ガルシア戦記

千山一

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第2巻 親友との誓い

第3章 他国の事務次官 No.9

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俺は店の前に立って凄く感動した。
『カレー屋 マルコ』
何度も言うがカレーを求めて旅に出た。時には国のナンバー2に脅されて逃げ回った時もあった。砂漠のクーデターに巻き込まれて争ったこともあった。悔しい気持ちもあっただろう。だが、今この瞬間“今まであった感情は水に流してやる!”と思えるぐらいの感動だ。

「……さっさと入り…」

俺はカミルの言葉を遮った。
“もう少し待ってくれ…”と言うような仕草で無言でジェスチャーをする。そして、思いっきり深呼吸をする。
“スーーーッ”
カレー独特のスパイシーな香がにおう。まさに世界一、いや宇宙一の店だ!……まぁ、これは俺独自の調べだが……。

「行くぞ!」

俺はカミルの白い目を無視しながら、一歩また一歩また近づいていく。

ギギギィ…。

店を開けると“グツグツ”と煮込んだカレーの味がダイレクトに匂ってきた。

「早く行きましょうよ!」

他のお客の白い目を見て焦ったのか、カミルは急いで奥の椅子に着く。

「いらっしゃい。何にします?」

ぶっきらぼうな男の店員はグラスを2つ持って真顔で口にした。一瞬“イラッ”としたが、聖地のカレーの店である。“グッ”と我慢して作り笑いをする。

「どんなカレーあります?」
「カレーはカレーですよ?そうじゃなくて、カレーの辛さはどのくらいにします?という意味ですよ」

店員は“こんなことも知らないの?”と鼻で笑った。
“ピキッピキッ”
“ドゥドゥ……我慢しろ!俺!”

「じゃあ、普通で」
「俺も普通で」
「あいよ」

爆破寸前だった俺は青筋を立てながら我慢して作り笑いをした。それを見たカミルは顔が蒼白になっていた。それを知らない店員は見向きもせずに帰っていった。

「もう少しですよ!あと、少し!」

小さな声で励ましてくれたカミルは涙が出そうになった。そして、ついについに!念願のカレーを拝むことが出来た!
“念願のカレー”
目の前にあるカレーは、白茶のコントラストを出し独特のスパイシーさがお腹を鳴らしていた。俺はすぐにでも、かぶり付きたい衝動を抑えゆっくりとスプーンをすくう。
“カレーのパラダイスや!!”
何度も言おうと!カレーが1番!カレーしか勝たん!それぐらいの感動を表してきた!

ーーー数時間後

どれぐらい時間をかかったのだろうか?俺は無我夢中でカレーの皿を胃袋がパンパンになるぐらい食らっていた。
カミルも“うんうん”と感動をしたのだが、時間が経つにつれて段々蒼白になり、しまいには“もう止めましょうよ”と暴言(?)に似た発言をした。
と、その時である、ぶっきらぼうな店員が俺の前に立ち口にした。

「勘定はいらねーよ」
「へっ?」

俺とカミルは思わずアホな声で発してしまい、しばらくは二人は固まっていた。

「だから、勘定はいらねって!念願のカレーだろ?この食いっぷりを見てたら、こっちが嬉しくなっちまった」

周り店員を見渡してみた。他の客も“うんうん”とうなづいていた。

「だから、心置きなく食べていきな!ただし、次からはお金を頂くぜ」

ぶっきらぼうな店員は満面の笑みでカレー運んでいた。

「なぁ、言いにくかったら言わなくていい。アンタの名前は?」

ぶっきらぼうの店員は一瞬“ウッ”と固まったが、気を取り直し口にした。

「ベルドだ」

俺とベルドの会話が続く。

「?『カレー屋マルコ』って聞くんだけど、どんな関係が?」
「ん?あぁ、アレは兄弟だ。兄貴は少し変わってなぁ。最初は普通の料理人を目指していたんだが、兄貴が“カレー屋しろ!カレー屋しろ!”とうるさいもんだから、少しだけカレーを作ってみたわけよ。そしたら、どっぷりハマってしまって……気がついたら店の店長よ」

俺は唖然としてしまった。
“世の中には狭いものだからなぁ…”そう感じて、カレーの皿を食らい尽くした。
ちなみに俺が帰った後、すぐに店を閉まっていた。
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