ガルシア戦記

千山一

文字の大きさ
95 / 198
第4巻 放浪の亡命者

第4章 ルジアム騒動No.1

しおりを挟む
サバーーーーン

「ハァ、ハァ、ハァ……クソ~あの腐れ月の悪魔め~いつか◯してやるからなぁ!!」

俺は滝の周辺に倒れて“プルプル”震え出していた。しかも、全身水浸しである。

「クサレ外道が……」

思い出してみると“ムカムカ”してしまうが、何か思い出したかのように頭の片隅に引っかかる。その引っかかりはとても重要なことなのだが、その重要がなんなのか?思い出せない……。

「うーん……なんだろうか?」

俺は“この重要なのは何なのか?”を思い出すため、ここで振り返ってみる。

ーーーー

「走れば行けますよ」
「………」

“コイツバカか?ルジアム帝国ってサシル共和国の隣の国ではあるが、今の砂漠祠:ガァバには大きく遠回りをしないといけない…なので全力で走っても一週間はかかる。なのに、3日間!!頭がイカれてやがるぜ…”と俺はドン引きしてしまった。

「皆さんは知らないと思いますが、ここ砂漠の祠:ガァバは私のテリトリー……いわば、私が自由自在に操れる領域です」
「そんなは知っているよ……って、おい」

俺はアレスの方へ向き合い、目を見開きながら大量の冷や汗がドット噴出した。
“ま、まてよ!このことが事実なら、現実的にやらんで欲しい……本当なのかよ!?”

「では、私はサシル共和国に神のように振る舞っていきますのでどうかご安心を。では、皆さん行ってらっしゃい」

アレスは一礼をして“パチン”と右手を鳴らした。すると突然床が崩れ落ち、大きな川が現れた。俺は咄嗟に床にしがみつき、必死にもがいていた。

「いきなり、床に落とすとは何事じゃ!」

シルバードラゴンは床が落ちる瞬間に飛び降りて無事だったが、あまりにもビックリしたので思わず避けてしまった。だが、不幸は序の口だった、シルバードラゴンの背後にいたアレスは満面の笑みで声かけた。

「無言じゃないですか?シルバードラゴンさん」
「ワシはこの事件に関与しておらん。だから、口を挟むのは野暮じゃろう?」

シルバードラゴンとアレスは間合いを取る。
“クソ……昔はアレスなんぞ、相手にせなんだのに…今のワシじゃ太刀打ちできん。どうしたもんかいのう…”

「どうしたんですか?何も言わないじゃない…あっ!」

アレスは一瞬、大きな声でガルシアの方へ向く。何かあったのかシルバードラゴンもガルシアの方へ向いたのだが、変わらずガルシアは必死に落ちている床から格闘中……。
“ん?なんじゃ?”と思ったシルバードラゴンは後の祭りになってしまった。アレスは瞬時に魔法を発動してシルバードラゴンの体に何重もの輪っかが出現し体を縛っていた。

「なんじゃ!?」

アレスは、まるで赤ちゃんが縛って楽しむかのような顔をした。そして、アレスの顔を見て瞬時に悟ってしまった。

「おい、覚えておれよ!!いつか、八つ裂きにしてやるからな!」

シルバードラゴンには重力があり、当然激しい水の濁流に真っ逆さまに落ちていた。
ドボーーーン!!
アレスはそれを見届けるとガルシアの元へゆっくりとか歩み寄っていた。

「コラ!アレス!俺になんか恨みはあるのか!?」

何とも悲しい遠吠えである。アレスは悲しそうにゆっくりと必死になっていた手を一本一本離し始めた。ガルシアも諦めたのか、恨み節を語る。

「おまえ、覚えてろ!いつか見舞いに行ってやるからな!」

諦めたかのようにガルシアは“ポンッ”と手を離した。
ドボーーーン!!
アレスはそれを見届けると全身に何とも言えない快感が襲われていた。そして“これだから、やめられない…まさに美味!”と一言のように全身が震え出した。
ーー数分後、アレスは“スクッ”と立ち止まりゆっくりと作業に取り掛かった。

「さて、神のようにに振る舞いながら、サシル共和国に赴きますか」

アレスは知っていた。
“行こうか、行かまいか、そんなことはどうでも良い。ルジアム帝国に亡くなるもしくは逃亡していたら、慈悲深いアレス様が一生懸命に努力してお救いになった。
行った場合は“約束通りにアレスは守った”と評判に近い英雄として扱われるであろう。

「フ、フ、フ…ハ!ハ!ハ!!!」

アレスは声高々に鳴り響いていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

(完結)姑が勝手に連れてきた第二夫人が身籠ったようですが、夫は恐らく……

泉花ゆき
恋愛
蘭珠(ランジュ)が名門である凌家の嫡男、涼珩(リャンハン)に嫁いで一年ほど経ったころ。 一向に後継ぎが出来ないことに業を煮やした夫の母親は、どこからか第二夫人として一人の女性を屋敷へ連れてくる。 やがてその女が「子が出来た」と告げると、姑も夫も大喜び。 蘭珠の実家が商いで傾いたことを口実に、彼女には離縁が言い渡される。 ……けれど、蘭珠は知っていた。 夫の涼珩が、「男女が同じ寝台で眠るだけで子ができる」と本気で信じているほど無知だということを。 どんなトラブルが待っているか分からないし、離縁は望むところ。 嫁ぐ時に用意した大量の持参金は、もちろん引き上げさせていただきます。 ※ゆるゆる設定です ※以前上げていた作の設定、展開を改稿しています

記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】

かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。 名前も年齢も住んでた町も覚えてません。 ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。 プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。 小説家になろう様にも公開してます。

借金5億で異世界転移、よりによって金本位制の世界だった

夜明け一葉
ファンタジー
32歳の個人トレーダー・佐藤慧は、5年間の雪辱を賭けたトレードで5億円の借金を抱え、意識を失った。目覚めると、そこは剣と魔法が存在する見知らぬ世界だった。常識が通じない異世界で、金貨を見るだけで嘔吐する「金アレルギー」を抱えながら、若き冒険者リナと出会い、生き延びる術を探し始める。諦めることだけができなかった男が、新たな世界で再び立ち上がる異世界サバイバル譚。

処刑から始まる私の新しい人生~乙女ゲームのアフターストーリー~

キョウキョウ
恋愛
 前世の記憶を保持したまま新たな世界に生まれ変わった私は、とあるゲームのシナリオについて思い出していた。  そのゲームの内容と、今の自分が置かれている状況が驚くほどに一致している。そして私は思った。そのままゲームのシナリオと同じような人生を送れば、16年ほどで生涯を終えることになるかもしれない。  そう思った私は、シナリオ通りに進む人生を回避することを目的に必死で生きた。けれど、運命からは逃れられずに身に覚えのない罪を被せられて拘束されてしまう。下された判決は、死刑。  最後の手段として用意していた方法を使って、処刑される日に死を偽装した。それから、私は生まれ育った国に別れを告げて逃げた。新しい人生を送るために。 ※カクヨムにも投稿しています。

あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜

南 鈴紀
キャラ文芸
 妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。  しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。  掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。  五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。  妖×家族の心温まる和風ファンタジー。

【完結短編】真実の愛を見つけたとして雑な離婚を強行した国王の末路は?

ジャン・幸田
恋愛
真実の愛を見つけたとして政略結婚をした新妻を追い出した国王の末路は、本人以外はハッピーになったかもしれない。

道化たちの末路

希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と愛人母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

処理中です...