ガルシア戦記

千山一

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第7 巻ファビアンの苦悩

第3章 世界秩序No.9

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「ガシャン!!!」

ポラール2世は王位から立ち上がり、飲みかけのグラスを地面に叩きつけた。
先代から伝えていた『マニュアル』を元に、作法や伝統など、アレだけ練習したのに全て水の泡である。
ここはセレブ国の首都:バゴン。
巨大大国の割に物は溢れて、人々が行き交う場。そして割と人数も最多で性欲と汚職と法律が整備する首都である。
…ただ裏では今でも拡大してて、セレブ国の周辺には“憎悪しかないイメージ”しかなかった。
話を戻そう。
バゴン城の大部屋には、今まで見たこともない、豪勢な家具が収容人数:数百人。
数えたことは無いが、恐らく世界一であろうこの部屋で醜くてドロドロした戦略会議が開いていたのだ。
そして時間を巻き戻す。
東部軍が侵攻について激しく議論をしていた最中、
“コンコン!”とドアが響く。本来なら、会議室は会議中は伝達は御法度ではあるが、緊急の時だけは許される。

「なんだ?今は忙しいのだ!…もし、緊急でなければ首が飛ぶぞ?」

1番に声を出したのは“ガザル”筆頭将軍である。ガザルはみんなの代弁者かのように声を発しているから、みんなの目線が冷たい。

「本当に申し訳ございません。どうしても王様に伝えたい義があります」
「なんだ?もうせ」

“さすが、ポラール2世だ…普通でも怖すぎるのに〈あの話〉をしなくちゃいけないなんて…”
伝達係である、ウガンはタジロッてしまったが思い切ってその事を伝える。

「昨晩、伝えた所、セレブ軍は全軍撤退しました…」

それを聞いた瞬間、

ーーガシャン!!!

と大きく響き渡る。ウガンも、あまりにも圧倒的な威圧感で小便がチビりそうになる…まぁ、ちょっとはチビったけどね。バレなければセーフ…って冗談って言っている場合ではないのだ。

「お、王様……」
「ガザルよ。全軍侵攻し、ジェロの軍を完膚なきまで叩きのめしてこい!」

“ハッ”
とすかさず頭を下げる。この王様は一瞬でも、躊躇したなら、すぐ様処刑送りなのだ。
セレブ軍所属は給料は凄く高くて、威張っていたが一つ間違えれば処刑送りという“危険な綱渡り”なのだ。

「そんな、必要無いですよ」

いつの間にか居たのか、執事のような格好で男はゆっくりとコチラへ歩いている。

「申し訳おくれました。〈レッド〉と申し訳ます」

レッドは無表情のまま、深々と頭を下げる。
他の軍関係で言うと
“何処から入ったかは謎で、不気味さと異常なまでに敬語を使って、かえって話せないでいた”

「王様。一つ条件があるのですが…その前にプレゼントがあります」

レッドはそういうと、右手に掴んだ風呂敷をポラール2世へ放り投げる。

「な、なんだ?」
「開けてみれば分かります」

レッドは“キランッ”と不敵な笑みになる。ポラール2世は“ゾクッ”と“開いてはいけない!”という警報が鳴り響いていたが、セレブ国の王として開かざる得えなかった。

「ウッ……」

開いた瞬間、ポラール2世は一気に血の気引くのを感じてしまった…何故なら、そこにあったのは〈ジェロの首〉だったのだ。

「ねぇ?…ファビアンの方まで行かない方が良かったでしょう?」

本来なら、嫌味の一つでも言いたいのだが、ここは、おとなく従うことにした。

「あぁ、そうですね。行かない方が良かったです」

世界有数……あまり統計はとってはいないが、恐らく世界一であろう、セレブ国でも敬語で話す王としての存在はそこにはあった。

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