ガルシア戦記

千山一

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第4巻 放浪の亡命者

第5章 本物の証No6

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「うーん…成功は成功ですけど、まだまだ、出力が足りないですぅ~」

“これで、出力が足りない!?”と俺はビックリしたが、ベルを含めてアンダーソン一族は次からの上の対策……いや、斜め上の対策で来るからなぁとある意味、納得した。
例えば今は実験のため、この部屋限定になっていたが故郷の江上国に住むと江上国限定になるため、江上国以内の逃亡生活になるだとか……いやいや、ありえない!

「うーん、ベルは考えの斜め上を行きますからねぇ~……当分はこのままに行きますぅ~」

“思いっきり対策しとるやんけ!!”と俺は思いっきりツッコミを入れた。シルバードラゴンは“ポンポン”とベルの肩を軽く叩き、寂しげな顔を向けた。

「まぁ、運命じゃ……頭領と言ったかの?しっかり修業してこい!」

気を失ったフリをしているのか“ダラダラ”と冷や汗を掻きながら、まだ気を失ったフリをしている……そして、隣にいたレッドは再び魔法の輪っかを二重にしている。
締め付けがキツくなったのか、ベルはレッドに対して抗議をし始めた。

「キツくないか?もう少し緩くても…イタタタ!!」
「申し訳ございません。シルバードラゴン様から“締め付けはもう少し強化しろ”と言いつけられているので」

レッドは“内臓が飛び出るのではないか?”ぐらいまで締め付けの強化した。
正真正銘のドS…いや“悪魔”なのだ。

「レッドよ。良いではないか。少し緩めるが良い」
「いや!しかし!」
「ほぅ……わしの言う事が聞けんのか?」
「失礼しました!」

シルバードラゴンが一瞬、冷徹で真顔な顔をしていると、レッドは慌てて撤回し謝罪した。 
普段なら矛盾しているが、この緊迫した状況である。シルバードラゴンが“クルリッ”とベルの方へ向き合い“ニコッ”と微笑む。

「すまんのう。完全に魔法を消すことはできないんじゃが……少し緩めることができるからのぅ…どうじゃ?苦しくないか?」

シルバーは少し寂しそうな顔をする。一方、ベルは“キラキラ”した眼差しで、シルバードラゴンを見ている……いわゆる“シルバードラゴン推し”が誕生したのである。
“……この悪魔め!”
シルバードラゴンとレッドは数千年の付き合いがある。だから、当然シルバードラゴンは何が嫌いなのか?何が好みなのか?かは、当たり前のように知っている。
そして“ココは、でしゃばっても良いよな?”とか“ココは大人しく黙っておこう”などの把握している。
でだ、ここで重要なのは“シルバードラゴンが一番進めたい道筋は何なのか?”ということだ。元々、レッドはベルに対して何の感情も沸かなかった。だが、レッドはドSぷりを披露した。
“では、何故なのか?”
それは“シルバードラゴンが最善の道筋”いわゆる“ルジアム帝国が発展するため”ということである。
ダスク一世、ベル、リナなど……人間はどうでも良い!要は気持ち良く、サシル共和国に送り出せば良いのである。

「……悪魔め」

俺は“ボソリッ”とシルバードラゴンが届くか?届かないか?の小さな声で“ポツン”と呟いた。

「ん?なんじゃ?ワシは善意しか働かないぞ?」
「………」

“嘘つけ!この悪魔めが!”と俺は思ったが、今は上手くいきそうなので黙っていることにした。
“ん?もしかして、俺も同罪か?”

「まぁ……いろいろあったが、ここで結論を言い渡す。ベルよ。江上国に対してレンタル移籍。もちろんドラコもそうだ。そして、ホワイトドラゴンはドラゴン軍のリーダーに据える」

“オォォ!!”と部屋の外から喝采の声が漏れる。それに気がついたダスク一世はため息をついた。

「どうやら、言わなくても良いですね……」

最初は何を言っているのか分からなかったが、その言葉の意味を初めて知ることになった。何故なら、何の指示をしなくても勝手に正常な状態になったからなどである。
こうしてルジアム騒動は幕を閉じたのであった。
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