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第131:逆転の術式
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「再生者でも気は失うのですね」
ロザンは寝台に横たわるシェリーを見下ろした。
「温厚育ちのお嬢様には少々ショッキングが過ぎましたか。まぁいいです。抵抗されても面倒ですので」
ロザンは部屋の奥から何かを持ち出してくる。
「あなたほどの強力な再生者を殺すのは一筋縄ではいかない。なので異能には異能をもって殺さなくては」
それは銀色に光る美しい刀身をもった一本の剣であった。神々しささえ覚える見事な装飾の両刃剣。
「打ち止めの秘剣。ありとあらゆる事象に終止符を打つ伝説の宝刀。探すのに苦労しましたよ」
ロザンは剣を構え、シェリーの横たわる寝台の脇に立った。
「魔術の構成に必要前提条件である聖女・再生者・人材・広大な施術面積と永久ゼンマイ。誰にも怪しまれること無くすべてがここに揃ったのも、すべては神のご意思。あぁ主よ、ご覧ください」
刃の先端がシェリーの心臓に標準を合わせる。鈍く光る刀身が一瞬その輝きを増した気がした。
「あなたの終わりが私の始まりです。さぁ、今こそ礎となれ!!」
ズグッ
「ゴフッ」
あの超再生力を持つシェリーの口から多量の血が流れ出る!秘剣の一撃は無慈悲にその善なる命に終わりを与え、物言わぬままシェリーは絶命した。
ドドドドドドドドドドドドッ!
不気味な振動が部屋全体を揺らす!描かれた魔法陣は薄緑に発光し、それに呼応するかのように水晶が輝きだした!
「ふふっ!ははははははははははははっ!!完成だ!我が人生を賭してようやくここに極まった!伝説が!今この場から始まろうとしている!!!」
ドクン ドクン
脈打つように振動する部屋の中央に横たわるシェリーの遺体から、何やら霧のような白い何かがふわりと湯気のように舞い上がる。
「ほぉ、さすが聖女ともなれば魂も一級品だな。まさか素の状態で可視できるとは」
やがて霧は一つの大きな塊となって部屋の中を浮遊し始めた。
「さぁ、あなたの居場所はその疑似の器ですよ?おとなしく中へお入りなさい」
浮遊する魂は辺りをくるくると旋回する。
水晶体の輝きが増すにすれ、次第にひかれるように浮遊する魂も水晶へと向かい始めた。
その様子を見守るロザン。
ふと、魂がロザンのそばを掠めたその時だった。
「・・・・・・・・・ユルサナイ」
「は?」
バチンッ!
「うおぉおお!」
強力な力に弾き飛ばされるように、ロザンの体は部屋の隅へ吹き飛ばされる!
「何事だ!!」
先程まで真っ白だった魂から、真っ黒な稲妻がほとばしり始めた。痛々しいバチバチという鋭い音が部屋の中にこだまする。
「馬鹿な・・・まさか!」
次第に稲妻は魂本体をも侵食し始め、透き通るような白は底の見えない黒へと変貌を遂げた。
「術式が・・・反転する!!!」
その身を闇に染めた聖女の魂は、吸い込まれるように水晶体へと消えていった。
ロザンは寝台に横たわるシェリーを見下ろした。
「温厚育ちのお嬢様には少々ショッキングが過ぎましたか。まぁいいです。抵抗されても面倒ですので」
ロザンは部屋の奥から何かを持ち出してくる。
「あなたほどの強力な再生者を殺すのは一筋縄ではいかない。なので異能には異能をもって殺さなくては」
それは銀色に光る美しい刀身をもった一本の剣であった。神々しささえ覚える見事な装飾の両刃剣。
「打ち止めの秘剣。ありとあらゆる事象に終止符を打つ伝説の宝刀。探すのに苦労しましたよ」
ロザンは剣を構え、シェリーの横たわる寝台の脇に立った。
「魔術の構成に必要前提条件である聖女・再生者・人材・広大な施術面積と永久ゼンマイ。誰にも怪しまれること無くすべてがここに揃ったのも、すべては神のご意思。あぁ主よ、ご覧ください」
刃の先端がシェリーの心臓に標準を合わせる。鈍く光る刀身が一瞬その輝きを増した気がした。
「あなたの終わりが私の始まりです。さぁ、今こそ礎となれ!!」
ズグッ
「ゴフッ」
あの超再生力を持つシェリーの口から多量の血が流れ出る!秘剣の一撃は無慈悲にその善なる命に終わりを与え、物言わぬままシェリーは絶命した。
ドドドドドドドドドドドドッ!
不気味な振動が部屋全体を揺らす!描かれた魔法陣は薄緑に発光し、それに呼応するかのように水晶が輝きだした!
「ふふっ!ははははははははははははっ!!完成だ!我が人生を賭してようやくここに極まった!伝説が!今この場から始まろうとしている!!!」
ドクン ドクン
脈打つように振動する部屋の中央に横たわるシェリーの遺体から、何やら霧のような白い何かがふわりと湯気のように舞い上がる。
「ほぉ、さすが聖女ともなれば魂も一級品だな。まさか素の状態で可視できるとは」
やがて霧は一つの大きな塊となって部屋の中を浮遊し始めた。
「さぁ、あなたの居場所はその疑似の器ですよ?おとなしく中へお入りなさい」
浮遊する魂は辺りをくるくると旋回する。
水晶体の輝きが増すにすれ、次第にひかれるように浮遊する魂も水晶へと向かい始めた。
その様子を見守るロザン。
ふと、魂がロザンのそばを掠めたその時だった。
「・・・・・・・・・ユルサナイ」
「は?」
バチンッ!
「うおぉおお!」
強力な力に弾き飛ばされるように、ロザンの体は部屋の隅へ吹き飛ばされる!
「何事だ!!」
先程まで真っ白だった魂から、真っ黒な稲妻がほとばしり始めた。痛々しいバチバチという鋭い音が部屋の中にこだまする。
「馬鹿な・・・まさか!」
次第に稲妻は魂本体をも侵食し始め、透き通るような白は底の見えない黒へと変貌を遂げた。
「術式が・・・反転する!!!」
その身を闇に染めた聖女の魂は、吸い込まれるように水晶体へと消えていった。
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