ガルシア戦記

千山一

文字の大きさ
170 / 198
第7 巻ファビアンの苦悩

第2章 ファビアンの異変No.5

しおりを挟む
「あの場面で、退場は痛かったのう…」

シルバードラゴンはコーヒーカップを持ち上げ“ズズッ”と飲んでいる。
俺も胡座を組み“ムスッ”という顔で腕組みをしている。
何故なら、俺は再び牢屋に入れられたからだ…そりゃ、今考えても“失言”はしたと思うよ。アーリアは激昂の如く怒るし、レイラ、ハナは“ウンウン”と賛同するし…。

「よう考えたら“で、結果はどうだった?”いけないわな」
「じゃぁ!キーホルダーを取り出すのはどうなんだ!!不公平だろ!?」

そう!そうなんだ!“キーホルダー”と“失言”の違い!!
俺はどうしても納得できなかった!だが、シルバードラゴンは追い討ちを掛けるように余裕の言葉を口にした。

「この世は“不公平”じゃ!堪忍せい!」

俺は心の底から“イラッ”した。
なぜ、マウントをとってくるのだろう……これが真実なら思いっきり暴れて逃げやる!!と俺は堅い絆で誓いあったのだ。

「安心せい!そんな約束はしておらんぞ!」

“コツコツ”と甲高い靴音が近づき、やがて“ピタッ”立ち止まる。
その声は“アーリア女王”とその3姉妹だ……そして護衛の兵士みたい。

「国とドラゴンの交渉をしておったのだ。別に忘れてた訳ではないぞ」

“流石!国のトップになった人じゃのう”
シルバードラゴンは改めて感心した。
ーそうなのだ!ガルシアを牢屋へぶち込んだ後、シルバードラゴンとの交渉を開始。当所は“コレは難しくなるだろうなぁ…”と思われたが、アッサリと交渉締結。
すぐに食事が摂られ、すぐに就寝…そして今に至る。要は見事な嘘であるー

「なんだ、そうだったんだ!俺はてっきり忘れて寝ていると思って、だから暴れて脱出しようと思ったよ!ハハハ!」

“すまぬのぅ…嘘じゃ”
とアーリアは心の奥底の根底に“チクリ”と罪悪感が芽生えたが、一つの女王として胸を張って騙し続けた。

「ほれ、さっさと牢屋を開けんか!」

“はっ!”
と一斉に兵士達が牢屋の扉を開く。そしてガルシアは一夜にして外の世界へ舞い戻ったのであった。

「ホレ、ガルシアよ!今まで話をしてた通り、カーリムに就くのじゃ…よし!さっさと行くぞ!」
「…で、どこに行くんだよ?」

俺は一つ疑問を感じた…いわゆる小さな不安である。
確かに俺やシルバードラゴンをカーリムに就くことで“最強の軍団”となった……だが“最強の軍団”となった所で、どうやって戦争を吹っかけるのか?そもそも、巨大なセレブ国である。以前、バロン帝国とは戦ったことはあるが、それでも直接や長期の国の派遣であったので、バロン帝国の10万人に対しセレブ国は100万人、しかも圧倒的な元気と情熱がみなぎる……見ての通りセレブ国が圧勝ように感じた。

「ん?なんじゃ?聞いておらんのか?演説するんじゃ。しかも国民の前でじゃ」
「……今、なんて?」
「だから!国民の前に演説をするのじゃ!」

“善は急げ”
と言うが、俺からすると“アホを通り越して、頭が狂っている”ように感じてしまった…。




しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

(完結)姑が勝手に連れてきた第二夫人が身籠ったようですが、夫は恐らく……

泉花ゆき
恋愛
蘭珠(ランジュ)が名門である凌家の嫡男、涼珩(リャンハン)に嫁いで一年ほど経ったころ。 一向に後継ぎが出来ないことに業を煮やした夫の母親は、どこからか第二夫人として一人の女性を屋敷へ連れてくる。 やがてその女が「子が出来た」と告げると、姑も夫も大喜び。 蘭珠の実家が商いで傾いたことを口実に、彼女には離縁が言い渡される。 ……けれど、蘭珠は知っていた。 夫の涼珩が、「男女が同じ寝台で眠るだけで子ができる」と本気で信じているほど無知だということを。 どんなトラブルが待っているか分からないし、離縁は望むところ。 嫁ぐ時に用意した大量の持参金は、もちろん引き上げさせていただきます。 ※ゆるゆる設定です ※以前上げていた作の設定、展開を改稿しています

記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】

かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。 名前も年齢も住んでた町も覚えてません。 ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。 プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。 小説家になろう様にも公開してます。

借金5億で異世界転移、よりによって金本位制の世界だった

夜明け一葉
ファンタジー
32歳の個人トレーダー・佐藤慧は、5年間の雪辱を賭けたトレードで5億円の借金を抱え、意識を失った。目覚めると、そこは剣と魔法が存在する見知らぬ世界だった。常識が通じない異世界で、金貨を見るだけで嘔吐する「金アレルギー」を抱えながら、若き冒険者リナと出会い、生き延びる術を探し始める。諦めることだけができなかった男が、新たな世界で再び立ち上がる異世界サバイバル譚。

処刑から始まる私の新しい人生~乙女ゲームのアフターストーリー~

キョウキョウ
恋愛
 前世の記憶を保持したまま新たな世界に生まれ変わった私は、とあるゲームのシナリオについて思い出していた。  そのゲームの内容と、今の自分が置かれている状況が驚くほどに一致している。そして私は思った。そのままゲームのシナリオと同じような人生を送れば、16年ほどで生涯を終えることになるかもしれない。  そう思った私は、シナリオ通りに進む人生を回避することを目的に必死で生きた。けれど、運命からは逃れられずに身に覚えのない罪を被せられて拘束されてしまう。下された判決は、死刑。  最後の手段として用意していた方法を使って、処刑される日に死を偽装した。それから、私は生まれ育った国に別れを告げて逃げた。新しい人生を送るために。 ※カクヨムにも投稿しています。

あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜

南 鈴紀
キャラ文芸
 妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。  しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。  掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。  五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。  妖×家族の心温まる和風ファンタジー。

【完結短編】真実の愛を見つけたとして雑な離婚を強行した国王の末路は?

ジャン・幸田
恋愛
真実の愛を見つけたとして政略結婚をした新妻を追い出した国王の末路は、本人以外はハッピーになったかもしれない。

道化たちの末路

希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と愛人母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

処理中です...