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「…壮、起きられるか?検査だって」あのあときっと泣いたのだろう、腫れた瞼がゆっくりあがる。「…充、来てくれたの」「あたりまえだろ。おばさんたちも心配してたぞ」
「特に異常はありません。もう退院してもいいですよ」「ありがとうございました。迷惑かけてすみません」「気をつけてくださいね」医師の許可がおりる。「じゃ帰るか」「うん。ごめんな」「いつまでいてもいいから」「うん。ありがと…」「シンは…来なかった?」充の遠慮がちな問いかけに壮は微笑みで返した。
シンは言われた通りに仕事をこなす。マネージャーが、社長が取ってきた仕事を毎日毎日。心がなくてもプログラミングされた通りに話し、笑う。一月たち、二月たち…人形のままのシンに、企てた社長ですら罪悪感を持て余す。シンの為だと信じてやったことだ、これでいいのだ。なかなか眠れなくなったシンは朝も1人では起きられない。インターホンを鳴らし鍵を開けるたびに沸き上がる後悔を、マネージャーはため息に隠す。
半年がたって、シンはふと共演者の腕に目を留めた。存在感のあるブレスレット、見覚えのあるデザイン。去年の誕生日に壮からもらったお揃いのキーケース。「そのブレスレット…」「あ、これ?いいでしょ。名のあるブランドじゃないんだけどね、気に入っちゃって」「…これと同じかな」「あら!キーケースもあるの?素敵、私も買おうかな」「貰い物で…どこで売ってるんですか?」壮は言った。「友達に頼んで作ってもらった」…「ミツル、っていうのよ。いろんなシリーズがあるんだけどね、これは“爽-sou-”」シンの目に久しぶりに光が差した。
「特に異常はありません。もう退院してもいいですよ」「ありがとうございました。迷惑かけてすみません」「気をつけてくださいね」医師の許可がおりる。「じゃ帰るか」「うん。ごめんな」「いつまでいてもいいから」「うん。ありがと…」「シンは…来なかった?」充の遠慮がちな問いかけに壮は微笑みで返した。
シンは言われた通りに仕事をこなす。マネージャーが、社長が取ってきた仕事を毎日毎日。心がなくてもプログラミングされた通りに話し、笑う。一月たち、二月たち…人形のままのシンに、企てた社長ですら罪悪感を持て余す。シンの為だと信じてやったことだ、これでいいのだ。なかなか眠れなくなったシンは朝も1人では起きられない。インターホンを鳴らし鍵を開けるたびに沸き上がる後悔を、マネージャーはため息に隠す。
半年がたって、シンはふと共演者の腕に目を留めた。存在感のあるブレスレット、見覚えのあるデザイン。去年の誕生日に壮からもらったお揃いのキーケース。「そのブレスレット…」「あ、これ?いいでしょ。名のあるブランドじゃないんだけどね、気に入っちゃって」「…これと同じかな」「あら!キーケースもあるの?素敵、私も買おうかな」「貰い物で…どこで売ってるんですか?」壮は言った。「友達に頼んで作ってもらった」…「ミツル、っていうのよ。いろんなシリーズがあるんだけどね、これは“爽-sou-”」シンの目に久しぶりに光が差した。
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