ガルシア戦記

千山一

文字の大きさ
150 / 174
第6巻 巨大、メビオス王国

第3章 魔王討伐No.4

しおりを挟む
「おい!シルバードラゴン、何してんの?」
「…すまんのじゃ」

ここは再びゲルドの船…ゲルドの船は味をしめたのか、初めては敬語で話していたが段々、酷くなり
敬語→タメ口→命令口調
になっていた。流石に俺がシルバードラゴンに“レッドを使おう!”と頼んでも“いや…まだじゃ…レッドは使わん”と頑なにレッドの依頼を拒否した。
何故なら、レッドを使うと黙って食事が出来ず味が半減になってしまうからだ。

「ん?シルバードラゴン。敬語という言葉を知らんのか?……知るわけねーよな!だって、シルバードラゴンはトップに君臨する実力者だもんなぁ!」

ゲルドは顔を睨みつけ、シルバードラゴンの顔を近づけるようにしていった。
“ピキッ”
シルバードラゴンは一瞬、怒りそうになったが“今は我慢だ!”と思い“グッ”と堪える。

「ゴメンなさい…」
「宜しい…ただ、バツとして俺の部屋を綺麗にしておくように」
「はぁ?なぜじ…なんでですか?」

頭の回転が早いのか、シルバードラゴンは敬語を使うことができるが咄嗟にビックリするとタメ口になってしまうのは、たまに傷だ。

「りょ、了解しました……」

シルバードラゴンは
“こんなに怒り印があるんだ…⭐︎”と思えるぐらい、無数の怒り印が浮かび上がる…だが、世界最高峰のスペニア国の食事にありつけるために我慢しなければならない…。

「ガルシアさん、アナタもですよ。黙って聞いてりゃ、敬語もせず会話して…バツとして、アナタも俺の部屋を綺麗にしな……なんですか?その顔は?」

“無意識のうちに睨みつけていたのだろう…”
俺は慌てて作り笑いをし機嫌取りに徹した。

「ガルシアさん…まぁ、いいでしょう。今度、そういう顔になったら、ただじゃおかないですから」

“コイツ、○す…”
そう思った、俺は心の中では睨みつけ、表では営業スマイルに徹した。
だが、よくよく考えたらある疑問にぶち当たる。それは“なぜ悪魔なのにビビってしないことが多いのか?”である。
悪魔は自由で策略で、どんな相手でも蹴散らすというイメージがあったのだが、悪魔界の関係には上下関係が絶対である。もちろん“上下”とは、例え若かろうが相手の実力が上ならば絶対“上”である。話を戻してみよう。
シルバードラゴンは、あんなちっこいナリだがシルバードラゴンの方が圧倒的に上。
では、何故…命令口調なのか?それを聞いてみた。

「……あのさぁ…なんで、シルバードラゴンに対して命令口調なの?」

ゲルドは“ビクッ”として、しばらく黙っていたが“ここでお別れになるんだし…”と覚悟を決めたように重い口を開いた。

「……クリフォト様って、知っているだろ?」
「あぁ、知っているよ」

話を戻すが“クリフォト”とは魔族界No.2で、世界征服を目論む野心家である。
ちなみに、シルバードラゴンは上で魔王: デビルガゼルと拮抗した実力の持ち主である。

「そのクリフォト様が納めている国……つまり、アナタとシルバードラゴンが絶対に乗せてっちゃダメな存在!
だから“死”を選ぶのか?とことん謝って帰ってもらうのか?の2つの選択がある。
…実質、1つしかないなと判断して徹底的にいじめることにした」

ヤケクソになっているのか、ゲルドは続けて口を滑らせる。

「だから!アナタと!シルバードラゴンをいじめ抜いてやることにしたんですよ!ヒャハハハ!!!」
「……おい、後ろを見てみろ」

“凄く凄く嫌な予感がする……”
ゲルドは恐る恐る後ろを見てみると……そこには、邪悪なオーラをまとったシルバードラゴンがそこにはいた。

「ほれ、レッドよ。出てこい!」
「はっ、お久しぶりでございます。シルバードラゴン様」

シルバードラゴンは冷静にしかも、冷徹にに言い放った。

「レッドよ。このバカを痛めつけろ。ただし、殺すなよ…後からタップリと味わって欲しいからのう……死というものな」

シルバードラゴンは“ニヤリ”と不敵な笑みを思い浮かべた。そして、レッドはシルバードラゴンに対して一礼をし、ゆっくりとゲルドの元へ歩いていた。

「わ、わかった。話せば分かる!いや、お願いします!!…ぎゃ~!!!」

この大きな海原で1人激しい惨劇がそこに存在していた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

勘当された少年と不思議な少女

レイシール
ファンタジー
15歳を迎えた日、ランティスは父親から勘当を言い渡された。 理由は外れスキルを持ってるから… 眼の色が違うだけで気味が悪いと周りから避けられてる少女。 そんな2人が出会って…

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あざとしの副軍師オデット 〜脳筋2メートル義姉に溺愛され、婚外子から逆転成り上がる〜

水戸直樹
ファンタジー
母が伯爵の後妻になったその日から、 私は“伯爵家の次女”になった。 貴族の愛人の娘として育った私、オデットはずっと準備してきた。 義姉を陥れ、この家でのし上がるために。 ――その計画は、初日で狂った。 義姉ジャイアナが、想定の百倍、規格外だったからだ。 ◆ 身長二メートル超 ◆ 全身が岩のような筋肉 ◆ 天真爛漫で甘えん坊 ◆ しかも前世で“筋肉を極めた転生者” 圧倒的に強いのに、驚くほど無防備。 気づけば私は、この“脳筋大型犬”を 陥れるどころか、守りたくなっていた。 しかも当の本人は―― 「オデットは私が守るのだ!」 と、全力で溺愛してくる始末。 あざとい悪知恵 × 脳筋パワー。 正反対の義姉妹が、互いを守るために手を組む。 婚外子から始まる成り上がりファンタジー。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

悪役皇子、ざまぁされたので反省する ~ 馬鹿は死ななきゃ治らないって… 一度、死んだからな、同じ轍(てつ)は踏まんよ ~

shiba
ファンタジー
魂だけの存在となり、邯鄲(かんたん)の夢にて 無名の英雄 愛を知らぬ商人 気狂いの賢者など 様々な英霊達の人生を追体験した凡愚な皇子は自身の無能さを痛感する。 それゆえに悪徳貴族の嫡男に生まれ変わった後、謎の強迫観念に背中を押されるまま 幼い頃から努力を積み上げていた彼は、図らずも超越者への道を歩み出す。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

貞操逆転世界に転生してイチャイチャする話

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が自分の欲望のままに生きる話。

処理中です...