148 / 174
第6巻 巨大、メビオス王国
第3章 魔王討伐No.2
しおりを挟む
ーーマッドリーダーの応接間
ーゲルド視点
「いや!!!王様!!!今回はお日柄も良く……」
「……いや、外は土砂降りだぞ?それに俺は“王様”ではなく“リーダー”……」
スペニア国の代表大使兼商売人のゲルドは“カキンッ”と固まってしまった。
ここはマッドリーダーの応接間。40畳の長方形で数人が“ズラリ”と横に並び立っていた。
改めて見ると“圧巻”といっても過言ではない。
マッドは王様のように上から目線の方は好みではなく常に対等、つまり同じ目線で話し合いたいと要望した。副リーダーであるターケンはそれを了承し、円満解決となったが……なったんだけど大きな事件が起きてしまった!
その事件は“シルバードラゴンいなくなった”事件である。
もちろん、シルバードラゴンが居なくなることを了解済みで寂しくなったが、シルバードラゴンがいなくなってこれほどまでの被害が受けてしまうことは予想しなかった……その事件の内容は大陸別で通じなくなる事件である。
コレは誰もが予想しなくて本当に本当に苦労したが、試行錯誤しながらどうにか通じるようになり、元の生活に戻っていった。
そんな時に初めての大使…つまり初のスペニア国の使者が訪れた。
この使者によると、どう友好関係を結んでアジカ大陸の窓口としてサポートして欲しいとのことだった。
そして、見返りとしてスペニア国の技術を提供する。そしてこちら側も鉄を輸出するなど、双方にとって良い関係が築かれた。
ただ、スペニア国は良い関係なのだが、裏では社会崩壊になるのではないのか?
という噂が広まった。その噂とは“麻薬”である。独走状態であるスペニア国は
“麻薬を大量に横流しをしてクロール国を弱らせているのではないか?”と噂が広まった…その噂が広まったタイミングが今回の代表である。もちろん、噂レベルに関しては信憑が乏しく“あくまでも噂レベル”ではあるが、正直疑ざる負えない。
「本当に本当に申し訳ございません!このお詫びはどうしたら良いのか……」
「いいよ!いいよ!それよりも、何でここに寄ったの?」
“ここが勝負だ!”
クロール外交といっても過言ではない、この状況では大きな山場になっていた。
「いやー新しい武器がどのようになっているか、気になっていましてね……で、どうですか?」
ゲルドの表は“ニコニコ!スマイル!”を保てているが、裏では正直、焦っていた。
何故なら、もし成功したならば領主として奪うことを約束しているが、失敗したのであれば……。
どうしても死にたくないのだ!
「ん?あぁ、防具や剣のことか?凄く重宝しているよ……そうだなぁ、あと1000を頼む」
「了解しました!早速、本国に帰って手配しますね!」
“良かった……けど、周りいる殺気はなんだ?”
ゲルドは両手を“スリスリ”しながら、営業スマイルを継続している…だが、さっきから強烈なオーラを醸し出している。だが、マッドの手前、周りを見ることができない。
「では、早速帰りますね!」
「この雨の中でも?」
「スペニア男子たるもの、雨が降ったところで何になりますか!ってヤツです」
ゲルドは“スウッ”と立ってマッドの方へ笑顔で挨拶をした。
「それでは、失礼します(^^)」
再びドアの手前で立ち止まり笑顔で挨拶をしながらドアを閉めた。
“バタン”
というドアを閉める音がした。
ーー誰もいない廊下
ーガルシア視点
ゲルドは再び誰もいないことを確認する。そして、ゲルドは歩きながら考え込んでしまう……すると突然背後から声がしてきた。
「なんじゃ?ザゴか……」
雨が降ってよく分からないが、ゲルドのオーラは殺気立っている。
「……なんですか?本当に失礼ですよね」
「まぁ、まぁ、そんなに怒らずに……魔族同士、話し合いましょうよ」
ゲルドが“ビクッ”に対し、俺は笑顔で返した。
「し、知ってたのか?」
俺は“ニヤリ”と不敵な笑みを浮かべた。だが、シルバードラゴンとの打ち合わせの段階はまだまだである。
「そりゃ、知っているわ。まさか大使が魔族とはのう……」
“もちろん、嘘である”
隠れて様子をみようと提案してきたのがシルバードラゴンで、魔族が大使であることを見破ったのがシルバードラゴン。
つまり、シルバードラゴンが全て失敗したのだ……ただ、魔族なのか、臆することなくシルバードラゴンが立っている。
“ピキッ”
魔族特有の“領域”が張り巡らせている。
「ほぅ、大使となれば“領域”を使えるのう…」
俺はというと、シルバードラゴンとの打ち合わせがあったから余裕だったけど、打ち合わせがなかったらピリピリとオーラ全開になってたかもしれんなぁ…。
「では、ワシもオーラを出すとしよう……フン!」
シルバードラゴンはオーラを出すべく背中に力みを入れた。その直後、領域が解かれてしまった……つまり、圧倒的なシルバードラゴンのオーラに負けて諦めてしまったのだ。
「わ、悪かったよ。謝るよ」
「分かれば良いのじゃ……ただし、一つだけ条件がある」
俺は“ニヤニヤ”ことに対して、ゲルドも“いやいや、そんなはずは…”という顔をしていた。
「スペニア国まで連れて行って欲しいのじゃ!」
それを聞いてしまったゲルドは放心状態になり、その場で崩れ落ちてしまった。
ーゲルド視点
「いや!!!王様!!!今回はお日柄も良く……」
「……いや、外は土砂降りだぞ?それに俺は“王様”ではなく“リーダー”……」
スペニア国の代表大使兼商売人のゲルドは“カキンッ”と固まってしまった。
ここはマッドリーダーの応接間。40畳の長方形で数人が“ズラリ”と横に並び立っていた。
改めて見ると“圧巻”といっても過言ではない。
マッドは王様のように上から目線の方は好みではなく常に対等、つまり同じ目線で話し合いたいと要望した。副リーダーであるターケンはそれを了承し、円満解決となったが……なったんだけど大きな事件が起きてしまった!
その事件は“シルバードラゴンいなくなった”事件である。
もちろん、シルバードラゴンが居なくなることを了解済みで寂しくなったが、シルバードラゴンがいなくなってこれほどまでの被害が受けてしまうことは予想しなかった……その事件の内容は大陸別で通じなくなる事件である。
コレは誰もが予想しなくて本当に本当に苦労したが、試行錯誤しながらどうにか通じるようになり、元の生活に戻っていった。
そんな時に初めての大使…つまり初のスペニア国の使者が訪れた。
この使者によると、どう友好関係を結んでアジカ大陸の窓口としてサポートして欲しいとのことだった。
そして、見返りとしてスペニア国の技術を提供する。そしてこちら側も鉄を輸出するなど、双方にとって良い関係が築かれた。
ただ、スペニア国は良い関係なのだが、裏では社会崩壊になるのではないのか?
という噂が広まった。その噂とは“麻薬”である。独走状態であるスペニア国は
“麻薬を大量に横流しをしてクロール国を弱らせているのではないか?”と噂が広まった…その噂が広まったタイミングが今回の代表である。もちろん、噂レベルに関しては信憑が乏しく“あくまでも噂レベル”ではあるが、正直疑ざる負えない。
「本当に本当に申し訳ございません!このお詫びはどうしたら良いのか……」
「いいよ!いいよ!それよりも、何でここに寄ったの?」
“ここが勝負だ!”
クロール外交といっても過言ではない、この状況では大きな山場になっていた。
「いやー新しい武器がどのようになっているか、気になっていましてね……で、どうですか?」
ゲルドの表は“ニコニコ!スマイル!”を保てているが、裏では正直、焦っていた。
何故なら、もし成功したならば領主として奪うことを約束しているが、失敗したのであれば……。
どうしても死にたくないのだ!
「ん?あぁ、防具や剣のことか?凄く重宝しているよ……そうだなぁ、あと1000を頼む」
「了解しました!早速、本国に帰って手配しますね!」
“良かった……けど、周りいる殺気はなんだ?”
ゲルドは両手を“スリスリ”しながら、営業スマイルを継続している…だが、さっきから強烈なオーラを醸し出している。だが、マッドの手前、周りを見ることができない。
「では、早速帰りますね!」
「この雨の中でも?」
「スペニア男子たるもの、雨が降ったところで何になりますか!ってヤツです」
ゲルドは“スウッ”と立ってマッドの方へ笑顔で挨拶をした。
「それでは、失礼します(^^)」
再びドアの手前で立ち止まり笑顔で挨拶をしながらドアを閉めた。
“バタン”
というドアを閉める音がした。
ーー誰もいない廊下
ーガルシア視点
ゲルドは再び誰もいないことを確認する。そして、ゲルドは歩きながら考え込んでしまう……すると突然背後から声がしてきた。
「なんじゃ?ザゴか……」
雨が降ってよく分からないが、ゲルドのオーラは殺気立っている。
「……なんですか?本当に失礼ですよね」
「まぁ、まぁ、そんなに怒らずに……魔族同士、話し合いましょうよ」
ゲルドが“ビクッ”に対し、俺は笑顔で返した。
「し、知ってたのか?」
俺は“ニヤリ”と不敵な笑みを浮かべた。だが、シルバードラゴンとの打ち合わせの段階はまだまだである。
「そりゃ、知っているわ。まさか大使が魔族とはのう……」
“もちろん、嘘である”
隠れて様子をみようと提案してきたのがシルバードラゴンで、魔族が大使であることを見破ったのがシルバードラゴン。
つまり、シルバードラゴンが全て失敗したのだ……ただ、魔族なのか、臆することなくシルバードラゴンが立っている。
“ピキッ”
魔族特有の“領域”が張り巡らせている。
「ほぅ、大使となれば“領域”を使えるのう…」
俺はというと、シルバードラゴンとの打ち合わせがあったから余裕だったけど、打ち合わせがなかったらピリピリとオーラ全開になってたかもしれんなぁ…。
「では、ワシもオーラを出すとしよう……フン!」
シルバードラゴンはオーラを出すべく背中に力みを入れた。その直後、領域が解かれてしまった……つまり、圧倒的なシルバードラゴンのオーラに負けて諦めてしまったのだ。
「わ、悪かったよ。謝るよ」
「分かれば良いのじゃ……ただし、一つだけ条件がある」
俺は“ニヤニヤ”ことに対して、ゲルドも“いやいや、そんなはずは…”という顔をしていた。
「スペニア国まで連れて行って欲しいのじゃ!」
それを聞いてしまったゲルドは放心状態になり、その場で崩れ落ちてしまった。
0
あなたにおすすめの小説
勘当された少年と不思議な少女
レイシール
ファンタジー
15歳を迎えた日、ランティスは父親から勘当を言い渡された。
理由は外れスキルを持ってるから…
眼の色が違うだけで気味が悪いと周りから避けられてる少女。
そんな2人が出会って…
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あざとしの副軍師オデット 〜脳筋2メートル義姉に溺愛され、婚外子から逆転成り上がる〜
水戸直樹
ファンタジー
母が伯爵の後妻になったその日から、
私は“伯爵家の次女”になった。
貴族の愛人の娘として育った私、オデットはずっと準備してきた。
義姉を陥れ、この家でのし上がるために。
――その計画は、初日で狂った。
義姉ジャイアナが、想定の百倍、規格外だったからだ。
◆ 身長二メートル超
◆ 全身が岩のような筋肉
◆ 天真爛漫で甘えん坊
◆ しかも前世で“筋肉を極めた転生者”
圧倒的に強いのに、驚くほど無防備。
気づけば私は、この“脳筋大型犬”を
陥れるどころか、守りたくなっていた。
しかも当の本人は――
「オデットは私が守るのだ!」
と、全力で溺愛してくる始末。
あざとい悪知恵 × 脳筋パワー。
正反対の義姉妹が、互いを守るために手を組む。
婚外子から始まる成り上がりファンタジー。
悪役皇子、ざまぁされたので反省する ~ 馬鹿は死ななきゃ治らないって… 一度、死んだからな、同じ轍(てつ)は踏まんよ ~
shiba
ファンタジー
魂だけの存在となり、邯鄲(かんたん)の夢にて
無名の英雄
愛を知らぬ商人
気狂いの賢者など
様々な英霊達の人生を追体験した凡愚な皇子は自身の無能さを痛感する。
それゆえに悪徳貴族の嫡男に生まれ変わった後、謎の強迫観念に背中を押されるまま
幼い頃から努力を積み上げていた彼は、図らずも超越者への道を歩み出す。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる