ガルシア戦記

千山一

文字の大きさ
148 / 198
第6巻 巨大、メビオス王国

第3章 魔王討伐No.2

しおりを挟む
ーーマッドリーダーの応接間
ーゲルド視点

「いや!!!王様!!!今回はお日柄も良く……」
「……いや、外は土砂降りだぞ?それに俺は“王様”ではなく“リーダー”……」

スペニア国の代表大使兼商売人のゲルドは“カキンッ”と固まってしまった。
ここはマッドリーダーの応接間。40畳の長方形で数人が“ズラリ”と横に並び立っていた。
改めて見ると“圧巻”といっても過言ではない。
マッドは王様のように上から目線の方は好みではなく常に対等、つまり同じ目線で話し合いたいと要望した。副リーダーであるターケンはそれを了承し、円満解決となったが……なったんだけど大きな事件が起きてしまった!
その事件は“シルバードラゴンいなくなった”事件である。
もちろん、シルバードラゴンが居なくなることを了解済みで寂しくなったが、シルバードラゴンがいなくなってこれほどまでの被害が受けてしまうことは予想しなかった……その事件の内容は大陸別で通じなくなる事件である。

コレは誰もが予想しなくて本当に本当に苦労したが、試行錯誤しながらどうにか通じるようになり、元の生活に戻っていった。
そんな時に初めての大使…つまり初のスペニア国の使者が訪れた。
この使者によると、どう友好関係を結んでアジカ大陸の窓口としてサポートして欲しいとのことだった。
そして、見返りとしてスペニア国の技術を提供する。そしてこちら側も鉄を輸出するなど、双方にとって良い関係が築かれた。
ただ、スペニア国は良い関係なのだが、裏では社会崩壊になるのではないのか?
という噂が広まった。その噂とは“麻薬”である。独走状態であるスペニア国は
“麻薬を大量に横流しをしてクロール国を弱らせているのではないか?”と噂が広まった…その噂が広まったタイミングが今回の代表である。もちろん、噂レベルに関しては信憑が乏しく“あくまでも噂レベル”ではあるが、正直疑ざる負えない。

「本当に本当に申し訳ございません!このお詫びはどうしたら良いのか……」
「いいよ!いいよ!それよりも、何でここに寄ったの?」

“ここが勝負だ!”
クロール外交といっても過言ではない、この状況では大きな山場になっていた。

「いやー新しい武器がどのようになっているか、気になっていましてね……で、どうですか?」

ゲルドの表は“ニコニコ!スマイル!”を保てているが、裏では正直、焦っていた。
何故なら、もし成功したならば領主として奪うことを約束しているが、失敗したのであれば……。
どうしても死にたくないのだ!

「ん?あぁ、防具や剣のことか?凄く重宝しているよ……そうだなぁ、あと1000を頼む」
「了解しました!早速、本国に帰って手配しますね!」

“良かった……けど、周りいる殺気はなんだ?”
ゲルドは両手を“スリスリ”しながら、営業スマイルを継続している…だが、さっきから強烈なオーラを醸し出している。だが、マッドの手前、周りを見ることができない。

「では、早速帰りますね!」
「この雨の中でも?」
「スペニア男子たるもの、雨が降ったところで何になりますか!ってヤツです」

ゲルドは“スウッ”と立ってマッドの方へ笑顔で挨拶をした。

「それでは、失礼します(^^)」

再びドアの手前で立ち止まり笑顔で挨拶をしながらドアを閉めた。
“バタン”
というドアを閉める音がした。


ーー誰もいない廊下
ーガルシア視点


ゲルドは再び誰もいないことを確認する。そして、ゲルドは歩きながら考え込んでしまう……すると突然背後から声がしてきた。

「なんじゃ?ザゴか……」

雨が降ってよく分からないが、ゲルドのオーラは殺気立っている。

「……なんですか?本当に失礼ですよね」
「まぁ、まぁ、そんなに怒らずに……魔族同士、話し合いましょうよ」

ゲルドが“ビクッ”に対し、俺は笑顔で返した。

「し、知ってたのか?」

俺は“ニヤリ”と不敵な笑みを浮かべた。だが、シルバードラゴンとの打ち合わせの段階はまだまだである。

「そりゃ、知っているわ。まさか大使が魔族とはのう……」

“もちろん、嘘である”
隠れて様子をみようと提案してきたのがシルバードラゴンで、魔族が大使であることを見破ったのがシルバードラゴン。
つまり、シルバードラゴンが全て失敗したのだ……ただ、魔族なのか、臆することなくシルバードラゴンが立っている。
“ピキッ”
魔族特有の“領域”が張り巡らせている。

「ほぅ、大使となれば“領域”を使えるのう…」

俺はというと、シルバードラゴンとの打ち合わせがあったから余裕だったけど、打ち合わせがなかったらピリピリとオーラ全開になってたかもしれんなぁ…。

「では、ワシもオーラを出すとしよう……フン!」

シルバードラゴンはオーラを出すべく背中に力みを入れた。その直後、領域が解かれてしまった……つまり、圧倒的なシルバードラゴンのオーラに負けて諦めてしまったのだ。

「わ、悪かったよ。謝るよ」
「分かれば良いのじゃ……ただし、一つだけ条件がある」

俺は“ニヤニヤ”ことに対して、ゲルドも“いやいや、そんなはずは…”という顔をしていた。

「スペニア国まで連れて行って欲しいのじゃ!」

それを聞いてしまったゲルドは放心状態になり、その場で崩れ落ちてしまった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

(完結)姑が勝手に連れてきた第二夫人が身籠ったようですが、夫は恐らく……

泉花ゆき
恋愛
蘭珠(ランジュ)が名門である凌家の嫡男、涼珩(リャンハン)に嫁いで一年ほど経ったころ。 一向に後継ぎが出来ないことに業を煮やした夫の母親は、どこからか第二夫人として一人の女性を屋敷へ連れてくる。 やがてその女が「子が出来た」と告げると、姑も夫も大喜び。 蘭珠の実家が商いで傾いたことを口実に、彼女には離縁が言い渡される。 ……けれど、蘭珠は知っていた。 夫の涼珩が、「男女が同じ寝台で眠るだけで子ができる」と本気で信じているほど無知だということを。 どんなトラブルが待っているか分からないし、離縁は望むところ。 嫁ぐ時に用意した大量の持参金は、もちろん引き上げさせていただきます。 ※ゆるゆる設定です ※以前上げていた作の設定、展開を改稿しています

記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】

かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。 名前も年齢も住んでた町も覚えてません。 ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。 プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。 小説家になろう様にも公開してます。

借金5億で異世界転移、よりによって金本位制の世界だった

夜明け一葉
ファンタジー
32歳の個人トレーダー・佐藤慧は、5年間の雪辱を賭けたトレードで5億円の借金を抱え、意識を失った。目覚めると、そこは剣と魔法が存在する見知らぬ世界だった。常識が通じない異世界で、金貨を見るだけで嘔吐する「金アレルギー」を抱えながら、若き冒険者リナと出会い、生き延びる術を探し始める。諦めることだけができなかった男が、新たな世界で再び立ち上がる異世界サバイバル譚。

処刑から始まる私の新しい人生~乙女ゲームのアフターストーリー~

キョウキョウ
恋愛
 前世の記憶を保持したまま新たな世界に生まれ変わった私は、とあるゲームのシナリオについて思い出していた。  そのゲームの内容と、今の自分が置かれている状況が驚くほどに一致している。そして私は思った。そのままゲームのシナリオと同じような人生を送れば、16年ほどで生涯を終えることになるかもしれない。  そう思った私は、シナリオ通りに進む人生を回避することを目的に必死で生きた。けれど、運命からは逃れられずに身に覚えのない罪を被せられて拘束されてしまう。下された判決は、死刑。  最後の手段として用意していた方法を使って、処刑される日に死を偽装した。それから、私は生まれ育った国に別れを告げて逃げた。新しい人生を送るために。 ※カクヨムにも投稿しています。

あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜

南 鈴紀
キャラ文芸
 妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。  しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。  掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。  五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。  妖×家族の心温まる和風ファンタジー。

【完結短編】真実の愛を見つけたとして雑な離婚を強行した国王の末路は?

ジャン・幸田
恋愛
真実の愛を見つけたとして政略結婚をした新妻を追い出した国王の末路は、本人以外はハッピーになったかもしれない。

道化たちの末路

希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と愛人母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

処理中です...