くまの復讐

ぴぴみ

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不器用なくま

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くまは、とても不器用でした。

話すことが下手で、よく周りの動物達に誤解

されました。

具合が悪いものを心配しつつも、見ているこ

としかできず、『大丈夫?』と声を掛けなけ

ればいけないなどと知らなかったのです。

そんなくまを、周りの動物たちは、なんて冷

たいやつだろうと思いました。

また、くまは、あまり表情が豊かではありま

せんでした。

自分のミスで誰かに迷惑をかけた時、『ごめ

んなさい』と謝るのですが、必死さが伝わら

ず、誰も彼もがふてぶてしい奴だと思いまし

た。

何も気にしてなんかいないくせに、言葉だけ

謝るなんて、性格の冷たい奴だと。

くまは、とても申し訳なく思い、心臓の鼓動

も早鐘を打っていたのですが誰もそうとは知

りません。

次第に、周りの動物たちは、くまを虐めるよ

うになりました。

くまとだけ世間話をしなかったり、陰でこそ

こそ言われるのはしょっちゅうです。

彼らの大きな声で、紡ぎ出される噂話から自

分の名前が聞こえる度に、くまの胸は苦しく

なります。

息がしづらくなります。

でも、結局は思ってしまうのです。

自分が悪いから、仕方がないと。

─くまが、弱い奴だと思われたからでしょう

か?

きつねやうさぎ、いのしし、までが直接くま

に文句を言ってくるようになりました。

酷い剣幕で捲し立てられる度に、くまの心は

萎縮します。

「もっとちゃんとやってよ!」

─はい。ごめんなさい。

「君が強くないから、人間共が僕の仲間を

狩ったんだ」

─ごめんなさい。

「本当に反省しているの?どうしようもな

い奴」

─はい…。

くまは、疲れていきました。

もちろん、くまにだって憤る心はあります。

時には腹立たしくて、ふてぶてしい態度を

とってしまうこともありました。

ですが、それも長くは続きません。

怖い顔をした動物たちに詰め寄られ、前より

怯えた態度を見せてしまいました。

それを見て、彼らの態度はますます酷く、過

激になっていきました。



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