ガルシア戦記

千山一

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第7 巻ファビアンの苦悩

第2章 ファビアンの異変No.15

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ーセルケト視点

ファビアン郊外

「ううう……さぶっ!!」

夜の砂漠は冷たい…特に夜中でもダントツに底冷えで自然と“ガタガタ”と震えていた。
“だが、そんな状況ではない!”
もし、こんな状況になれば首の1本や2本……当然の如く命は奪われてしまうだろう…もしかしたら、戦犯扱いにされ軍の見せしめにになるかも知れない…
“イヤ!そんなことトップになる野望を持った時点で覚悟したことだ!”
私はそう思って落ち込む心を奮い立たせ、警戒しながら砂船の方へ小走りに走る。
“ガタン!”
本来なら気にも留めてこなかったが真夜中の、しかも逃亡中に音を立てるものだから、一瞬“ドキッ”としてしまった。

「大丈夫……来てないよな?」

“どうやら誰も聞こえてないみたいだ……”
私は迅速に且つ丁寧に作業をする。
“食料よし!寝袋よし!”
覚悟を決めたと言っても普通逃げる準備まではしないはずだ。けれど私は違う。
1%でも逃亡の可能性があるのであれば全力で準備すべきだと私は思っている。

「よし!準備完了だな」

そう思って砂船を動き出そうした瞬間!“ヌゥッ”と銀色に似た物体が現れた。

「なんじゃ?もう動き出すんか?」
「うぁ!!」

と思わず洩らして咄嗟に腰掛けてた剣を飛び出す。

「ほぅ…ワシに剣を差し向けるというのかのう?」
「だ、誰だ!!」

私は思わず口走っていたが、見た瞬間分かりたくはないが分かってしまった。
“シルバードラゴン”別名“世界の掃除屋”
全世界が脅威となりうる国…すなわち国が乱れきっているため排除する…要は暗殺をするのだ。

「ワシのことは知らんのか?普通に傷つくのう…のう、レッド」
「滅相もございません!シルバードラゴン様は世界で1番有名です…もし“知らない”のであれば“殺してくれ!”という声をあげるまで懲らしめてあげましょう」
「知ってます!知ってます!言葉の“あや”です!」

レッドはゆっくりとセルケトの方へ向かっていたが、その声を聞いて“ピタッ”と止めた…止めた瞬間、迅速に土下座をする。

「どうか、どうか命だけは!」
ーーパチン

シルバードラゴンは慌てて“ノイズ”の魔法をかけた。そして、セルケトの方へ近づいて思いっきり、ど突いた。

「聞こえたらどうするんじゃ!!」
「聞こえた瞬間、殺しましょう」
「いやいや!この依頼は“暗殺”だよ?そんなに殺しちゃぁ意味ないでしょ?」

シルバードラゴンはレッドに対してノリツッコミを入れる。

「それは置いといてセルケト。残念ながら殺さなければならない…じゃが、他の人間は助けることができる…どうするのじゃ?」
「……他の人間をた、助けて下さい…」

シルバードラゴンは“ニコッ”という顔をした。

「よし!これで成立じゃ!レッド、やれ」

それを聞いたレッド大きな縄を首に巻きつけ、空中に浮いた姿になるよう無理矢理力を込めた。


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