ガルシア戦記

千山一

文字の大きさ
172 / 198
第7 巻ファビアンの苦悩

第2章 ファビアンの異変No.7

しおりを挟む
ーー王宮の広場
 
民衆は今や今やと女王様が現れるのを待っていたが、中々現れない……痺れを切らして声を上げようかとした時、すぐに不満の声が大観衆に変わる!

ーーオーーーーッピューーーーッ!!!!

コレが!世界トップレベルの評価の高い“女王様”なのだ。

「あぁ、、、女王様、、、」

民衆達は“フィギュア”を片手に大きく歓声に応えた。

「なんじゃ?あの物体は??」
「ん?あぁ…俺もよく分からないけど“人形”みたい……」
「フィギュアじゃ!面白ろ半分で販売したら、瞬く間に完売してしもうた……今、買いに行くと半年待ちらしいぞ」

一同は白い目でこちら…すなわち女王へ向いていた。しかし、当然のことながら世界一の支持率と評価を受けいるのであれば無意識に“自慢”して当たり前であろう。

そして、アーリア一同が立ち止まりアーリアだけが一歩進んで歩みよる。
ーーーオォォ!!
総勢10万人。
大衆の殆どが会場に集まり、歓声共に大ファンのような雄叫びがこだまする。
歓喜と興奮の尻目にシルバードラゴンが玉を取り出す……“玉”と言っても、ただの変哲もない玉である。その玉を取り出そうした瞬間!!
“フーーーッ”
と兵士の専属“吹き矢”が吹き、シルバードラゴンの背中に見事に命中!吹き矢は強力な痺れ薬だったため、一瞬でシルバードラゴンが動かなくなり拘束したのであった。
それを見たアーリアは護衛長の目で“OKサイン”を確認してから魔法のマイクの前に立ち、大きな声で演説した。

「緊急にも関わらず、会場に集まり本当にありがとう。ワッチは嬉しいぞ」

“オォォ!!”
と大歓迎がごだまする。
本来ならビビって一瞬声を詰まらせるものだが、アーリアは他とは何かが違うタイプなのだ。

「なぁ、言っておろうが“王”というタイプは、生まれ持った特別なタイプじゃ」

アーリアは“ワガママで、高飛車で、自分勝手”なタイプだ。
しかし、何故か圧倒的なカリスマ性で、どんな場面でも動じなく、むしろ大観衆が歓喜するほどのカリスマ性を持った人なのだ。

「ダテに世界一、ニを争うはずじゃ…」

シルバードラゴンは大きくため息をついた。

「おぉ、それはスゲ~なぁ……ところで、お前は何やってんの?」
「……頼み込んでここに居させてもらったんじゃ」

よく見たら、シルバードラゴンは魔法のバンドでグルグル巻きになっている……いやいや、シルバードラゴンがグルグル巻きにされている方がおかしいぞ……。

「ワッチには夢がある!人族と獣族が共に助け合って一緒に未来があることを……」

アーリアが突然、声を発した瞬間、会場を見てきた、およそ10万人の大観衆の多くが黙って見守っていた。

「じゃが、先日セルブ国の使者が“今の婚約破棄を破棄して、セルブ国の王夫人になれ”と言っておった」

“シーーーン”

と会場が静まり返る…。
おそらく、会場の中にいる全員が“コレは…”と思ったのだろう。何故なら、セレブ国に対してファビアン国が格下どころか、奴隷のような位置付けになってしまうからだ。それは、ちょっと避けたい。

「それにワッチにも“秘密”がある…皆に隠したのだがカミングアウトしようと思う」

そう言って、アーリアは頭につけた帽子を取り出し、こう述べた。

「ワッチは……“猫耳族”なのじゃ!」

会場は一瞬で“シーーーン”とする……。
“もうダメじゃ…”と思った瞬間、とてつもない大きな大歓声がこだまする!
まるで、地球がビックリするぐらいの大歓声だ……。
“失望した直後に、大観衆の大歓迎!!”コレほど嬉しいことはない!アーリアは心の底から震える気持ちになってしまった……だが、観衆全員が違っていた。
“猫耳族の秘密を隠さなくて良いのだと…”
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

(完結)姑が勝手に連れてきた第二夫人が身籠ったようですが、夫は恐らく……

泉花ゆき
恋愛
蘭珠(ランジュ)が名門である凌家の嫡男、涼珩(リャンハン)に嫁いで一年ほど経ったころ。 一向に後継ぎが出来ないことに業を煮やした夫の母親は、どこからか第二夫人として一人の女性を屋敷へ連れてくる。 やがてその女が「子が出来た」と告げると、姑も夫も大喜び。 蘭珠の実家が商いで傾いたことを口実に、彼女には離縁が言い渡される。 ……けれど、蘭珠は知っていた。 夫の涼珩が、「男女が同じ寝台で眠るだけで子ができる」と本気で信じているほど無知だということを。 どんなトラブルが待っているか分からないし、離縁は望むところ。 嫁ぐ時に用意した大量の持参金は、もちろん引き上げさせていただきます。 ※ゆるゆる設定です ※以前上げていた作の設定、展開を改稿しています

記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】

かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。 名前も年齢も住んでた町も覚えてません。 ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。 プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。 小説家になろう様にも公開してます。

借金5億で異世界転移、よりによって金本位制の世界だった

夜明け一葉
ファンタジー
32歳の個人トレーダー・佐藤慧は、5年間の雪辱を賭けたトレードで5億円の借金を抱え、意識を失った。目覚めると、そこは剣と魔法が存在する見知らぬ世界だった。常識が通じない異世界で、金貨を見るだけで嘔吐する「金アレルギー」を抱えながら、若き冒険者リナと出会い、生き延びる術を探し始める。諦めることだけができなかった男が、新たな世界で再び立ち上がる異世界サバイバル譚。

処刑から始まる私の新しい人生~乙女ゲームのアフターストーリー~

キョウキョウ
恋愛
 前世の記憶を保持したまま新たな世界に生まれ変わった私は、とあるゲームのシナリオについて思い出していた。  そのゲームの内容と、今の自分が置かれている状況が驚くほどに一致している。そして私は思った。そのままゲームのシナリオと同じような人生を送れば、16年ほどで生涯を終えることになるかもしれない。  そう思った私は、シナリオ通りに進む人生を回避することを目的に必死で生きた。けれど、運命からは逃れられずに身に覚えのない罪を被せられて拘束されてしまう。下された判決は、死刑。  最後の手段として用意していた方法を使って、処刑される日に死を偽装した。それから、私は生まれ育った国に別れを告げて逃げた。新しい人生を送るために。 ※カクヨムにも投稿しています。

あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜

南 鈴紀
キャラ文芸
 妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。  しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。  掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。  五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。  妖×家族の心温まる和風ファンタジー。

【完結短編】真実の愛を見つけたとして雑な離婚を強行した国王の末路は?

ジャン・幸田
恋愛
真実の愛を見つけたとして政略結婚をした新妻を追い出した国王の末路は、本人以外はハッピーになったかもしれない。

道化たちの末路

希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と愛人母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

処理中です...