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第3章 隣国の王No.3
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「遅い!!」
チャンドラはイライラしながら部屋の方を行ったり来たりしていた。
「そんなにイライラしなくても…時間は皆さん同じですよ」
アゼルはチャンドラの機嫌取りとおやつの準備に気を配っていた。
「何か飲みます?コーヒーはリラックスする効果がありますよ」
アゼルは“ニコッ”と微笑んだ。
「飲まんわ!」
チャンドラは“プイッ”と向いて応えた。
アゼルは“フーッ”とため息をついた。
“昔からそうだ。コーヒー大好きなのに、機嫌が悪くなると飲まなくなる……”
アゼルはため息をつきながら周りを見てみると、ダメ元であるものを取り出す。
「あの…チョコ食べます?チョコはポリフェノールが入ってて、安眠とリラックス効果がありますよ」
「……食べる」
アゼルは“食べるんかい!”とツッコミを入れようとしたが、他の王の御前なので我慢した。
しかし、チャンドラはその微妙な感情も見逃さない。
「あ、今食べるんかい!と思ったでしょう!ここのチョコは凄く貴重で、もし譲り受けたのなら、生産できないかなぁと思ったのじゃ」
チャンドラは声を荒げながら、アゼルを睨みつけた。
「…そんなことは、ないですよ。ただ、チャンドラ様も仕事熱心だなぁと思って」
アゼルは皮肉まじりに言ったのだが、チャンドラは、それを通用せず「そうであろう。そうであろう」と鼻高々に言った。
チャンドラはチョコを口に入れようとした瞬間、
“トントン”とドアのノックする音が聞こえる。そして、チャンドラとアゼルは一瞬にして緊張が走る。
「遅れて申し訳ございません。王の支度が完了しましたので、すぐにご案内いたします」
ドアを開けるとそこには秘書らしき人が立っていた。アゼルは“ペコリ”と頭を下げる。そしてチャンドラの方に向き合った。
「のう……延長10分は可能か?」
チャンドラも手のチョコを羨ましいそうに眺めていた。
「無理です。さぁ、参りましょう」
チャンドラは“シュン”とした顔になった。
“…わかりやすいなぁ”
応接間ーーー
何故、王の御前で話を聞くのではなく、応接間なのか?それは、王同士が対等に意見を述べるからである。
秘書は大きなドアの前に立ち“トントン”とノックをする。
中から“入れ”という声がして、秘書はドアを開け一礼をする。
「お待たせしました。サシル共和国、王女ザビ=チャンドラになります」
チャンドラは前に出てダスク一世と握手した。
「お久しぶりです。ダスク一世王。ザビ=チャンドラと申します。訳あってここに来ました」
ダスク一世は“ニコニコ”と招き入れて、椅子に座るよう促した。
ダスク一世。やや低身長、金髪、まるで10代と思えるぐらい人物だが、人を包み込むようなオーラが醸し出していた。
「いや~久しぶりと言いたいことなのだが、今のサシル共和国の現状は聞いている。どんなことなのかな?あっ!いよいよお嫁さんに来てくれるのかな?」
とダスク一世は冗談まじりで“ニヤニヤ”した。
「いえ、お嫁は行きません」
チャンドラは“ピシャリッ”と真顔で言った。
「手厳しいなぁ……で、どのようなことで?」
ダスク一世は“冗談言ってよ”という顔をした。
“いやいや、冗談を言ったら、既成事実を出してきて無理やり結婚するだろうが!”とアゼルは心の中でツッコミを入れた。
それを見た、ダスク一世の隣に立っていた騎士が“ギロリ”と睨んでいた。
「結論から言います。兵士を半分ぐらい貸して下さい」
チャンドラはその言葉を聞いて思わず言ってしまった。
「それはダメです!」
「黙ってなさい!」
チャンドラは“ピシャリ”と声を荒げた。アゼルもその言葉を聞いて黙りこくってしまった。
「ほぅ、何やら相談してなかった様子ですね」
ダスク一世は“ニコニコ”する顔は一変、冷たく目が鋭い顔になった。これが、ダスク一世が王になった所以である。一見、冗談好きの青年だが、ここぞという時一気に攻めてしまう、野心家がそこにはあった。
「で、半分の兵士を貸して欲しい根拠は?ただ、無料で貸して欲しい訳じゃないですよね」
ダスク一世は“ニヤニヤ”しながら冷たい目線を送った。
「根拠はある。それは、サシル共和国を属国にし欲しいという条件です。その条件は、属国として税の10分の1は、モスト帝国に支払う代わりに国の方針に一切関わらない。どうですか?」
アゼルは“10分の1の税と言っても、国からすれば莫大な金額になる。えらいことになったぞ”と感じた。
「チャンドラ様、そのようなことは……」
「ええんじゃ!口出しにするではない!」
チャンドラは“ピシャリ”と言った。アゼルも一時期、焦ってしまったが、よくよく考えてみれば、口調も以前と比べて“じゃ”言葉になってきたし、こちらのペースで運んでいるのだなぁと確信した。
「ハハハ!昔から、野心家だのと言って来たが、そうではない。まさか、こんな娘に見抜かれてしまっていたのはな…。いいだろう。この帝国の未来を話そう」
ダスク一世は険しい表情が一変、穏やか表情で語り出した。
この国が争った過去、人とのドロドロした争い、そして未来に向いての独演会。
アゼルはダスク一世に対して心を奪われたが“今はチャンドラ様に仕える身”と気を引きていた。
「ありがとうございます。いい話じゃ。ところでお金の条件はお城に帰ってからにして、半分兵士を貸してもらえないかな?どうじゃ?」
再び、ダスク一世は握手を求めた。チャンドラとダスク一世は“ガッチリ”と握手をする。
「ハハハ!今日は気分がいい!属国の条件だが、100分の1にしょう!要は“タダ”だ。この隣国で心強い国があるとは…素晴らしい!あっ、それと、先読みして兵士も準備しているから存分に発揮するぞ!」
ダスク一世は“ニコニコ”した顔になった。
「ところで、準備期間はどのぐらいじゃ?」
チャンドラはダスク一世に対して問いかけた。
「そうだなぁ……?数時間後には出発だな」
「数時間!?」
アゼルは思いっきり驚いた!
「数時間あれば十分じゃ!さぁ、1分1秒が勝負じゃ行くぞ!ダスク一世!感謝する」
チャンドラは一礼をして“クルリッ”と歩き出した。
チャンドラはイライラしながら部屋の方を行ったり来たりしていた。
「そんなにイライラしなくても…時間は皆さん同じですよ」
アゼルはチャンドラの機嫌取りとおやつの準備に気を配っていた。
「何か飲みます?コーヒーはリラックスする効果がありますよ」
アゼルは“ニコッ”と微笑んだ。
「飲まんわ!」
チャンドラは“プイッ”と向いて応えた。
アゼルは“フーッ”とため息をついた。
“昔からそうだ。コーヒー大好きなのに、機嫌が悪くなると飲まなくなる……”
アゼルはため息をつきながら周りを見てみると、ダメ元であるものを取り出す。
「あの…チョコ食べます?チョコはポリフェノールが入ってて、安眠とリラックス効果がありますよ」
「……食べる」
アゼルは“食べるんかい!”とツッコミを入れようとしたが、他の王の御前なので我慢した。
しかし、チャンドラはその微妙な感情も見逃さない。
「あ、今食べるんかい!と思ったでしょう!ここのチョコは凄く貴重で、もし譲り受けたのなら、生産できないかなぁと思ったのじゃ」
チャンドラは声を荒げながら、アゼルを睨みつけた。
「…そんなことは、ないですよ。ただ、チャンドラ様も仕事熱心だなぁと思って」
アゼルは皮肉まじりに言ったのだが、チャンドラは、それを通用せず「そうであろう。そうであろう」と鼻高々に言った。
チャンドラはチョコを口に入れようとした瞬間、
“トントン”とドアのノックする音が聞こえる。そして、チャンドラとアゼルは一瞬にして緊張が走る。
「遅れて申し訳ございません。王の支度が完了しましたので、すぐにご案内いたします」
ドアを開けるとそこには秘書らしき人が立っていた。アゼルは“ペコリ”と頭を下げる。そしてチャンドラの方に向き合った。
「のう……延長10分は可能か?」
チャンドラも手のチョコを羨ましいそうに眺めていた。
「無理です。さぁ、参りましょう」
チャンドラは“シュン”とした顔になった。
“…わかりやすいなぁ”
応接間ーーー
何故、王の御前で話を聞くのではなく、応接間なのか?それは、王同士が対等に意見を述べるからである。
秘書は大きなドアの前に立ち“トントン”とノックをする。
中から“入れ”という声がして、秘書はドアを開け一礼をする。
「お待たせしました。サシル共和国、王女ザビ=チャンドラになります」
チャンドラは前に出てダスク一世と握手した。
「お久しぶりです。ダスク一世王。ザビ=チャンドラと申します。訳あってここに来ました」
ダスク一世は“ニコニコ”と招き入れて、椅子に座るよう促した。
ダスク一世。やや低身長、金髪、まるで10代と思えるぐらい人物だが、人を包み込むようなオーラが醸し出していた。
「いや~久しぶりと言いたいことなのだが、今のサシル共和国の現状は聞いている。どんなことなのかな?あっ!いよいよお嫁さんに来てくれるのかな?」
とダスク一世は冗談まじりで“ニヤニヤ”した。
「いえ、お嫁は行きません」
チャンドラは“ピシャリッ”と真顔で言った。
「手厳しいなぁ……で、どのようなことで?」
ダスク一世は“冗談言ってよ”という顔をした。
“いやいや、冗談を言ったら、既成事実を出してきて無理やり結婚するだろうが!”とアゼルは心の中でツッコミを入れた。
それを見た、ダスク一世の隣に立っていた騎士が“ギロリ”と睨んでいた。
「結論から言います。兵士を半分ぐらい貸して下さい」
チャンドラはその言葉を聞いて思わず言ってしまった。
「それはダメです!」
「黙ってなさい!」
チャンドラは“ピシャリ”と声を荒げた。アゼルもその言葉を聞いて黙りこくってしまった。
「ほぅ、何やら相談してなかった様子ですね」
ダスク一世は“ニコニコ”する顔は一変、冷たく目が鋭い顔になった。これが、ダスク一世が王になった所以である。一見、冗談好きの青年だが、ここぞという時一気に攻めてしまう、野心家がそこにはあった。
「で、半分の兵士を貸して欲しい根拠は?ただ、無料で貸して欲しい訳じゃないですよね」
ダスク一世は“ニヤニヤ”しながら冷たい目線を送った。
「根拠はある。それは、サシル共和国を属国にし欲しいという条件です。その条件は、属国として税の10分の1は、モスト帝国に支払う代わりに国の方針に一切関わらない。どうですか?」
アゼルは“10分の1の税と言っても、国からすれば莫大な金額になる。えらいことになったぞ”と感じた。
「チャンドラ様、そのようなことは……」
「ええんじゃ!口出しにするではない!」
チャンドラは“ピシャリ”と言った。アゼルも一時期、焦ってしまったが、よくよく考えてみれば、口調も以前と比べて“じゃ”言葉になってきたし、こちらのペースで運んでいるのだなぁと確信した。
「ハハハ!昔から、野心家だのと言って来たが、そうではない。まさか、こんな娘に見抜かれてしまっていたのはな…。いいだろう。この帝国の未来を話そう」
ダスク一世は険しい表情が一変、穏やか表情で語り出した。
この国が争った過去、人とのドロドロした争い、そして未来に向いての独演会。
アゼルはダスク一世に対して心を奪われたが“今はチャンドラ様に仕える身”と気を引きていた。
「ありがとうございます。いい話じゃ。ところでお金の条件はお城に帰ってからにして、半分兵士を貸してもらえないかな?どうじゃ?」
再び、ダスク一世は握手を求めた。チャンドラとダスク一世は“ガッチリ”と握手をする。
「ハハハ!今日は気分がいい!属国の条件だが、100分の1にしょう!要は“タダ”だ。この隣国で心強い国があるとは…素晴らしい!あっ、それと、先読みして兵士も準備しているから存分に発揮するぞ!」
ダスク一世は“ニコニコ”した顔になった。
「ところで、準備期間はどのぐらいじゃ?」
チャンドラはダスク一世に対して問いかけた。
「そうだなぁ……?数時間後には出発だな」
「数時間!?」
アゼルは思いっきり驚いた!
「数時間あれば十分じゃ!さぁ、1分1秒が勝負じゃ行くぞ!ダスク一世!感謝する」
チャンドラは一礼をして“クルリッ”と歩き出した。
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