ガルシア戦記

千山一

文字の大きさ
187 / 198
第7 巻ファビアンの苦悩

第4章 世界秩序No.3

しおりを挟む
何故なら、シルバードラゴンはこんなに簡単な質問で終わるはずがないからだ。
もし、シルバードラゴンがこの質問で終わるのであれば、もしかしたら地球に隕石が落ちるかもしれない……それぐらい大事なのだ。

「お、おまえ、どうしちゃったんだよ?昔は戦場で笑いながらシバキ回すのが生き甲斐に生きてきたのに…」
「そんなこと、せぇへんわ!!」

珍しくシルバードラゴンがツッコミを入れた。

「ワシの性格は気まぐれじゃ。たまにだったら、ええじゃろう?」
「たまになんかい!!」

再びシルバードラゴンの後頭部にツッコミを入れる……ん?ちょっと待てよ。女王もしくは王だったとしてもシルバードラゴンがその権力を見せつけても果たして従うか?
答えは“NO”である。なのに女王には従った……もしくは率先して戦場へ駆り出されてしまった。凄く面倒くさいのにだ!

「……おまえ、何か隠してないか?」
「何を言っておる。何も隠してはいないぞ」

“ジロリ”
とシルバードラゴンを見る……さすが、悪魔だ…罪悪感もクソもない。

「たしか“秘策”って言ったよな?“秘策”ってなんなんだ」
「アホ。“秘策”というのはなぁ…“秘密の策”といって“秘策”というもんじゃ。だから秘密じゃないと意味ないんじゃ!」

“うーーん、ごもっとも”
だが、普段なら諦めてしまうのだが、今は違う!俺は諦めなかった!いや、諦めたくなったのだ!!
そしてシルバードラゴンの一言一句を諦めないよう注意深く聞く。

「な~にが世界を支配するシルバードラゴンだ!そんなんだから“ケチ”ドラゴンって言うんだよ!」

俺は挑発しつつ、シルバードラゴンの様子を見る…よし!食いついてきた!

「ほほう…誰が“ケチ”ドラゴンじゃ?」

シルバードラゴンは“ピキピキ”とドラゴンの額に青筋が浮かんで“パタパタ”とコチラの方へ向く。

「だ・か・ら、世界の大物が“秘密”一つも言わない……“ケチ”ドラゴンって言うだよ!」
「ほほう…もう良いわ。シバキ回した後に、ゆっくりと話し合いをしようかのう…」

“ヤバイ……”
『挑発してポロリと喋っちゃいますよ』作戦を考えていたのだが、逆に火に油を注ぐ結果になってしまった…どうする!戦うか?諦めて土下座をするか?
ゆっくりとシルバードラゴンが近づいてくる。

シルバードラゴンの目が“本気の目”になってしまった……とその時、アーリアが声を荒げた。

「やめい!もう良いじゃろ!?喧嘩したら城がいくつあっても足りんわ!」

アーリアは“ギロリ”と両者の方へ向く。

「ガルシアよ。有りもしない文句を言ったのも、挑発に乗って口を滑らせたからじゃな?」

俺は“ブンブン”と上下に首を激しく振る。
続いてシルバードラゴンの方へ向き合う。

「シルバードラゴンよ。ガルシアの言う通りじゃ。ここは“グッ”と堪えてくれんかのう」

アーリアは立ち上がり“ペコリ”と頭を下げた。

“天下の女王様が頭を下げる…”
そうなってしまえば、どんな権利者だろうが許さざるには負えない…特に人を知るシルバードラゴンにとっては、許さざる負えなかった。

「…分かった。まぁ、ワシも大人げなかったしのう…特別に許してやるわい!ただし!下手な嘘はつかん方が良いぞ」

“あっぶね……!!
調子に乗ったからといって、仮にも世界に匹敵するシルバードラゴンだ。下手したら消されるぞ!”
俺の背筋に冷たい汗が流れていた。

「おぬしが一番知りたいのは“秘策”というワードじゃろ?」

アーリアは“ドカッ”と椅子に座り、真剣な顔でガルシアの方へ向いた。

「まぁ、ほぼ成功したしのう……もうええじゃろ?」

“よっしゃ!俺の願望が今、叶う!”
思えば“ネコが見たい!”というシルバードラゴンの声で砂漠のど真ん中を歩いていた……本当に苦しかったんだよ!!
俺は涙を麗しながらアーリアの方へ向く。

「シルバードラゴンの要望で『猫カフェ』を作れというものじゃ」

俺は呆然と立ち尽くしてしまった……。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

(完結)姑が勝手に連れてきた第二夫人が身籠ったようですが、夫は恐らく……

泉花ゆき
恋愛
蘭珠(ランジュ)が名門である凌家の嫡男、涼珩(リャンハン)に嫁いで一年ほど経ったころ。 一向に後継ぎが出来ないことに業を煮やした夫の母親は、どこからか第二夫人として一人の女性を屋敷へ連れてくる。 やがてその女が「子が出来た」と告げると、姑も夫も大喜び。 蘭珠の実家が商いで傾いたことを口実に、彼女には離縁が言い渡される。 ……けれど、蘭珠は知っていた。 夫の涼珩が、「男女が同じ寝台で眠るだけで子ができる」と本気で信じているほど無知だということを。 どんなトラブルが待っているか分からないし、離縁は望むところ。 嫁ぐ時に用意した大量の持参金は、もちろん引き上げさせていただきます。 ※ゆるゆる設定です ※以前上げていた作の設定、展開を改稿しています

記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】

かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。 名前も年齢も住んでた町も覚えてません。 ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。 プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。 小説家になろう様にも公開してます。

借金5億で異世界転移、よりによって金本位制の世界だった

夜明け一葉
ファンタジー
32歳の個人トレーダー・佐藤慧は、5年間の雪辱を賭けたトレードで5億円の借金を抱え、意識を失った。目覚めると、そこは剣と魔法が存在する見知らぬ世界だった。常識が通じない異世界で、金貨を見るだけで嘔吐する「金アレルギー」を抱えながら、若き冒険者リナと出会い、生き延びる術を探し始める。諦めることだけができなかった男が、新たな世界で再び立ち上がる異世界サバイバル譚。

処刑から始まる私の新しい人生~乙女ゲームのアフターストーリー~

キョウキョウ
恋愛
 前世の記憶を保持したまま新たな世界に生まれ変わった私は、とあるゲームのシナリオについて思い出していた。  そのゲームの内容と、今の自分が置かれている状況が驚くほどに一致している。そして私は思った。そのままゲームのシナリオと同じような人生を送れば、16年ほどで生涯を終えることになるかもしれない。  そう思った私は、シナリオ通りに進む人生を回避することを目的に必死で生きた。けれど、運命からは逃れられずに身に覚えのない罪を被せられて拘束されてしまう。下された判決は、死刑。  最後の手段として用意していた方法を使って、処刑される日に死を偽装した。それから、私は生まれ育った国に別れを告げて逃げた。新しい人生を送るために。 ※カクヨムにも投稿しています。

あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜

南 鈴紀
キャラ文芸
 妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。  しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。  掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。  五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。  妖×家族の心温まる和風ファンタジー。

【完結短編】真実の愛を見つけたとして雑な離婚を強行した国王の末路は?

ジャン・幸田
恋愛
真実の愛を見つけたとして政略結婚をした新妻を追い出した国王の末路は、本人以外はハッピーになったかもしれない。

道化たちの末路

希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と愛人母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

処理中です...