしまったが、ルシオラは小さく頷いただけで腕を組む。静謐さを湛えた翡翠の瞳がちらりと妹を捉えた。
「案内は俺がする。滞在していた期間はさほど長くないが、多少は街の構造も覚えているはずだ」
「うん。楽しみだね」
兄の隣で微笑んだシャルロットだが、それを見たレイの心に靄が広がる。
違う。あれは彼女の本当の笑顔じゃない。
本当はもっと明るくて、寒いところにいたレイを温かく照らしてくれた。それなのに今の笑顔は普通のようでいて、確かな陰が宿っていた。何も知らない人間が見たら気がつかないだろうが、レイには分かる。ルシオラもきっとそうだ。
(……どうしたら、あの笑顔を取り戻せる? 俺にその力はある?)
ふと思う。
今までレイはシャルロットに助けられてばかりで、何も返せていないと。瘴気という恐ろしいものに触れて浄化して、苦しかったはずだ。その隣にいたレイは立っていることしか出来なかった。苦しい思いをしたのに。その見返りは。
先ほどとは違う、漠然とした焦りが波紋の如く広がっていくのを感じた。
(俺には何が出来るんだろう)
「……イ」
(彼女みたいな力なんて何もないのに)
「レイ、大丈夫?」
「あ。ご、ごめん。何かな?」
当のシャルロットに呼びかけられて、慌てて笑顔を取り繕う。
小首を傾げている彼女は、どこか虚ろな笑顔のままで外を指さした。
「着いたみたい。行こっか」
気がつけば、馬車が動きを止めていた。
どうせならここでしばらく滞在しなよ、といつだったか言ってくれたシアルワ王の気遣いで宛がわれた客人用の部屋、そのふかふかなベッドの上から起き上がる。そこから立ち上がって、閉じられたカーテンをそっと開くと、ちょうど夜明けの刻だった。
空には黒に近い青が広がり、遠い地平線の向こうで白色にも見える朝日が僅かに顔を覗かせている。やがて太陽は空を淡い紫色へと染め上げ、雲とのコントラストを曖昧にさせた。
レイは、毎日このぐらいの時間に起きる。
隠された森で暮らしていたころから変わらない。あの時は暴行後の身体の痛みからよく眠れなかった、故に早起きだった。それが今も日課として続いてしまっている。
シャルロットと出会ってからは穏やかに夜明けを眺める時間となっていたのだが、今日のレイはその整った顔を曇らせていた。
シャルロットの二つ上の兄、セラフィが死んだ。そして戻ってきたソフィアもまた、心を閉ざしてしまっていた。
少し前までは希望に満ちていたシアルワ城が今は沈鬱に支配されており、心なしか空気も重い。この城の主が感情を隠し切れていないのと、セラフィの知り合いが城に多く居すぎたことが原因だ。
切り替えなければ、と思うが、祭りで描いてもらったという似顔絵を一日中眺めて動かない少女を見てそうは言えない。涙こそ流していないものの、その心には何が渦巻いているのだろう。――想像が、つかなかった。
服を着替えてぼんやりしているとこんこん、とノックの音。
返事をすれば、夜空色の髪を低い位置に結ったミセリアが部屋に入ってくる。
淡く微笑んで、簡単な挨拶の後に彼女は腕を組んだ。
「突然すまないな。こんな時間に」
「いえ。いつも起きていますから」
「そうか。今フェリクスが眠っているから、今のうちに根回しをしようと思ってな」
「根回し?」
小さく頷きが返ってくる。
「あぁ。この空気をどうにかした方がいいと思ってな。これじゃあ、あいつが報われないから……。だから、お前とシャルロットの二人には気分転換に任務でもこなしてもらおうと思って」
そう言って差し出されたのは、数枚の紙だった。
受け取って流し読みをする。
「行方不明者の、捜索?」
「そうだ。あの事件から急に行方不明者が相次ぐ新たな事件が発生しているそうだ。場所はシアルワ、ラエティティア両国まばらだが……二人にはラエティティアのロンガという街に行ってもらいたい。あぁそうだ、ちょうどもうすぐ冬明けの祭りがそこであるそうだよ」
「冬明けの祭り」
「そう。風の噂で聞いただけだ」
かさ、と一番下の紙だけ紙質が違うことに気がつき見てみれば、その冬明けの祭りについて紹介されたパンフレットだった。
つまりは捜索に関しては建前で、祭りにでも行ってこいと。
この王妃様はそう仰っている。
「はい、分かりました。……お気遣いありがとうございます。あの、フェリクスさんは」
「あいつは簡単に城から離れられないからな。私がなんとか引っ張り上げるさ。お前はシャルロットを頼んだぞ」
「……ミセリアさんは、お強いのですね」
肩をすくめる気配がする。
「私だって一時期強さに関して気にしていた時期があったが、そんなの気にしすぎても無駄だ。まずは前を向くところから始めないと。――あれで終わったわけじゃないから。私たちにはまだ、やるべきことがある」
「そうですね。そうします」
***
この世界において、祭りというものは都市の大きなものから村の小さなものまで、一年のうちに頻繁に行われている。
日々精霊に脅かされている人間たちにとっての娯楽だ。日常の根底に根付く恐怖を忘れるため、祭りという未来を据えて恐慌状態に陥らないようにするための人類のささやかな抵抗だ。
しかし、表だって人間をいたぶっていた大精霊ビエントが活動を止めた今は祭りの活気も増すというもの。ラエティティア王国で行われる冬明けの祭りも、開催地であるロンガの民達が随分と前から気合いを入れて準備をしていると聞く。
ラエティティア王国のやや北側に位置する街ロンガは、王都プレジールに次いで規模が大きい。シアルワ王国の豪雪地帯ほどではないものの、冬にはうっすら雪が積もる。
街はあちこちで高低差があり、石畳の坂道や階段が迷路のように設置されている。可愛らしいパステル調の石造りの建物がぎっしりと並ぶ様は、火事にも多少の衝撃にも耐えうる堅牢な造りながら厳つい雰囲気を感じさせないようにするための工夫だという。
というのは馬車に揺られながら読んでいたパンフレットから知った情報で、レイは実際の景色を見たことがない。
沈黙が渦巻く車内を、俯かせていた顔を少しだけ上げて支線だけで見渡す。
向かいに座っているのはシャルロットとルシオラで、二人とも窓の外を眺めながら口を閉ざしていた。何故ルシオラがいるのかと言えば、シャルロットが希望したからである。「――お兄ちゃんも一緒にっていうのは、だめかな」と問われたら断れるはずもない。
今回は民間の馬車を利用しての旅だが、普段なら陽気にあちこちガイドをしてくれる御者も重苦しい雰囲気を察して黙って手綱を握っている。
(……な、何か話題を……でも……)
内心焦りながらレイは再びパンフレットに視線を落とす。
少しでも長く続きそうな話題を探すためだったが、話の切り出し方が分からない。
悶々と悩むこと数分、空気を切り裂くかのように口を開いたのはルシオラだった。
「ロンガには、プレジールよりも前に勤めていた研究所がある。俺がいた部門は潰れてしまったが、古代を研究している部門が管理する博物館があるはずだ。着いたら、行ってみるか」
「……お兄ちゃんは、大丈夫なの?」
「服は着替えていくし、精霊部門は他の部門とほとんど関わらなかったから顔は知られていないだろう。君も、それで良いか? 祭りは明後日からだから、時間もある」
「え、あ、はい。お、俺も博物館へ行ってみたいです!」
焦ってつい声が上ずってしまったが、ルシオラは小さく頷いただけで腕を組む。静謐さを湛えた翡翠の瞳がちらりと妹を捉えた。
「案内は俺がする。滞在していた期間はさほど長くないが、多少は街の構造も覚えているはずだ」
「うん。楽しみだね」
兄の隣で微笑んだシャルロットだが、それを見たレイの心に靄が広がる。
違う。あれは彼女の本当の笑顔じゃない。
本当はもっと明るくて、寒いところにいたレイを温かく照らしてくれた。それなのに今の笑顔は普通のようでいて、確かな陰が宿っていた。何も知らない人間が見たら気がつかないだろうが、レイには分かる。ルシオラもきっとそうだ。
(……どうしたら、あの笑顔を取り戻せる? 俺にその力はある?)
ふと思う。
今までレイはシャルロットに助けられてばかりで、何も返せていないと。瘴気という恐ろしいものに触れて浄化して、苦しかったはずだ。その隣にいたレイは立っていることしか出来なかった。苦しい思いをしたのに。その見返りは。
先ほどとは違う、漠然とした焦りが波紋の如く広がっていくのを感じた。
(俺には何が出来るんだろう)
「……イ」
(彼女みたいな力なんて何もないのに)
「レイ、大丈夫?」
「あ。ご、ごめん。何かな?」
当のシャルロットに呼びかけられて、慌てて笑顔を取り繕う。
小首を傾げている彼女は、どこか虚ろな笑顔のままで外を指さした。
「着いたみたい。行こっか」
気がつけば、馬車が動きを止めていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる